都内に住んでいる孫娘と一緒に植えたチューリップを昨年の春は一緒に見ることができませんでした。でも連休には......夏休みには......冬休みにはと待っていました。
 今年こそはと植えておいた50球余りもの球根は季節を忘れず、色鮮やかに咲き誇っていますが、今年も一緒に見ることなくチューリップの季節は終わりそうです。
 誰も予想していなかったであろうコロナウイルスに世界中の人々が掻き回され、コロナ禍での生活を現在も余儀なくさせられています。
 緊急事態宣言中に休業の期間もありましたが、「3密の回避」や「新しい生活様式の実践」の下、コーチの方々の細やかな感染予防対策、そしてワークアウト用のマスクまでいただいての再開は朗報でした。
 高齢になって「自分は元気だ」「まだ大丈夫」と思っていても、"高齢者"のレッテルを貼られると周りの人から心配されたり、やりたいことが制約されてしまいます。70歳を過ぎると「年齢には勝てない」ということを身をもって体験することが増えました。
 高齢者の詐欺予防対策なのですが、しっかりした友人が「先日、高額の払い戻しを○○局でしようとしたら高齢なので払い戻ししてもらえなくて」と年齢を自覚していました。
 高齢者は感染リスクも高く、罹患すれば重症化しやすく、迷惑もたくさんかけてしまうことになるのでと自粛生活が定着しつつある人も少なくない気がします。
 ある時、カーブスの掲示物で「運動は免疫を高める。感染対策をしながら運動は続けよう!」というような内容が目に留まり、ほっとした記憶があります。
 若い方は勿論ですが、胸を張って来られる場所は、こんな状況だからこそ貴重な場所になっていると思います。
 メンバーの方々が不思議なほど前向きで明るく気持ちのよい方なので、私は週3~4回3年半お世話になっているのに1度も嫌な思いをしたことはありません。
 それは、私の娘や孫のようなコーチの存在に外なりません。そう思うのは私ばかりではないと思います。
 納得できないことや私ごとで困っていることにまで耳を傾けてくださるので、カーブスに向かう足が軽くなるのもしばしばです。「こんなお天気なのに、よく来てくれましたね!」と迎えてくださるコーチに「他に行く所がないから」と返すメンバーの笑顔にも癒されます。
 コーチから「目標は?」と問われることがあります。「健康になりたい」「体重を減らしたい」「○○ができるように」「元気になりたい」等々、みなさんは大きな目標や素敵な夢に向って頑張っています。
 私は子ども達や孫との時間を元気で少しでも長く過せることが一番の幸せなので、そのために元気でいたいと考えるのみです。
 振り返ってみると長女の私が中1で、下の3人の妹が小6、小1、3歳の時でした。母は36歳で病死して、3ヶ月後に祖父、5ヶ月後に祖母も他界し、父と子ども4人の生活に一変。
 父も60代で脳梗塞で倒れて、その後25年間の在宅療養に。中1から母親代り、そして30代から父の在宅介護の生活が続きました。
 外地に行って軍服を着て馬に乗ったりの軍隊生活をしていた父は、病院や施設での生活は絶対に受け入れませんでした。生まれ育った家の畳の上で......という信念を貫いた父は幸せだったと思います。
 両親が元気でいたら、私はどんな生き方をしたかなと思う時もあります。
 夢中で生きて来ましたが、幼い子どもを残して亡くなった母の切なさはどんなだったか、いつも怖くて厳格な父が突然、子どもに看てもらわねばならない不自由な体になってしまった時の気持ちはどんなだったでしょう。
 父や母の方が子どもの私達より、ずっとずっと切なく無念であったに相違ありません。
 親が元気でいないと子どもの生活も大きく変わってしまう人生だったから、子どものためにという思いが強いのかも知れません。
 遠くにいる娘や息子に時々、近況報告をします。
 「じいじはゴルフに」「ばあばはカーブスに」というのが我家の元気報告のバロメーターです。
 頑張って結果を出している方もたくさんいらっしゃいますが、私は人と比べないで、気持ちよく元気で続けられれば最高です。
 そうすれば、今は会えない子ども達や孫と会える日が早く来るような気がしています。