この度2月末をもって、仕事に別れを告げた。66歳...もう普通のおばさん...否、おばーさんになろうと。
「体力の限界...気力もなくなり引退することになりました」と涙ながらに語った千代の富士のまさにその心境だった。特に相撲ファンという訳ではないが、同じ昭和30年生まれということもあって、現役力士の頃は応援もし、亡くなった時はあまりにも早過ぎる死に涙した。
 退職するにあたり、40代50代の若い仲間たちは口をそろえて「幸代さんが一番元気なのに...」と。ちなみに私が最年長。
 言われるまでもなく、確かに私は元気。カーブスに通い始めてからというもの(52歳から)何年風邪をひいていない?と感心するくらい薬や病院とは無縁。持病の喘息もどこへやら...。
62歳からは定期的に献血もしている。若い頃より健康な身体を自負する66歳。...がその〔元気〕と仕事を続けていくことのエネルギーは別物だ。何かミスをしてしまったら...誰かに迷惑をかけるようなことになったら...と強迫観念にも似た思いが近年強くなり、ストレスと感じるようにもなっていた。身体の頑丈さの強さとは真逆の〔弱さ〕ばかりを意識するようになってきていた。
もう...ちょうどいい潮時。タイミング。そして...退職。
 現在は普通のおばーさん。目下のところ、家事、ママ不在の孫守り、図書館通い、カーブスが主力業務である。...がしかし、このコロナ...
 昨年突然始まったコロナ禍による不自由な生活も1年以上となり、世界中で多くの問題を共有している。期せずして共通の敵を持ったことで、主義主張、体制の異なる世界の国々が連携してコロナウィルスと立ち向かっている。ワクチンも開発され、順次接種されている。国やそれぞれの自治体によって時期が異なるのは仕方のないことだが...。やはり、自分の身はできる限り自分で守る努力を怠らないこと。変異種の存在も報道され、ワクチンだけには頼れないかもしれない。魔法のクスリではないのだから。
 運動習慣は多くの効果をもたらすことは知られているが、体力UP、免疫力を高めることでコロナをも撃退できるかも...。健康、長寿の一翼を担っていることは間違いないのだから。
 この1年間でマスク着用は当たり前のこととなった。孫たちの顔に先日マスクのヒモがくっきりと日焼け跡として残っているのを発見した。登下校はもちろんのこと、外遊びでもマスクを欠かさない習慣となったことが、ふと痛ましくもあり、複雑な思いで眺めた。おかげさまで私たち年代には、ほうれい線隠しにも貢献してくれている。化粧も時間短縮。眉さえ描けばOK!!花粉症対策はもちろんのこと、冬の寒さからも守ってくれた。まだまだ長いつき合いになりそうだが、慣れてしまえば苦にならない。カーブスの運動中でもマスク美人が勢揃い。
 昨年末、近くに住む二男嫁が〔カーブス1ヵ月体験〕に参加させていただいた。仕事、家事、子育てと日々奮闘している彼女は、学校の役員、マンション管理組合の理事長という大役も加わり多忙な日々だった。そんな彼女に少しでも自分のためだけに使える時間を...という願いもこめ声をかけた。前々から体験してみたかったということで、二つ返事で快諾。私たちは〔お嫁さん〕というより〔娘〕のような〔友だち〕のような間柄。彼女が通ったことで、思わぬ効用が私にも。会員としての年数は長いわりに、ついつい漫然とマシンに向かっていたからか、彼女の真面目な直球質問に答えられない。「あのマシンは、どこに力を入れたら?」やら「後でこの筋肉が痛くなるのは効いている証拠?」などなど。まともに答えられないことが、さすがに恥ずかしくなってきた。
 コーチのプロ指南のおかげで、彼女の疑問は解消され熱心な指導と助言もあり、楽しそうに通っていた。一から吸収したことで、マシンも上達し、13年以上のキャリアの私をはるかに超え身体にも変化が...とのコメントに嬉しくなった。膝に不安を抱え、年齢相応のサイズ増も気になることだった...と。それはもちろん私にも刺激となり、あらためてマシンの使い方や筋肉に及ぼす影響等考えるきっかけとなった。
 日常的なとりとめのないおしゃべりに加え、カーブスという共通の話題ができたことで、私たちのおしゃべり時間は広く深く無限に広がることとなった。彼女が入会して本気モードで通えるようになるには、もう少し時を待たなければならないが、その時も私が先輩会員として在籍していられるよう頑張って通い続けたい。お互いの存在がそれぞれの励みとなるなら、私のカーブス経験が無駄ではなかった証なのだから...。
 コーチは今も「お嫁さん、元気ですか?」「頑張ってますか?」と気にかけてくれる。ありがたいことだ。
 退職もコロナ禍も契機ととらえ、残りの人生を前向きに進んでいきたいと思う。日々の運動を欠かさず、食事に気を配り、健康自慢のパワフルおばーさんになること、それが究極の目標だ。