「お母ちゃん、私一等賞だから明日の運動会ちゃんと見に来てね。」これは60年以上前の母との会話の一部です。母によると、自分の子どもの能力は分かっていたものの、それでもまさかと思い当日声援を送っていると......。まさに一等賞です。後ろからですけれど。やはりなあという思いでいると、当の本人は「今日はちょっと調子が悪かった。」と言い訳。人一倍負けん気の強かった私のエピソードです。でも全く覚えていませんが。
その頃から運動神経はからっきしなく、スポーツと名のつくものは大嫌い。理屈理論は分かっているものの落ちこぼれです。
こんな私がカーブス入会を決意したのは、母を看取った後の空虚な時間を過ごしていた時のことです。募集のポスターを気にして、教室の前を右往左往し、ネットで調べつくし意を決して、入口のカーテンを開けました。とてもとても不安で心配でした。運動オンチの私がちゃんとできるかしらと。
ボード上の足踏みの時に、他の会員さんのマシンの使い方を横目で研究。交代時には後ろに続く方の迷惑にならないように機敏に動く。できる~私にも。かつてスポーツ万能だった人も高齢になると動作がぎこちなくなっています。当り前です。運動能力に雲泥の差がついていた知りあいでさえ、加齢による衰えは否めません。コツコツと継続さえすれば人並に出来ることが分ってきたのは、入会後半年も過ぎた頃でしょうか。運動することの楽しさも知ることができました。
 仕事柄、一般の主婦の方よりは運動の機会は多少あったものの、三人の子の出産後は、雪だるま式に体重増です。40代後半には高血圧に始まり成人病のオンパレード。30キロ以上オーバーした体重は、そう安々と改善することはありません。主人には体重のことを問われると20キロくらいサバ読んでいましたけれど。信じてくれていたのか知りませんが。でもこの体つきを見れば、嘘だと見抜いていたことでしょう。退職後の60才を過ぎた頃がマックスだったと思います。カーブスに通い始めゴールドの会員証をいただいた時には10キロ減となりました。嬉しいけれど、まだまだ先は長いです。
 入会して5年もたつと、自己流の変な癖も現れます。そこは信頼するコーチのアドバイスでカバーしていただいています。特に、スクワットのマシンで指導されることが多いです。そんな中、腹圧もちゃんと入っていて姿勢もバッチリでこの調子でと言われると、とても嬉しくなります。ほめて伸ばすという方針は子どもだけでなく、大人にとっても励みになるものです。コーチなしで一人で運動するジムもありますが、私にはカーブスのやり方が合っています。
 心臓病でカテーテルによるステント設置術こそ受けましたが、今はとても良好です。最上段から階段を転げ落ちても、骨折もなく、成人病の検査数値も正常値にどんどん近づいているのは、カーブスの効果です。
 近頃は、つかまり立ちを始めた頃の孫が、つま先立ちで移動する姿にヒントをもらい、ボード上で足踏みするのを、つま先立ちで行うようにしました。最初は辛かったのですが、慣れると苦にならなくなりました。もちろん黙トレは心掛け、心拍数を答える時以外はだんまりです。だって口を開きおしゃべりすると充分な腹圧がかけられないんですもの。
 これから5年後は更に10キロ減になるよう努めながら、今日もカーブスに出かけます。スリムになっても誰も振り向いてはくれませんが、主人への嘘が、いつか真実になるようにと思います。そうなったら憧れのお姫様抱っこをせがんでみようかしら。主人の腰が、その時まで耐えられるかは......。ウフフ。