私は13年前の10月にカーブスに入会しました。30年程同居した舅を看取り四十九日を済ませた翌日の事でした。それには理由があります。
 義父は歩く事、運動する事が大嫌いな人でした。目と鼻の先にある所へも車を使って行きました。80才を過ぎ足の痛みで病院に行った時、「加齢です」と言われ、今の状態を維持できるようにと簡単なストレッチをすすめられましたが「そんなもので足の痛みは治らない」と決してやろうとしませんでした。そしてついにブレーキを踏み込む力がなくなり、家の壁に車をぶつけ車を手ばなしました。
 ところがそれから半月もたたないうちに、湯船から立ち上がれなくなったのです。3ヶ月後には自力で歩く事さえできなくなりました。筋肉も何もない義父の足はまるで枝のように細くなっていました。
 坂道を転がるように悪くなっていく姿を目の当たりにして、私は本当に驚愕しました。そして恐ろしくなりました。なぜならその頃の私も義父と同じように車に頼る生活をしていたからです。
 私は40才になった時、運動をしていて足がずれた感覚と痛みを感じて受診しました。そして先天性の股関節症と診断されました。「運動をしないように、移動は車か自転車で、手術をするなら60才を過ぎてからの方がいいのでそれまで大事に暮らしなさい」と言われたのです。それからはなるべく歩かないように無理をしないようにと暮らしてきました。少し無理をして歩くと次の日には足が上がらなくなり、階段をはって上がった事もあります。水の中なら腰に負担がかからないと聞いて、プールに通った事もありましたが、毎日は行けません。義父の姿が数年後の自分の姿と重なりました。何とかしなくてはと思っても何をしたらいいのか見当もつきません。
 「カーブスに来てみない?」友達が電話をくれたのは四十九日の前日の事です。義父の死も私が悩んでいる事も友達は知らなかったのです。あまりのタイミングに運命を感じました。カーブスに賭けてみよう。もし悪化したら手術すればいい、と思えました。そしてすぐに入会しました。半信半疑で続けましたが、ありがたい事に痛みは増しませんでした。半年もたった頃に36度を超えた事がなかった平熱が36度3分に上がっている事に気づきました。カーブスは私に合っていたのです。足が痛い時は無理せずにやれる範囲で、調子がいい時は全力で続けてきました。
 一昨年は主人が病気で歩行器の生活となり、私も甲状腺の病気で5分と立っていられない手足のふるえと、少しの運動で急激に上がる心拍に「共倒れになるんじゃないか」という不安とストレスで落ち込む日々が続きましたが、「何もしてあげられないけど話を聞く事はできるから、何でも話してね」と言ってくれたコーチに本当に救われました。感謝しています。おかげ様で薬も効いて元気な生活に戻りました。
目標としていた60才も無事に過ぎ、65才になりました。40代の頃より今の方が元気な気がします。一歩を踏み出して良かったと本当に思っています。
 今日も自分の体は自分で守る、と言いきかせながら、私はカーブスに通います。