駐輪場から駅に向かう路地で「カーブス」という紫色のサインを見るようになったのは3年前の秋でした。なんだろうと思っていたら、駅からの帰りに「カーブス開店しました!」という明るい声と共に案内が目の前に差し出されました。その時は両手に荷物を下げていたので「ごめんなさい。受け取れません!」と詫びました。普通だと「そうですか」と引っ込められてしまうのですが、その元気なお嬢さんは「じゃ、入れておきますね」と持っていた袋に入れてくれました。あれ、気が効くなと好感を持ちました。帰宅して案内を見てそのうち...と思いながらも忙しさに紛れていました。そんなある朝、自転車を置いて駅に向かって歩いていて何かにつまづき、正にばったりと倒れかけました。それがちょうどカーブスのお店の前でした。これは行かなくちゃと、早速お店に電話をしました。ご担当してくださったコーチは予想どおりの明るい笑い声で私の話を聞いてくださいました。体力測定をしたら私の健康年齢は実際年齢よりはるかに上でした。
 以前はジムに通っていて一時は10数キロ痩せた記憶があります。その後も身体を動かすようにしていたのでなんとなく健康に自信がありました。でも歩いていただけなのにつまづいて転びかけたことから、駅で階段よりエスカレーターを選ぶ日々を思い出し入会しました。それが3月26日で気がつけばもう2年経っています。
 実は私は入会時から数値があまり変わっていません。体重は一時ちょっと減りましたが。体脂肪もまだまだ。ウエストとお腹はスッキリしたかな。でもね、私にとって何よりもカーブスは心に効くんです。   
 最近ではこんな時に行くようにしています。
 落ち込んで暗くなった時。両親は既に亡く、兄と主人の七回忌も終わりました。昨年からの状況で仕事がなくなり、友人と会う機会もありません。これからの事を考えて落ち込んで暗くなった時にはカーブスに行きます。身体を動かして皆様の笑顔を拝見していると気持ちが明るくなります。カーブスではコーチと挨拶するだけ、誰とも話さず帰りにどこにも寄らなくても背筋が伸びて視線が上がってきます。行き帰りに周囲を見渡して季節を感じれば気持ちが明るくなってきます。
 手足が冷たい時。以前はストーブをつけてぼんやり温まりながらテレビを見たり音楽を聴いたりしていたのですが、今はカーブスへ行く支度を始めます。身体が温まると一枚脱げて元気になる。出かける前には寒いかもしれないとか色々と案じてついつい着込むのですが、どんなに寒い日でも帰りは一枚脱いで帰れます。これからなら一汗かいて着替えて帰る心地よさでしょうか。なんだか生まれ変わった気分かな。
 カーブスには触れる心地よさがあります
 コーチの皆様はいつも笑顔で「今日も来られましたね」と話しかけてくれます。来る予定でなかったり、前回から間があいた時には言い訳を言いたくなってしまったのですが、最近では目に見える数値の変化を追いかけるより、この挨拶通り来られたことに感謝しようと思い始めました。それ以上お話できない時もあるのですが、この濃すぎない見守りを応援と感じファーストネームで呼ばれる幸せを味わっています。
他のメンバーさんとは会釈程度しかしませんが、カーブスに来たら活き活きとした人達に会えるのが嬉しいです。手押し車でやっと入室していたメンバーさんがいつの間にか元気にステップを踏むようになっていると、こちらまで嬉しくなってお声をかけたくなっちゃいます。以前は舞台で男役を演じていたのかなと思うほどカッコよく帽子をかぶっているメンバーさん、ウエアや髪型がステキ、コーチに呼ばれるお名前がモダンだなあ、その他たくさんの魅力的な笑顔に会えます。ご挨拶することもありますが、お名前を覚えることもありません。この距離が快適なのです。
 地域に溶け込めるようになったこと
 40年近くこちらに住んでいるのですが、いつも電車で出てしまうので地域の人と交わることがありませんでした。ですからカーブスに入会した当時は皆様とどういうおつきあいをしていけば良いのかわかりませんでした。今思うとかなり緊張してコワーイ顔をしてコーチに愚痴っていたことでしょう。そんな私にもコーチが明るく声かけをしてくれるのでそこで会話が楽しめるようになりました。それにともない、帰りに商店街で買い物をする時の会話も楽しめるようになりました。少しずつ地域に溶け込める感触を得ています。ありがとうございます。
 急がない日々を楽しむ
 以前は予定を一杯入れないと落ち着かなかったけど、今は予定がないのが嬉しいと感じられるようになりました。こちらが行きたい時間にカーブスが開いていないと文句いうより「今頃はコーチの皆様お昼ご飯かな?」と想像する方が楽しいじゃないですか。朝が雨なら午後から行こう、午後から行くつもりが行けなくなったら明日行けば良いと思えるようになりました。
 若い人の成長を慈しむ
 現在は他の年代、特に若い世代との交流がなかなかできません。ですから実は昨年入社なさったコーチの成長が拝見出来るのが嬉しいんです。可愛くてとても大人しそうな方で最初は続くのかなと内心、心配していました。どんな時にも前向きに取り組んでメンバーひとりひとりに配慮している姿には頭が下がります。700名余のメンバーの名前を覚えたのか伺ったら一生懸命考えて「半分くらいなら」なんて正直な答え。昨日は「1年おめでとうございます!」って声をかけてしまいました。時節柄ハイタッチもできませんが「イェィ!」と小さく叫んだ笑顔が最高でした。私はこの1年どんなにか彼女を含めてコーチの皆様に励まされたことでしょう。カーブスに通えない日々も部屋トレのパンフレットを相手に頑張れました。そうです。今の私には友達も孫もいないけどこちらに来れば普段なら会えない人たちと触れ合うことが出来るのです。
 色々とあった人生を肯定する
 今回、このエッセイに取り組んでちょっと人生を振り返ってみました。飛行機の客室乗務員、雑誌編集、外国の大学の教員、その他いろいろしてきました。以前は思い出すと後悔が伴ったのですが最近は挑戦したことに満足するようになりました。そうすると不思議なもので今までできなかった身の回りの片付けがゆっくり楽しめるようになったのです。しなくちゃ!ではなく、何もないことで自由が楽しめる。ね、これってカーブスが心に効いている証拠でしょう?
 先日は久しぶりに従姉妹達と話しました。80歳前後のお二人は最近、カーブスに入会したとのこと。おかげさまで社交辞令や堅苦しい挨拶、暗い世間への批判等ではなく楽しく明るい会話が楽しめました。
 日々身体を動かして食事に留意する
 入会当初は体重に神経質になり食事量を減らしていました。でもタンパク質の重要性を教えられ意識が変わり始めました。いただいたレシピを参考にして食材の種類を豊富するようにしたらメニューを考えるのが楽しくなり、体重は減りませんが体力がついてきたような気がします。
 これからの目標はまずは健康年齢を下げること。せめて実際年齢と同じにしたいです。先輩にはそれ以上の方もいらっしゃるようです。お話を伺いたいです。
 カーブスのエッセイを拝見すると皆様、劇的なプリンセスですね。でもこんなスローペースの人もいるのだとお知らせしたくて筆をとりました。
 そう今はカーブスに通うことを楽しんでいます。だってカーブスは心に効くんですもの。