えっ!カーブスってライフラインなの?と驚いてしまった。
 二年前の事である。家族に大変な事が起った。私は北海道で生まれ育ち、働きながら家庭を持つ。無事に退職後の六十代を過ごし、それぞれの親を送った。このまま穏やかな日々が続いて、最期はこの地域の老人施設に入所するのだろうと思っていた。
 ところが、突然に東京の近くへ引っ越すかもしれないという話がでてくる。不安がつのる。どうしようか...夜、眠れないまま、新しい土地で私にとってどうしても欠かせない条件を考えてみた。
 まず、一番目には電車の駅やバス停等に近いこと(運転免許を持っていないため)。二番目は病院、三番目はスーパーマーケット。ここまではすぐだった。四番目は図書館。週に一度は必ず行く。本に囲まれていると何故か落ち着くのだ。
 次が迷う。美容院かカーブス。おしゃれ好きで退所後は洋服等を買うことは減ったが、美容院へは月に一回は通っている、カーブスは?基本的に運動は大嫌い。学生時代、体育の授業は苦手だった。一生、運動とは縁がないと信じていた。
 しかし、この十年以上は少なくとも月に四、五回はカーブスに通っている。我ながら不思議であった。(新しい家の近くにカーブスがあればいいな)自然にそんな気持ちがわいてきた。見ず知らずのところでもカーブスというなじんだ場所があると思うと、少し心が軽くなってくる。(大丈夫!なんとかなるさ。確か全国に二千店近くあったはずだ)と五番目はカーブスで決まり。私のライフラインになっていたと気づく。
 その後、状況が変わって引越しはなくなった。だが、あの心細かった二年前に、どこへ行ってもカーブスはあると分かってほっとしたことは今でも忘れられない。
 これからもできるだけ長く続けていこう。