カーブスに再入会しました。最初の入会は60歳になり、どんどん太る一方なので軽いノリで入りました。入会する折主人と一緒にスポーツ店に行き「ユニークだな、買ったら、」と五本指のシューズを見立ててくれました。「楽しくなりそう。」ワクワクしてきて、まるで子どものようにはしゃいでしまいました。
 カーブスを2年近く続けた頃、主人の親友が故郷である岡山で初めて映画を手がける事になり、「奥さん暇なら貸してくれ、お前は来なくていいから。」という冗談が本当になり、2年の長期スケジュールを組まされました。そして撮影現場は自宅から60キロも離れた山奥で、現地に宿泊し生活のリズムが一変してしまい、簡単にカーブスを止めてしまいました。上映にこぎつけ安堵した頃、主人に病気が見つかり1ヶ月の闘病で亡くなってしまいました。色の無い世界に突然放り込まれたような虚無感の日々が始まりました。何の気力も沸かず...。我が家の庭も荒れ放題です。眺めていると「主人が残念がっているのでは。」と思えてきて、脚立を出し、上段に座り、剪定ばさみで枝を切ってみました。腕ははさみの重さで数分もたず、肩から上にもあがらないではありませんか。足は次第に力が入らずブルブル震えてきます。「何!私の身体はいう事を効かなくなってる。」雷に打たれたようなショックを受けました。「こんなのでいい訳がない。」しまいこんでいた五本指のシューズを探し、出してみると主人が選んでくれた光景がフラッシュバックして涙が溢れてきました。「また出番がきたぞ。」笑顔と声が浮かび、靴を抱きしめてしまいました。「カーブスに入ろう!」
 再入会して2、3回目で「ぎっくり背筋」になり、息もできない状態が続きました。いかに全身の筋肉が衰えていたか。あのままにしていたらどんな身体になっていったか...。」1年半通った今は背筋も強くなり、手足に力も入るようになりました。身体が上向きになった上に、カーブスでのお友達がたくさん出来ました。そして「珍らしい靴ですね。」「履き心地はどうですか。」といつも誰かに話しかけられもします。より親密になったある方に「私の名字は珍らしいでしょ。」とお伝えすると、「60年前、同じ官舎で仲良くしていた子の名字と同じです。でもその子は男の子でしたから。」と「下のお名前は?」「シュウちゃん。」「えっ、それ主人です。」もう驚くやら嬉しいやら...。幼い頃の主人をよく知る人に出逢え、何とも言えぬ幸せな気持ちで一杯。こんな事があるのでしょうか。まさに「魔法のシューズ」のお陰。そして「カーブス」のお陰です。「五本指のこのシューズがボロボロになってもカーブスを頑張ろう。」心まで上向きになりました。