「バキバキッ」という音とともに、右ふくらはぎに電気が走った。
11月下旬クラシックバレエのトゥーシューズのレッスン中だった。足に力が入らない。歩けない。「大丈夫?つったの?」まわりの人々の声がきこえた。足がつったことのない私は少し足の指をさわり動かそうとした。「さわらない方がいい!」先生が大きな声で言い「安静にしていて」と言われ残りのレッスンを見守っていた。心の中は不安でいっぱいだった。何だろう?私どうなるんだろう...。
次の日は日曜、翌日は祝日で、3日後にお世話になっている接骨院へ。「肉離れですね」ぐるぐる巻きにされたテーピングを見て、えらいことになったと思った。レッスンいつまで行けないんやろ、あ、カーブスも無理やん...。
いや、でも1週間前にこうなっていたらコンクール出場も欠場やったし、不幸中の幸いかと自分をなだめた。3週間前に発表会を終え、1週間前にコンクールを終えたばかりだった。
右足をかばう不自由な日々を送りながら毎日のように接骨院にお世話になった。日に日に右ふくらはぎの筋肉がなくなりほっそりしていくのが悲しかった。もうバレエしない方がいいのかな。暫くして上半身だけカーブスに行ってみて下さい、弱気になっていた私には救いの言葉だった。
以前、カーブスのメンバーさんに「ステキなフクラハギの筋肉ですね」と言われたことを思い出した。「ゆっくりゆっくり下半身もカーブスで試してみて下さい」接骨院の先生に許可をもらいトレーニングしていると、カーブスコーチに「あれ、もう大丈夫なんですか?」と驚かれた。少しずつ日常が戻ってきて安心していた。冬の寒さのせいで、一進一退だったが、カーブスがあり良かった。
1月下旬にマラソン大会をひかえていた。が、あの突然の肉離れを思い出すと走る練習はできなかった。走ることは大嫌いだが、数年前から行っていたので何とか参加はしたいと思っていた。先生にテーピングを必ずして、しっかりと足をぬくめてからならと許可をいただき走ることに。
「バレエで使う筋肉と、マラソンの筋肉は全く違うからしんどいでしょう」と言われ『なるほど、バレエ筋肉の私は、ムリにマラソンをしなくて良いんだ』と納得をしてタイムなど気にせず、走った。当日、マラソン大会走り切った〜!走ったことで、少し気持ちがとり戻せた。バレエのレッスンに戻りたい...。
テーピングと、レッスン前のストレッチ、あたため、こまめな水分補給を忠告され、再びレッスン場へ。やはり足が上がらない。思うように動けない。体が弱っていることを実感した。
バレエ界には、こんな名言がある。「1日休むと自分に分かる。2日休むとパートナーに分かる。3日休むと観客に分かる。」筋トレと似ている。地道なレッスン(筋トレ)で踊り(筋肉)に繋がる。筋肉もへって弱っているからだと思った。
カーブスでもっと土台を固めてからレッスンしよう。筋トレ→腹圧の意識→ストレッチ!!筋トレ+腹圧+ストレッチ!!バレエシューズだけのレッスンだったが少しずつ筋肉をとり戻してきた!!右ふくらはぎも少しずつ戻ってきた。そろそろ、つま先で立つトゥーシューズもいける気がした。2ヶ月ぶりにトゥーシューズで踊ってみた。立てた。まだ100%は戻ってないが少しは進歩している!!
3月の発表会が近づいてきた中旬。
「バキッ」またしても嫌な音とともに倒れこんだ。トゥーシューズのレッスン中だった。やってしまった...。肉離れは再発しやすいと言われていた。
『こんなにも気をつけていたのになんで?』
惜しくも10日後が発表会だったので断念。
再発した原因が、見当たらない。何が悪かった?もうバレエやめろってこと?マイナス思考におちいった。接骨院の先生は、ゆっくりゆっくり歩いて上半身だけカーブス行って大丈夫ですから。とケガの翌々日に言ってくれた。右足をひきずりながらカーブスへ。
「ケガしててもカーブス来るってエライよね」「よくここまで来たね」
「上半身だけでもがんばるアミリさんスバラシイです!」
歩くスピードのなさにコーチは、「ご自分のペースでがんばって下さいね」心配してくれる方、励ましてくれる方、褒めてくれる方、プラス思考の方々ばかりのお言葉に救われた私。
カーブスのコーチ、メンバーさんは私の心をサポートしてくれる理解者、同士だと感じた。
3月下旬、風もなく天気も良い春の陽気を感じる日だった。
ふと、近所の神社へおまいりに行った。手を合わせると右足が少し軽く感じた。4月のコンクールいけるかな?もし出場できても欠場することになっても、これをラストにした方が良いのかな。境内の掲示板に目を向けた。瞬間に胸を衝かれた。
「挑戦をあきらめない」