私がカーブスに入会した切っ掛けは長男の介護だった。1歳の頃から気管切開・経鼻経管栄養・吸引が必要な重度心身障害児と言われる寝たきりの状態で24時間目を離せない日常。とは言え、息子が学齢期頃までは養護学校へ通い、福祉サービスも利用し親も子もまだまだ元気だ。私も若く筋力もあった。
しかし息子は成長と共に発作が増え呼吸状態も悪くなって行き・・・。のちに胃ろう造設や在宅酸素も必要となり、ますます介護が大変に。親の負担も増えて行く。通学や通院の際の車への乗せ降ろし、バギーからベッドへの移動などで腰痛や腱鞘炎など日常的にあり、50歳を超えて筋力に自信が無くなり始めていた。また介護生活に追われ運動もほとんどして来なかったので、いつも体が怠く疲れやすく感じていた。肩こりも酷いし血色も悪い。体温も35度台だ。
 そんな未病とも言える症状が日常だったある日、養護学校の仲間がふたりカーブスに通っている事を知った。近所にあり以前から気になってはいたものの踏み出す事が出来ないでいたカーブス。友人たちに色々話しを聞き、紹介してもらうことに。ただお月謝は決して安いものではない。まずは夫に相談。気晴らしになるのなら、と快く了承してもらい、晴れてカーブスのお仲間に入る事になった。
 カーブスでの筋トレを続けて筋力が徐々に付いて来ると共に体も少し締まって来た。元々標準体重だったので数値の減少幅は少なくても、見た目のサイズ感が変わった。入会前の様々な不調も解消して行き、息子の介護を続けながらカーブスに通うのが習慣になった。
先輩カブ友さん達とお喋りするのもストレス発散にもなっていた7年目の冬、24年間寝たきりだった息子が天国へ旅立った。
 2024年12月の事だ。徐々に徐々に呼吸状態が悪くなり、11月は何回も救急搬送され入退院を繰り返した。毎日病室で付き添っていた為お店へもなかなか通えなくなり、おうちカーブスも検討していた矢先の事だ。長年苦しい思いをしながら頑張って来た息子、でも最期の時は穏やかに旅立った。葬儀ではこれまで大変お世話になった多くの皆さんや友人達に見送られた。25歳になったばかりだった。
葬儀後、雑事や片付けに追われお店に行く事も叶わずにいた頃、コーチからお電話を頂いた。事情を話ししばらくお休みする旨伝えたものの、元々は息子の介護を10年後、20年後も出来るよう筋力を上げ維持するのが目的で入会したカーブス。息子のいない今、もうやめても良いかな、でもせっかく筋力も付いてきた。でも・・・。ひとりでグルグル考えた末、『これからは自分の老後のために筋トレを続けよう』そう決めた。遺影の中の息子が『いいじゃん!』と笑った気がした。
 1か月後に筋トレを再開、始めの内はカーブスへの道すがら涙が出てきて焦ることも。それでもコーチ達や事情を知るカブ友さん達から「長い間介護お疲れ様だったね」「これからは自分の為に楽しんで!」と言葉を頂けて有り難かった。カーブスアプリの投稿広場で心配してくれる、顔も名前も知らない方たちも。皆さんの励ましで今日も通えている。
 息子が旅立ってから101日経った日、神奈川県の茶湯寺に百一日参りをする為、夫婦で大山に登った。夫も私もほぼ初めての山登りだ。
謂れによると道中故人によく似た人と出会えると言う。その日大山のケーブルカーは運休だったが、「まぁ大丈夫っしょ、息子に会えるかなぁ」などと登山靴も履かず、水も持たず、普段着で暢気に麓から登り始めたが、すぐになにこれ、山登りってこんなに大変なの⁉とビックリ。あまりにも辛すぎて、息子に似た誰かを探すどころでは無くなった。脚は重く膝は痛み、呼吸は苦しく、それでも何とか目的地まで登り切りお参りも済ませることが出来たのは日頃の筋トレの賜物だろう。翌日からひどい筋肉痛だった事は言うまでもない。
そして今・・・。体力の無さを痛感することになった大山百一日参りを切っ掛けに、まんまと山登りにハマった62歳の夫と61歳の私。月1回、低山からロープウェイを使った標高2000m超えの山までせっせと足を運んでいる。
きちんと登山靴を履いてザックには亡き息子の写真を忍ばせ、熊鈴と熊スプレーもぶら下げて。膝痛ハイカーの私は湿布と痛み止め、サポーターも忘れずに。登りが苦しくて足が前に出ない時は心の中で息子にお願いする。「息子よ、母の背中を押して〜」。不思議と少しだけ足が軽くなったような・・・?  
 山を歩くようになって益々健康意識が強くなったように思う。まずは食生活を整える事から。朝昼晩、タンパク質・炭水化物・脂質・食物繊維を適正量バランス良く食べる事。週末外食で食べ過ぎても気にせずストレスを溜めない。体組成計の数値にこだわり過ぎず、体調に耳を傾ける。もちろん運動も忘れずに。自律神経を整え睡眠の質を改善する為に朝散歩で日光を浴びる、カーブスでは使う筋肉を意識してチャレハ、午後は好きな音楽をお供に30分のウォーキング、夜はテレビを見ながら踏み台昇降やお尻歩きなどなど。
仕事をしていない私にはカブ友さん達とのお喋りも大切な時間となっている。カーブスアプリの投稿広場も知識の宝庫で、どこかの店舗で今日も運動する個性豊かなカブ友さん達に思いを馳せる。
家族もまた、それぞれの方法で運動を始めた。ひとり黙々と運動したい娘は定休日無し・24時間営業の格安ジムに通っている。それも又良し。在宅勤務で一日中椅子に座っている夫は山登りの為に購入したエアロバイクを夜な夜な漕いでいる。
 さぁ、私は今日もコーチ達が笑顔で迎えてくれるカーブスへ行こう。25歳で天国へ行った息子の分まで長生きしよう。もっと筋力をつけて色々な山へ出かけよう。
道すがら青空を見上げながら想う。
〜母は今日も元気だよ!空で君は笑っているかな?〜