「カーブス」という名を初めて耳にしたのは、私が五十代の頃でした。当時は快速電車で三十分ほどかかる都会にしかなく、憧れつつも遠い存在。結局、私は近所の公民館にある体操サークルに入りました。けれど、気心の知れた仲間が集まると、どうしても「体の体操」より「お口の体操」に花が咲いてしまうのでした。
それから数年後。テレビのCMで「カーブス」を目にし、ふと「行ってみたいわ」と呟きました。すると主人が「行ってみればいいよ。嫌だったら辞めたらいいんだから」と背中を押してくれたのです。ちょうど近所に新しくオープンしていたこともあり、私は思い切って一歩を踏み出すことにしました。
通い始めた当初は仕事もあり、ひどい時には月に一度という不真面目な会員でしたが、そんな私をコーチは時折お電話で励まし、繋ぎ止めてくださいました。
やがて仕事を辞め、孫たちのお世話も一段落すると、ようやく腰を据えて通えるようになりました。そんな折に訪れた、和歌山・那智山青岸渡寺への旅。延々と続く石段を、息を切らしながらも無事に上り下りできた時、胸にこみ上げるものがありました。「ああ、これはカーブスで鍛えてきたおかげだ」と確かな手応えを感じて嬉しくなったのを覚えています。
その後、コロナ禍での再開。夕方の空いた時間、病気の後遺症で麻痺が残る方にコーチがぴったりと寄り添い、共にマシンに向き合っている姿を目にしました。その真摯な光景に、私は思わず頭が下がる思いがしました。そこには、かつてのサークルのようなベッタリした関係はありません。けれど、心地よい距離感の中に、コーチや会員の皆さんの笑顔という、静かで力強い励ましが満ちていたのです。
そして今、私は「おうちでカーブス」という新たな習慣も手に入れました。隙間時間に汗を流すことで運動の回数は増え、飲み始めたプロテインの成果か、髪の抜け毛が減り、この厳しい冬の寒さの中でも踵がツルツルなのです。
自分の足でしっかり歩ける喜び。そして日々の小さな、けれど確かな変化。それらを与えてくれたこの場所に、心からの感謝を込めて。ありがとう、カーブス。
佳作
「ありがとう。カーブス」
カーブスって
どんな運動?