「楽しく筋トレしませんか?」そう声をかけられたのはいつも買物に行くスーパーの入り口でした。
以前の私は、もちろんカーブスの存在を知っていましたが、特に太ってもいないし、学校給食の仕事で職場でもよく動いていたし、朝晩2回犬の散歩もしていて運動不足とは全く思わず、カーブスには特に興味がありませんでした。でもその時の私が「筋トレ」という言葉を耳にし、引き寄せられたのは、声をかけてくれたカーブスのコーチの人懐っこい明るい笑顔と半年前に私に起こった大きな出来事のせいでした。
その日の私はいつものように仕事帰りに夕飯の買い物をして帰宅し、急いで洗濯物を取り込んで、犬の散歩に行ってから台所で夕飯の支度をしていました。何の前触れもなく、突然フライパンを持つ私の右手がぶらーんとなって動かなくなってしまったのです。「えっ?何これ?」と思っていたら次はだんだん右足にも力が入らなくなってきました。それで珍しく早く帰って来ていて近くでテレビを見ていた夫に「私なんか変」となんとか伝えたきり倒れてしまったのです。
脳出血でした。
すぐに救急車で病院に運ばれ、素早く適切な処置をしていただき、幸い命は助かり手術もせずに済みましたが、後遺症で右手足がほとんど動かなくなってしまっていました。歩くことも字を書くこともお箸を持つこともできない。一人病院のベッドの上でこれからどうやって生きていけばいいのだろうと絶望し涙が止まりませんでした。家族に迷惑をかけて生きていくくらいなら死んでしまった方がマシだとさえ思いました。
それでも私は毎日欠かさず会いに来てくれる優しい家族や温かい病院のスタッフのみなさんに支えられ、少しずつ前向きになっていきました。出された食事は残さず全部食べて少しでも早く元気になろうとがんばりました。字の書き方やお箸の使い方も一から練習しました。辛く寂しい入院生活でしたが、リハビリに励み、4ヶ月後にはなんとか歩けるようにまで回復し退院することができました。その後も2ヶ月間通院でリハビリを続けていましたが、なかなか良くなりません。その原因の一つは「筋肉」でした。以前から自分に筋肉が少ないことはわかっていましたが、日常生活においては特に困ったこともなく、あまり気にしていませんでした。けれども病気になってバランスが悪くなった身体を支えるには筋肉がとても大切だという事をその時痛感したのでした。
そんな時私の耳に届いたカーブスのコーチの「楽しく筋トレしませんか?」という言葉。話を聞いてみる気持ちになり、無料体験の予約をしました。それでも当時の私は退院して間もなく体力に自信がない上、体も少し不自由だったので、他の人と一緒に機械を使って筋トレできるか不安でした。そんな私にコーチは「晃子さんのペースでゆっくり始めたらいいですよ。私たちがサポートするから安心してください」と優しく言っていただき、思い切って入会を決めました。
あれから3年。私は今もカーブスに通っています。右手足もほとんど回復し、お友達にも元気な姿に驚かれるほどです。昨年60歳になり、めでたく還暦を迎え、結婚した娘たちも帰って来て家族揃って還暦祝をしてもらいました。こんな幸せな日が訪れるなんて、倒れた時のことを思い出すと本当に夢のようです。
つらい闘病生活でしたが多くのことを私に教えてくれました。元気な時には考えなかった弱い立場の人のことを思うようになりました。家族や友人の温かさ、ありがたさを改めて知りました。そして諦めずに努力すれば報われるということ。もう動くことはないと思われた手足が今はこんなに自由に動くのですから。リハビリ中に筋肉の大切さを身をもって感じ、カーブスと巡り合うこともできました。
これからもカーブスで楽しく筋トレに励み、プロテインを毎日飲んでタンパク質を意識した食事をして、いつも感謝の心を忘れずに、明るく元気に生きていこうと思っています。
もう60じゃなくて、まだ60ですものね。