母を看取ってから、カーブスに入会して7年近くになろうとしている。飽きっぽい私がこんなに続けられるのには、訳があるように思う。第一には、コーチの方々の笑顔の中の指導があること。激変とまではいかなくても、体調のよいこと。そしてストレスが発散できること。
 コロナ禍の休会以外、毎日通うことは生活の中のルーティーンなのだろう。
 
 最近読んだ「樋口恵子」氏の著書の中に、こんなくだりがあった。「急いで駅のトイレ(和式)に駆けこんだところ、なんと、た、立てない」立ち上がれなくなったとのこと。
 じめっとした床にトイレットペーパーを敷き、両手をつき何とかガバッと起きることができたが、思い出すのも悲しい死闘だったとある。笑い事ではない。私もまさにその通りの現実があったのだ。
 
 狭小の個室で、壁に手をつき事なきを得たのだが、己の老いの始まりを強く突きつけられたのだ。その当時私は63歳。樋口女史のこの事件は、彼女75歳頃のこと。私とは10以上の歳の差だ。
 彼女の言葉を借りると、まさに「老いるショック」であり「トイレ記念日」なのだ。
 
 若い人からすれば、フンと軽くあしらわれるだろうが、誰しもやがて行く道である。で、私のその後はどうかと問われると、ハートサインで表わしたい。
 数年後、苦戦した忌まわしいあの個室を再び利用したが、言わずもがな、楽に立ち上がれた。もちろん20代の頃と比較すれば100点満点とは思わなくもないが...。
 全くできなかったカーブスの腹筋の体力テストも、今では5~6回はOKだ。この7年近くで私の体力は、下り坂を転げ落ちることなく、どちらかといえばアップしたと自負している。
 
 またテレビで、尿漏とか紙パンツのCMをよく目にするようになった。ヒヤッとしたとか、くしゃみと共にとか、私もあるあるとか若くてきれいなタレントさんが登場すると、嘘ではないかと疑ってしまう。
 でも、ある信頼のおけるリサーチ会社によると、まんざら嘘でもないらしい。国産の紙パンツなるものは、体にフィットし、軽くて、つけ心地もよくかつての紙おむつとは雲泥の差があるというものの、お世話になるのは一日でも先のことであってほしいと願うのは誰しもである。
 今のところ私にはまだ要のないものと断言できるのは、カーブス効果だと確信できる。腹圧に留意し、ボード上でも気を抜かず、黙トレに励む私へのある意味ごほうびだと感じている。
 
 近頃マシン本体の交換があった。以前のものより重くなり負荷がかかる。そのうえ座面が低い。これは好都合である。低いということで、どっこいしょとかけ声も出るものの、何日かすると慣れ、腹圧をかければ割とスムーズに扱えるようになった。
 コーチの方いわく、マシン交換による体力の増強は、少なからず数字にでているそうだ。わあっ嬉しい、楽しみ。私にもと期待せずにはいられない。 
 
 つい最近、人間ドックの受診結果が届いた。誰しも若い頃は異常が極めて少ない。それがひとつ歳を重ねるごとに体重も増加。正比例するように医者通いを勧める書類が増えた。でもカーブスで運動するようになってからは良い方向に転じている。
 今回の結果で一番嬉しかったのは、筋肉量の値だ。左右上腕はとても多い。両脚も平的以上。ただし、内臓脂肪は正常だが、皮下脂肪が多い。このことは大いに反省し更に努力あるのみ。
 
 さて、午後の珈琲タイムを終えると、半袖シャツに着替え、30分程のドライブに出発する。行先はカーブス。いつもの日常の始まりだ。