これまで、上半身には数々の問題を抱えていた。首、肩、腕、肘、手首、指などの痛みは経験済み。...が下半身はすこぶる元気!を自負していた。そんな私が〔変形性膝関節症〕と診断されたのだ。
 始まりは昨年11月のこと。それまでも多少の違和感はあったが、ある日...夜も眠れない程の膝の痛みに襲われた。夜中に何度も目が覚める。寝返りする度、あまりの痛さに涙が出る。そしてもう眠れない。当然、昼間も夜中ほどではないが常に痛い。
 
 歩き方も以前のようにスタスタとはいかなくなった。元々、私は「加藤さんが通ると足音でわかる。」と言われる程の速足。そんな自慢の速足など、到底無理。
 ソロリソロリ...ヨタヨタ...と膝をかばいながらの日常となってしまった。
 
 様子をみながら、ひたすら我慢の日々だったが、さすがに夜中の激痛に耐えかね整形外科を受診したのが12月初めのこと。診察室に呼ばれるまでのドキドキ感は久々。長い待ち時間、私と同年代とおぼしき方々をつい観察する。
 歩き方が同じなのだ。レントゲン室前の長椅子で初対面にもかかわらず、ご同輩と膝談義に花が咲いた。

 その後...何回かの診察とレントゲン、MRI、リハビリ。〔変形性膝関節症〕の診断には妙に納得。妙に安心。
 あまりにもメジャーな、あまりにも聞き慣れた病名だったから。健康雑誌シニア特集には定番の病名。医師はレントゲン写真を見ながら「骨が薄くて痩せている。」と。確かに素人目にも、右膝と比較すると痛い左膝の骨の色が真っ白ではなく影っぽく感じられた。
 
 さすがにショック!目に見える現実は衝撃だった。痛みもあって、12月はカーブスはほぼ全休。
 なぜ?私が?突然?
 ...といくつもの?が浮かんできた。
 ...が仕方がない。痛いんだから...と自分を納得させ、動けるようになるまでは...とカーブスも諦めた。
 
 昨春退職してからの外出は、カーブスと図書館とスーパーのコース。それが一変した。どこへも出たくない...の心境に。〔痛み〕は健康だったメンタルまでも崩壊させることを実感した。
 実は、もしかしてこれが原因では?と思い当たることがあった。家の敷地三方に石を敷きつめる作業をしていた。何度かホームセンターに通い20キロ袋を5~10袋ずつ購入。20キロは重いといえば重い代物だが、なんとか持てる。いっそ30キロだったら間違いなくチャレンジしなかったはず。
 
 30袋以上と格闘した。敷きつめるとなかなかの出来で、近所の友人に褒められると調子にのり怪力を発揮していた。加えて、同時進行で花壇作りにも手を出していた。30数年前の入居当時はサツキが植えてあった2m×0.5mの場所を花壇にすることを思い立ち...まずはサツキを切り、数か月後から根っこ抜きを開始。

 しかし、植物の根は想像以上に強く深く、簡単には抜けない。地中の奥深くまで根を張り、掘り出すと地面下には30センチほどの土の塊となって出現、それが20株近くはあっただろうか...。渾身の力をこめ、根っこと格闘。スコップを真っ二つに折るというハプニングも。それが私の身体には負担だったのか...。結局、半分以上の根っこを残したままで病院通いとなった。
 石の敷きつめ作業は完結していたが、根っこ抜きは断念せざるを得なかった。
 
 何かを自分に課し、それをやっていないと落ち着かない性分の私。外の作業を中断し、カーブスも休み...の日々は本当に辛かった。五十肩の時は足のマシンだけでも頑張ろうと通ったのに、今回の膝は上半身だけでもという気力がわいてこない。歩く時に痛いというのは、全ての行動にブレーキがかかった。
 気持ちも奮い立たず、寒さもあり、そしてコロナ禍...全てがマイナス要素だった。
 
 カーブスに通えていたことが、どんなにか私の生活に必要不可欠なルーティーンとなっていたか実感した日々だった。カーブスの後、買い物やら図書館の道すがら出会った友人とおしゃべりしたりと、私の行動パターンは概ねカーブスが基点となっていたのだ。
 その、肝心のカーブスを休んでいるということは外出そのものがおっくうになり、余程のことがない限り出なくなってしまった。

 その頃の私の必需品は、サポーターとレッグウォーマー。窮状を察した嫁からの誕生日プレゼントは、ふかふかモコモコの4足のレッグウォーマーだった。嬉しかった。いつかもらったバッグやピアスでもなく、今の私に必要なもの、膝はもちろんのこと気持ちまでほんわり暖めてくれた。
 ...そして...私は見事に復活した。
 
 ベストコンディションとは言えないまでもカーブスに通い始めた。もちろん 最初は膝にとってハードなマシンは避けた。凹みがちだった気持ちも外に出る機会が増えるとともに徐々に上向きとなり、心と身体は同じ線上にあるのだとあらためて思った。
 「顔見なかったね」「元気だった?」といつものメンバーさんに声をかけられ、コーチも笑顔で迎えてくれた。初めは、おそるおそる...3月からは全てのマシンに復帰した。コロナ禍にも負けず、〔変形性膝関節症〕にも負けず、復活を果たした今はまさに春爛漫。
 
 ここまでの数ヶ月は、痛みと不自由さに苦しんだ期間ではあったが、あらためて身体のメカニズムの不思議、筋肉の力、運動の大切さを考える機会となった。整形外科を受診したものの、注射は拒否し、リハビリも3回だけ...しかもほとんどの時間は世間話に終始した劣等生患者。
 この復活劇は、カーブスのたまもの!と思っている。自分自身で招いた〔変形性膝関節症〕ではあったが、自分自身の筋肉とメンタルで克服の道を拓いたのでは...と思いたい。心身ともに筋肉がついたのだ...と。
 
 勲章のような...記念メダルのようなレッグウォーマー
 もしかしたら、またいつの日か出番があるかも...と深くしまい込むのはやめた。カーブスに通っているうちに、置き場所さえ忘れてしまう日が来ることを願いながら。

 そして...その後、膝の復活後 再開した根っこ抜き作業は、春の訪れとともに終了し現在は土作り中。花ざかりの花壇を夢みて構想中。
 作業がはかどるためにも、カーブスで体力つけなくっちゃ...
 今日もマシンさん、よろしくね!