朝、目覚めるとカーテンを開ける。昨日と同じようでも、ちょっと違う空を見上げる。新しい今日の始まりだ。よし、心新たに台所へ下りていく。
私の日課は、「タンパク点数チェクシート」から始まります。一日の献立を考えながら、朝、昼、夜三食のタンパク質をバランスよく十二点に近づくように考えます。料理することは認知症予防にもなると聞いていましたから。料理は献立を考え、塩分やカロリーを気にしながらどんな調味料を使うかなど、頭の体操にもなります。包丁さばきなど手先や腕の力も使います。また、作業しながら腹圧を入れ姿勢を正し、踵を上下させると、ふくらはぎの強化もできるのです。
こんなことを初めからやっていた訳ではないのですよ。カーブスに入会し、毎月の測定時のコーチからのアドバイスのお陰なのです。
「体重が減らなくても、体脂肪率が下がっているから大丈夫。」「姿勢が良くなっていますよ、ウエストも細くなってきましたね。」「朝に偏っていたタンパク質を朝昼夜に分けて取りましょう、タンパク質はその時に消化されてしまうのですよ。」それぞれのコーチから的確なアドバイスを受けて、自分なりの食生活を考えるようになったのです。
 私は、七十歳でカーブスに入会しました。
それまではフルタイムの仕事をしながら、三人の子育てや、重度心身障がいの義弟との暮らしがありました。只々時間に追われ、行事消化の日々でした。退職後は、アルツハイマー型認知症の母の介護と孫の世話に明け暮れて、自分のことは後回しでした。母を見送った後、ようやく自分自身の健康寿命を考える余裕が持てたのです。
 そんな時に、友人からカーブスの存在を教えて貰ったのです。短時間で効率のよい筋トレであること。隙間時間に通えること。毎月測定があって自分の体の状態がつかめること。貯金は中々できないけど、貯筋は何歳からでも積み立てができることなど教えて頂いて、さっそく無料体験に申し込みました。そして五回の体験後すぐに入会しました。
今でも保育園や学童のお迎えや、単発の仕事やボランティア等で多忙な毎日です。それでも、週二回、月にすると十回を目標にして通っています。左足の股関節に少し違和感がありますが、運動に支障はなく、マシンの扱いにも慣れてきました。体のどこを使うのかも分かってきました。肥満気味の体重が減らないことが難点ですが、内臓脂肪レベルは標準値、筋肉量が増え体内年令が六十二歳になりました。自分の健康のために使える時間があるなんて幸せだなあと思います。ちょっとでもカーブスに行ける時間ができたら、迷いなく出かける。嬉しくて、楽しくて仕方ありません。
こんな気持ちになれるのは、家族の応援があってのことですが、やっぱりコーチの存在だなあと思うのです。すぐに会員の名前を憶えてくれて、明るく笑顔で挨拶をしてくださると、こっちも笑顔になります。「今日の調子はどうですか?」「次回はいつですか?」私たちひとりひ一人に心からの声掛けがあります。心地よく続けられるようにと、毎週のように手書きのポップや予定表や周知事項等を工夫して掲示してあります。コーチ達の心意気が感じられて素晴らしい努力だなぁと感心しきりです。頑張ってやってくださっていることに感謝して、こちらもそれに応えて頑張ろうと力が湧いてきます。心のバトンタッチですね。平均寿命が延び独り身になる高齢者も増えています。普段は忘れがちですが、一緒に身体を動かす仲間がいることは大切なことですね。
私の住む福島県も、あの東日本大震災・原発事故から十五年になります。もう十五年なのか、まだ十五年なのか、人様々ですが、思いもよらない事で生命の危険を体験することになりました。人が住めるかどうかわからないという体験は、<命を生きる>ことを考える機会でもありました。育てた野菜が食べられないから廃棄、育てた牛などの家畜を殺処分しなければならない。子ども達は外で遊べない。福島に住む人には、それぞれに三・一一の物語があります。黙して背負っているものがありまます。だからこそ、食べて動いて生きることの有難みが身に染みています。カーブスで元気に楽しい時間を過ごせる幸せを改めて思うのです。
 この度、コーチからエッセイを書いてみませんかと、お誘いを受けました。まだ入会から一年に満たない私が書いていいものかと思いました。長く続けている方々のお話の方が豊かな体験談であることは良く分かっています。でも、初心者だからこそ、伝わることもあるのかなと思いました。始めようかなと思っている方や、マンネリ化して続けようか迷っている方がいらしたなら、もう一度、初心に帰って頂く一助になれるかもしれないと思いました。
七十歳を過ぎて、物忘れだったり、動きが遅くなったりしていますが、日々、前向きな気持ちでいたいと思っています。そして、ちょっとの努力を惜しまずに、楽しく生き切りたいというのが私の願いです。不安や落ち込むこともあるのは当たり前。明るい方へ明るい方へ気持ちと体を向けて行こうと思うのです。きっと、カーブスの皆さんが、そんな私を手助けしてくれることでしょう。
雨の日も風の強い日も、もちろん暖かな心地好い日も、足もとに咲く何気ない草花たちと共に穏やかに今日を重ねて行きたいものです。