私が通うカーブス金沢文庫店はこの秋で十周年になるだろうということは、私がお世話になって十年だ。
あの頃、私は「身体に力が入らない」と苦しんでいた。歩くこと、重たいモノを持つこと、立っていることさえも、苦しい、原因がわからず日常生活にも支障が出る。「腹筋力がない」なんて、考えもしなかった。それまでの私は日常生活、何の苦もなく生きてきた。
 高校卒業後、地方公務員となり、二十六歳で結婚、公務員を退職してから、外資系企業に就職し「会計課、総務課」を担当して四十八歳で退職、その後二年間、「人材派遣会社の本店長」として働き五十歳で健康の限界を感じて退職した。どの職場でも仲間とのコミュニケーションに恵まれ楽しい日々を過ごした。
 そして、退職後は「来日する企業研修生の日本語会話ボランティア」として活動。日々、充実して過ぎていったが、「お腹に力が入らない、変だな」と感じた。それでも車を運転して、日々活動に飛び回っていた。企業研修生を自宅に招き、日本文化を教えたり、帰国した研修生を訪ねて中国や、ベトナムへ一人旅もした。

 しかし、その頃から、私は身体に異変を感じていた。身体がシャンと伸びないのだ。傘が差せない、お盆に茶碗をのせて運べない、台所や洗面台で寄りかからないと立てない、下着の細いゴムさえ食い込んで苦しい。医者に行ったり、健康器具を買ったり、しかし、効果がない。
「カーブス女性だけの体操教室」という折り込み広告。体操嫌いの私だが、意を決して「金沢文庫店オープン」に申し込んだ。
 十二台のマシンを次々に巡るが私の動きが遅いのか、一つ後ろは「空き」になっていた。これまで、輝いて生きてきたつもりの私は、惨めな自分を知ってショック、私の身体は腹筋力がなくヨレヨレだったのだ。学生時代「腹に力を入れて」といわれたが、他人事と思っていた。
それからはカーブスに週二、三回通い始め、二年ほど過ぎた。「アララ、太ももあたりの筋肉がブヨブヨしない!」夫に報告した、彼もほっとした表情で「よかったね」と。身勝手な私は次の成果を求めて週三回は通うと心に決めた。
その間、「コロナの三年間」暗い世相の合間を縫って通った。あのとき、コーチの皆さんも、私たちも劣りながら、過ごしたのを思い出す。

 私はカーブスを知る前から、年間四ヶ月、私立大学の講座を受講している。毎週、宿題を抱え、バス、電車、地下鉄を乗り換えて通うのは苦しい。でも、優秀な仲間に支えられ、楽しく受講できるのは、やっぱり体力。あれほど苦しんだ「腹筋力」も十年で大分鍛えられてきたようです。
先日、昔の職場仲間と十五年ぶりに再会した。
「すごい元気ですね、十五年前と変わらないですよ、すばらしい!私と二十歳違うんですよ、なんだか、私が負けそうです」
「あらそう、これもカーブスのおかげかな、頑張るぞ、乾杯」