自分の意志で運動をしようという気持ちがなく、一念発起してやったとしても3日と続きません。
 学生の頃から運動は体育の授業だけでたくさん。何も好き好んで、自分の意志で運動をする人の気持ちが知れませんでした。
 
 ただ上背があるという理由からか中学生時代は陸上部から、高校生になってからは、フェンシング部の顧問から入部の誘いがありましたが、きっぱりお断り申し上げました。
 大学生の時にウェイトリフティング部の入部の誘いがあった時は「またか!」とうんざりしましたが、よくよく聞くとマネージャーをやってほしいとの依頼でした。でももちろん即断りました。運動をするのも、裏方として所属するのも嫌だという徹底ぶり。
 
 学生時代から運動が大嫌いで、運動から逃げ回っていた私が、今、カーブスにはまっています。週2回、雨が降ろうが、寒かろうが必ず通っています。多い時は週3のペースです。本人でさえ三日坊主で終わるとたかをくくっていたら、あっという間に三ヶ月が過ぎ、体験から教えるともうすぐ半年。
 「何で?」と本人が一番信じられません。
 
 六十を過ぎて、このまま本を読んだり、花を愛でたりしながら静かに余生を送るはずでした。ところが、六十歳前後から膝痛が始まりました。
 医者からは、「年だから。」とか「完治しない。良くて現状維持。」「ゆくゆくは歩けなくなる。」と言われました。
 
 その頃から、元の職場の先輩・後輩の中には、膝痛のため人工関節の手術をしたり、杖をついているという話をちらほら耳にするようになりました。
 医者に悲観的な話をされても、筋肉をつけるために運動をしなくてはという考えは浮かびませんでした。歩けなくなったら、その時はその時と楽観的に考えていました。
 
 その私が"なんでカーブスを始めようと思ったのか"というと、膝痛と同時に背中の曲がりや、歩く時に背中がぐにゃとなる感覚が出たからです。ショックでした。
 運動をしないで筋力が落ちると、歩けないどころか寝たきり生活になるまでは考えが及んでいなかったので、本当にショックでした。"寝たきり"というワードが現実味を帯び、差し迫ってきたという感じで恐ろしかったです。
 
 このコロナ禍で、"引きこもり生活を満喫?"していた私は、ここ数年で体重が増加した上、筋力が思っている以上に落ちてしまったのです。
 カーブスの体験をする時、コーチに言った一言。
 「私は運動が大嫌いです。ここに来たのは切羽詰まって仕方なく来ました。」
 
 これは、紛れもない本心です。
 こんな扱いにくい面倒くさい私を新丸子店のコーチたちは、見捨てず、優しく見守り、いろいろ助言し声をかけ続けてくれました。
 私がカーブスを続けられている要因の一つです。
 
 そしてカーブスを続ける大きな要因は、みるみる成果が出たことです。
 人は不思議なもので、短時間で目に見える成果が出ると、どんどんおもしろくなって通いたくなるのです。きちんと通うからますます成果が見えてくるというプラスのサークルに入ります。
 
 腹筋を意識して筋トレすることにより、絵に描いたような太鼓腹にくびれが出始め、成果の速さに本人もびっくりしました。
 また膝痛も少しずつ軽くなってきだしました。カーブスでサーキットをやっている時はほとんど痛みを感じません。
 
 時々小杉駅から新丸子駅まで一駅分歩いてカーブスに通うことがあります。一駅分歩いてもカーブスに行きたいという気持ちが生まれることが私にとってすばらしいことです。以前は、絶対に考えさえ浮かばなかったと思います。
 三月に骨密度の検査をしました。背骨の違和感が『いつのまにか骨折』や『骨粗鬆症』だと困ると思ったからです。もともと骨密度は低い方ではありませんでしたが、年をとるとともに骨量が減りつつあり心配だったからです。
 
 ところが、検査結果を見て、びっくり。
 「器械が壊れたのかな?」と私。コーチに見せたところ、「こんな数値は見たことがない。」と、顔を見あわせて笑ってしまいました。
 
 なんと腰椎は同年代の平均と比べると168%、若年成人の平均と比べても140%に相当するとのこと。確かにカーブスを始める前の年、運動を何もしない時期でも100%前後はあったのですが、プラス運動を習慣化したことによりこの数値です。
 あともう一つ。予測していなかったことがあります。
 
 カーブスを終えての帰り道。冬の夕方なのに、体の芯から温かく風が心地よく爽やかに感じられるのです。夕焼けを眺めながら、感じる爽快感。
 これが、よく運動部やウォーキングする人が感じる気持ちなのかと妙に納得してしまいました。運動嫌いの私が齢六十を過ぎて初めて感じる感覚。新しい世界が開けたという気分です。これは決してオーバーな表現ではありません。
 
 この年になって感ずる新しい感覚。新しい世界。カーブスが与えてくれたものです。
 何でも飛び込んでみないとわからないことをカーブスは教えてくれました。