「おまえは元気だなぁ」
隣で椅子に座って着替えをしている夫は言った。私の心の声がすぐに反応する。
「あなたと違って日々鍛えているからね」
心の声なので口には出さない。カーブスに通い始めて12年目に突入しているのだ。当然と言えば当然である。
2014年7月に仕事を辞めた私は、暫く家でのんびりと過ごしていた。家にいる生活は、今までとは違い時間を自由に使い、気の向くままにお茶を飲み、冷蔵庫を開いて、何か食べられるものを探していた。身体は正直で、カロリーオーバーの分はすべて自分の体について、気が付いた時には体重は3、4㎏増えていた。「動かずに食べているんだから自分の体につくのは当たり前ね」と納得したが、「これではダメよ」という自分もいた。
夫には生まれつき心臓に持病があり、若い時から
「俺は早く死ぬから」
と口癖のように言っていた。私がその言葉の真意を知ったのは、心臓の手術が決まってからで、夫は48歳になっていた。結婚して22年も経っていた私に、実家の母は
「知っていたの?」
と聞いた。夫は大学2年の時に、30歳くらいまでしか生きられないと言われたと言う。結婚する時、私にその話はしなかった。だから、早く死ぬと言われても、その深い意味は分からなかったのだ。もしその時に聞いていたら、どうしただろうかと考えたこともあるが、わかっていても結婚したかもしれないと思った時から、倒れた時には看護が始まると覚悟した。
手術をして、普通の人に近い心臓にはなったが、それでも欠陥のある心臓を使い続けてきた代償で、肥大した心臓は不整脈を起こしやすく、手術から15年後にはペースメーカーを入れた。心臓は止まったらおしまいの臓器である。その手術から32年、今は無理をしない程度で普通の生活ができているからありがたいものである。
そんな夫と共にいるのだ。もし夫に何かあった時、私が丈夫でいなければ支えられない。運動不足で太りすぎ、自分で自分をもてあますようでは、夫の介護もできないではないか!そう考えていた時、新聞折込にカーブスのチラシが入っていた。運のいいことに歩いて通える所にある。色々迷ったが、ダラダラしている生活を一新させるためにもと一大決心をして、入会のために電話をプッシュした。2014年の10月末に入会したのである。
先日、ワークアウト中に、「カーブスを始めた理由はなんですか」というアンケートがあった。例題の項目は健康数値をよくする、痛みをらくにする、引き締めなど色々あったが、私は迷わず「その他」を選択した。私のような理由はないだろうと思ったからだ。
私の入会動機は、「夫に何かあった時、看てあげられないのでは困るから」その一点であったことを思い出した。だが12年目に入っている今では、その時決断して正解だったと思っている。
私もそうだが、通う時間を同じにしている人も多く、段々顔なじみになり、色々話すことでお互いが分かり合えるようになり友達も増えた。カーブスという共通項があるので連帯感が強くなった。買い物中とか、道でバッタリ出会うとか他の場所で顔を合わせても、何となく親近感があり嬉しい。仲間意識がして、心強さも生まれている。何より、皆も頑張っていると思うと自分にも励みになり。やる気スイッチが入る気がする。生活のパターンができて、のんべんだらりとした毎日にメリハリがついた。
入会動機は夫だが、その夫も大きな手術やその後の病院の先生方の親身な診療、ペースメーカー、そして何より夫本人の生きる気力もあり、無事に今日に至っている。
私にも夫を看るだけの体力もついているうえに、たくさんの仲間や友達と巡り会えたこと、生活のパターンが出来たことなど、良いことづくめのカーブスへの入会であった。カーブスに入会して良かったと、つくづく実感しているこの頃である。
佳作
「カーブス入会記」
カーブスって
どんな運動?
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