過日、朝日新聞のひととき欄に「老人化防ぐポーズ」という内容の投稿が掲載されていた。定期的に観ている演劇会の学習会で、パイプ椅子に座っている私の斜め後ろから撮影された動画がラインで送られて来た。年令にふさわしいありのままの無防備な後ろ姿。これが現実。現実を直視することから次のステップへ。さて、どうする?
83才を迎えた二週間後。卓球のダブルス形式で練習中、ボールを追って足がもつれ転倒。おもいきり右肩を床にぶっつけた。レントゲンを撮ってもらう。幸い骨折もひびも入っていなかった。接骨院へ日参すること一ヶ月で完治。
転倒の際、右肩の腱が一本傷ついたことが原因で日々の動作が不自由になり、左手で食事をしたり開き戸の開閉さえうまく出来ない。一番困ったこと。難聴のため補聴器を使用している。その補聴器の装着が出来ない。ピッタリ装着しなければ役に立たない。左手でやっても夫に頼んでも正しい位置にならず――。肩の腱が一本傷ついただけで全身に影響出るなんて。人の体はなんと精巧に作られているのだろう。
しばらくカーブスは休み。2週間後に再開。痛みの無いマシンだけ。
久し振りのカーブス。コーチやメンバーさんから温かい言葉と笑顔で迎えられ励まされた。「筋肉を鍛えているから骨折しないですんだね、ほんとうに!!」
転倒から3週間目に卓球再開。最初は左手で。いつの間にかラケットを右手に持ちかえていた。
カーブスに入会した8年前。きっかけはサークル仲間のメンバーさんから誘われた。運動が苦手で長続きしない私はのらりくらりとかわしていたが、あの手この手で根負けして入会。三日坊主だったはずの私が8年続いた。おかげでひどい転倒だったにもかかわらず骨折もなく、肩の腱が一本傷ついただけで済んだ。何度も声をかけて下さったメンバーさんに感謝。筋肉の強化は一日してならず。
今回の転倒。もし骨折、腱が切れていたら......。腕が正常に使えなくなる可能性もあったと接骨院の先生に言われた。高齢で手術をしても元通りになるのは難しいと。
50代の頃、叔母から定年後の趣味を何かひとつ見つけておくといいよとアドバイスが、60代になってあれこれ手を出してみた結果、出会ったのが憧れていたピアノ。「大人のためのはじめてのピアノ教室」に参加したのが60代半ば。教室の課程が終了し、音楽教室に通っていた頃に突発性難聴に罹患。全く聴こえなくなった時期もあったり、田舎で一人暮らしの母の介護と重なりレッスンを中断。再開後は町のピアノ教室から徒歩圏内の個人レッスン先生宅へ。この出会いが次のステップへと繋がって夢の舞台へと広がってゆく。80代でレッスンに通う生徒。先生は私よりひとまわり年下。その先生が「私にもまだまだ伸びしろがある」とドイツ歌曲を歌うために「ドイツ語」を習い始めたと言われた。私のレッスンが役に立っている――。
耳の機能を少しでも保つためにとの思いがあって、生のオーケストラをコンサートホールで聴きに出かける事と、ピアノレッスンもその一つ。
3月は毎年、大阪フィルハーモニーの定期演奏会があり今年は指揮者、原田慶太楼、バイオリン服部百音。親しみやすく耳慣れた曲ばかり。若い指揮者のパフォーマンスでホールは最高潮に。
このホールで来年3月に発表会の予定と先生からコーラスとピアノで参加するようにと背中を押された。
自分が思い描いていた以上の夢が用意されている。来年3月には84才を迎える。
憧れのホールでみんなでコーラスを。ピアノはスタインウェイでソロで発表なんて。自分でも信じられない世界。失敗も含めての発表会と開き直れる年齢。
夢はきれいな立ち姿で舞台に立ちたい。
そのためにもカーブスに。立ち姿を意識してマシンに向かう。「年令相応のうしろ姿」を少しでも卒業出来るかな。
佳作
「「夢は」来春に」
カーブスって
どんな運動?