あなたには憧れの女性はいるだろうか。
その女性の仕事や活動、考え方や生き方に共感し素敵だと想う気持ちを持ったことはあるだろうか。
かくゆう私がカーブスを始めたのは、二人の可愛らしい女性の影響が大きかった。
その一人はHさん。
職場の先輩だった人だ。
テキパキと仕事をこなし、後輩の面倒見が良く、物知りで尊敬できる先輩。
あの頃の後輩達全員が、H先輩を大好きで、早くあんな風になりたいと目標にしていたと思う。
整った顔立ちで、流行りのお洒落を取り入れるのが上手だった。
彼女のファッションやメイクを、参考にしていた人が多かった。
私達は社内異動で職場が離れても、逆に付き合い易くなり、お互いによく誘い合って密会を楽しんだ。
待合せ場所は秘密のスナック。
店のママさんも交えて、今でいう女子会トークが深夜まで続く。楽しかった。
恋愛の話題になった時の先輩は、職場では見せない少女のような表情に変わり、本当に可愛らしかった。
退職されてご縁が途切れてしまったが、ある日偶然バッタリ出会った。
その印象は一変していた。
ポッチャリとしていたボディは引き締まり、巻き髪ロングヘアは颯爽としたショートヘアに変化。光を浴びるたびに輝いていた。
抜け目のなかったメイクはナチュラルに、というかスッピンで、肌はきめ細かく艶々としている。
正直なところ・・・。失礼ながら見違えてしまった。
「先輩、昔と印象が全然違います。もしかして・・・恋でもしているの?」
「まーさかぁー。違う、違う」
先輩は昔のように可愛らしく、コロコロと笑って言った。
「あのね・・・、私、実はさ・・・」
笑った口からこぼれた『カーブス』の名を、私が認識した瞬間だった。
もう一人はYさん。
友人のお母様だ。
友人は四十年以上前に、二十歳の若さで飛行機事故に遭遇し急逝した。
お母様とは長い付き合いだったが、昨年ご逝去された。
慰霊登山には何回もご一緒した。
「そんなに急ぐと転ぶよ」
「山を下りたら冷やした桃を食べようね」
愛娘を亡くした行き場のない悲しみを抱えながらも、生涯を全うした。
足腰が弱くなっても、事業主としての威厳と鋭さを欠いたことはなかった。
晩年は車椅子生活となられたが、定期的に美容室に行って髪を整えていた。
お母様は女優の森光子さんが好きだった。
「私ね、森光子さんみたいになりたいのよ」
美容室で髪型を似せてもらったと言う。
「似合うかな?可愛い?」
穏やかな口調だが、どこか真剣で、それになんだか無邪気で可愛らしかった。
誰かに憧れるということ。
「あの人のようになりたい」という想いは、ただの模倣で始まることが多い。
だがそのうちに、いつかあんな風になりたい・・・とか、もっとこんな風にしたい・・・などと、自身の成長を促す動機となり、実行を加速するバネにもなる。
還暦を過ぎた私を、その美しさで圧倒した古稀のHさん。
卒寿を過ぎても女優に憧れたYさん。
なかなか真似が出来ない志だと思う私だ。
このエッセイを書きながら気付いた。
何回も「可愛い」という言葉を使っている。その言葉は、女性の永遠の憧れなのかもしれない。
カーブスを始めて二年が経とうとしている。
「向かい側のあの人みたいにマシンを動かしたい」という気持ちを携えると、腹圧に力が入る。
いつもコーチと仲間たちが、温かく迎えてくれる。
今日も『小さな憧れ』を持って頑張ろうとマシンを動かす。
私もいつの日か誰かに言われてみたい。
「ねえ、恋しているの?」と。
佳作
「憧れの可愛い人」
カーブスって
どんな運動?
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