カーブスエッセイ大賞2019結果発表

作品詳細

佳作

「私の宝物」

美智子様(78歳) カーブス甲州塩山(カーブス歴:11年1ヵ月)

 私の大切にしている宝物のひとつに「来店カード」がある。思えば11年前、体力の衰えと共に右足が痛くなり、レントゲン検査の結果、腰椎がずれているすべり症である事が分かった。腰痛で手術をした知人の何人かに聞いたりして、手術をしたものかどうかとあれこれ思い悩んでいた。そんな矢先のある日、健康体操教室が開かれる広告が入ってきて、もしかしたら腰痛に良いのではと、藁をも掴む思いで友人を誘い早速参加をした。
 そのお話は頷ける事ばかり。そしてマシンの体験、ひとつひとつ無理なく漕いでひと回り。ウォーキングと違い体全体を鍛える運動であり、簡単でこれなら私にも無理無く出来るしと、その場で入会の申込みをした。
 月日はたちまち過ぎ、あの日からもう12年目。腰痛である事をいつしか忘れ、3ヵ月毎に新しくなる「来店カード」は43枚になった。初めの頃は、来店目標を10回以上と決めていたが、最近は8回以上と決め必ず守る事にしている。測定の時コーチより「良く守れましたね」と頂く花丸マークが何とも嬉しく、励みになっている。3ヵ月経つ度に増えるカードをきっちり揃えて輪ゴムを掛け、ますます掴みごたえのある束となり、勉強机の抽斗(ひきだし)に大切に保存し、厚くなってゆくのをひとり楽しんでいる。
 私は幾つかの趣味を持っている。そのひとつが短歌。そのきっかけは町の文化祭の展示物を観に行った時の事、短冊に書かれた短歌の前に立ち止まった。たったの31文字で、こんなにも空想の世界が広がるとは、と。その不思議な魅力にすっかり虜になってしまったのである。その時からある短歌結社に入り40年、多くの仲間達と学び詠い続けている。しかしこの様に続けられているのは健康があっての事。友人から「貴方はいつも姿勢が良くはつらつとしていますね」とか言われる。「それはカーブスのお陰よ、貴方も行ってみませんか」等と会話が弾みカーブスへ誘う。私の元気はカーブスに於いて頂いていると心底思っているからである。
 又、野菜を作り、庭に四季折々の花を咲かせる事も趣味であり生き甲斐としている。今年も野菜作りや花作りの出来る待ちに待った春が来た。昨年の秋蒔いておいた野菜達が日射しの中で日に日に柔らかな葉を広げ、色鮮やかに食卓に乗る。そして今年も馬鈴薯、春大根、小松菜等などを蒔いた。ふたり暮らし故に吾が家で使うのはほんの僅か、ご近所や友人に届けるのを楽しみにしている。
  昨夜よりの雨のあがりて輝けり黄の葉ひろげし華芯白菜
  なんたって力はあると庖丁をばりばり根本にさしこんでゆく
  切り口を並べ干したる白菜にさんさんと照る初冬のひかり
  大き石二っつのせて漬け終えぬ母にもらいし体のありて
 そして花作り。昨年の秋に植えたパンジービオラが寒さを乗り越え、色とりどりの花を咲かせている。クリスマスローズの花に魅了され、多くの品種を求めつぎつぎと庭に植えたのは10数年前。落ちた種より株が増え、寒さにめげず清楚な佇まいを見せている。そして薔薇30株余り。冬の終りに肥料を施し、新芽が順調に芽吹き、今年も数多の花の咲くのを楽しみにしている。「お宅の前を通ると薔薇のとっても良い香りがして来ます」等と、見知らぬ人が庭に入って来て花談義が始まる。そう、私は3度の飯より花が好きなのである。でも、おいしい野菜を作ったり、花をきれいに咲かせるには矢張り手を掛けなければ駄目。それには体力と気力が必要であり、この体力と気力こそカーブスで頂いているのです。穴を掘って植えたり、草を取り、芥(あくた)を運び、花の消毒等など、私の体は何と軽い事か。
  秋の陽に紅深め立つ葉鶏頭道行く人を振り返えらせて
 そう言えば筋力測定。初めの頃は腹筋が1回も出来なかった。というより腹筋をした事が無いのでその要領が分からなかった。両腕を前に組み、寝ころんだ姿勢から"うーんよーいしょっと"と、初めて半身を起こす事が出来た。ああーやっと出来た。嬉しかった。それからはコツを覚え、測定時には11回出来るようになり、左右片足立ち、座っての屈伸。その総合結果は、体年齢30代。コーチが褒めて下さり、それも又励みになっている。
 それからオカリナがある。60の手習いと言うが、76歳で始めて3年目。指と脳が思うように動かない。かと言って練習もせず。でもオカリナの音色に魅せられぼつぼつながら教室に就いていけており、講師の指導により施設の慰問に加わったりしている。
 ある時、地元農産物販売所「た・から」の設立10周年を祝うイベントに招かれ仲間達と参加した。会場は青空広場、舞台はトラックの荷台の上である。そのトラックの舞台に上がる足場として設えて(しつら)あるのは野菜や果物の捥(も)ぎ箱。譜面台を片手に持ち、不安定な足場をトラックの上に上がる。カーブス仕込みの脚力が有ったからこそ上がる事が出来たのである。仲間達と演奏を終えみやげに買ったパウンドケーキの美味しかった事が忘れられない。
  式典を進める女性司会者の声澄みとおる暑き広場に
  演奏の出番来たりてトラックの舞台に上るこわごわ上る
  二十人の吹くオカリナのハーモニー如何に届きぬ観客席に
 体が軽いと思うのは足ばかりでは無い。以前から着物が好きであったが、最近は着る事も無く箪笥に仕舞ったままでいた。ある時友人に誘われ、折角着物が有るのだからと着付け教室に通い始めた。
 幾つもの帯結びの中で、お太鼓は両手をうしろに回さなければならない。その両手が背中で楽に動く私を見て、どうして両手がそんなに軽く後ろに回るのかと先生は驚かれた。今まで気が付かなかったけれど、日頃カーブスで運動し、知らず知らずに体が柔軟になっていたのである。
 着付は教室で着て覚えるのみでは無く、実際に外へ出掛ける事も勉強であると、歌舞伎の鑑賞へ出掛ける企画に参加した。そして浅草の平成中村座へ。バックを片手に、あとの片手で着物の裾が汚れないよう、膝のあたりを摘まんでの電車の乗り降り、駅の階段の上り下り。足のなんと軽い事か。カーブスの有り難さをつくづく思った1日であった。
 今年になり10年続けた印に、プラチナ色のカードを頂いた。キラキラ輝くカード、なんと嬉しかった事か、涙がこぼれた。そして紺色の地にピンクのカーブスの文字が刺繍されたパーカーをもプレゼントされ、またまた嬉しくて涙がこぼれた。
 この様に私には、地域活動に於いて共に知恵を出し合った仲間達、趣味で出合った多くの友人、分厚く溜まった来店カード、先ごろ頂いたキラキラ輝くカーブスカード、暖かく身を覆ってくれるパーカー等など、金では買う事の出来ない、私の大切な大切な宝物なのである。なにより素晴らしいのが、カーブスより頂く健康であると、つくづく思うこの頃である。加齢と共に薄れゆく「やる気」。いつまでも持ち続けて行きたいと思っている。7歳年上の夫の為にも。
  もう少し生きて地球を歩かんかプラチナカードの耀きを秘め

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