私は、高校を卒業後ある金融機関に就職しフルタイムで勤務しながら、結婚・出産・離婚を経験、子供2人の親権を得て、夢中で働く日々を送っておりました。商業高校出身のため、同級生の銀行就職率はとても高かったと思います。しかし、全員と言っていいほど寿退社をした時代でした。
一方業務は金融機関独特の多忙さと、現在では考えられない既婚女性差別の中で、「だから女は・・・」と言われないよう、業務内容にかかる勉強や時間外勤務をこなし、休暇取得もままならず、子供の学校行事は休日以外出席できず、平日の授業参観では寂しい思いをさせました。
そんな状況下、自分の体調など顧みる暇などなかったにもかかわらず、幸い健康に恵まれ、特に大病を患うことなく、更年期でもこれといった自覚症状なく通過し、働く女性に寛容な世の中へと変化してきたところで定年退職を迎え、5年間の高齢者継続雇用を経て平成27年3月末46年間の勤務を終了したのです。
振り返ってみると、仕事を継続することで、生活のリズムが出来上がり、ウイークデイや休日の過ごし方等身体的・精神的に充実していたように思えます。
ところが私の退職を待っていたかのように認知症の母が体調を崩し、入所施設や病院に通う日々が増えました。
かつて10歳と4歳の子供2人を抱えた私を支えてくれたのが母です。まだ50代後半で会社勤めを退職しての援助でした。
孫や曾孫の話をニコニコと聞いていた母でしたが、今はあまり反応がなく、私のことも施設の職員と思っているようです。
高齢のため体調変化の都度、施設は念書を始め様々な書類への記入を家族に求めます。
やむ負えない措置と理解できますが、「もう長く生きられません」と言い渡された思いで精神的なストレスは計り知れません。それが原因とは言えませんが、体重が減るどころか増加し、過去に感じたことのない足腰の違和感を持ちました。
これほど短期間での、身体への影響に「負の生活環境」を強く意識させられ愕然としました。
このままではいけない・・・、
体力をつけないと・・・、
焦らず少しずつ変えていこう・・・、
やるからには継続できるものを・・・と、色々思いを巡らせました。
20年ほど前に数年経験したスポーツジムを考えましたが、トレーニング内容を思い起こすと、現在の年齢も鑑み一歩を踏み出せません。まず軽い運動をと思っても納得できるものが中々見つかりません。
そんなある日、TVで年配の女性たちが嬉々としてマシン操作をしている姿が映し出されました。
「あら、こんな施設があるの?」と思い、ネット検索で近隣の施設を確認しました。
「カーブス」という名称は目にしておりましたが、若い女性向けと思い込んでいたため、このTVで初めて内容を把握しました。
体験日があることを知り、訪問のタイミングを計っていた頃、元同僚が既に入会しているとの情報が入り、早速仲介をお願いし体験に訪れました。
運動不足の体に無理のないマシン操作と丁寧な説明を受け、その場で入会を決めました。
30分に収まる筋トレは生活の中に無理なく取り入れられ、長く続けていけると確信しました。しかしながら、単調なマシン操作の繰り返しは余程の気力と我慢強さが必要かと頭をよぎったのも確かです。
でも、その様な危惧は、すぐに払拭されました。決して短調な日々ではなかったのです。
まず、月初の計測では、各項目の数値が僅かながらでも改善していると次回への希望が湧き、変わらないとどんな事に注意しようか考え、良い結果に繋げようとする前向きな自分を発見出来ました。
また、「カーブスプリンセス」のイベント期間には、会員間でコミュニケーションを取る画期的な機会を与えられ、2カ月間積極的に成果を話し合い、刺激と共に友人も得ることが出来ました。
今年の降雪では、自宅周辺の広範囲を1人で除雪する必要性に迫られ、ため息をつきながら雪と格闘しましたが、難なく取り除くことが出来、「継続は力なり」を改めて実感した次第です。
筋トレを積み重ね、質の良い筋肉を獲得し私の目標である
「家族に迷惑をかけない元気な老後」
のスタート地点に立てました。
コーチの明るい声に迎えられ、そして送られ退職で失った居場所を埋めてくれる場所を見つけることが出来ました。
 今後もカーブスを継続できるという信念とコーチ陣への日頃の感謝を表すことに代えて、当エッセイへの応募を決めたものです。
 最後に、今年受診の人間ドックが楽しみです。