平日、午後4時半。「さあ~って、今日もカーブスに行きますか」と心の中でつぶやき、部屋を出る。住まいは、マンションの3階。エレベータもあるけれど、普段は必ず階段を利用する。これ、無料で出来る私なりの"筋力アップ法"だ。
エントランスで、1階の知人女性とバッタリ。「あっ、ブスだよね」「ちょっと、ちょっと"カー"を省略しないでね」と突っ込みを入れたくなるものの、そこは大人の私。にこやかに「行って来ま~す」と手を振って、別れる。
カーブス西荻窪北までは、歩いて10分程。今度は途中でメンバーのKさんと出会う。両手を広げて近づく彼女と、ベーカリー「一本堂」の前で、ハイ・タッチ!西荻窪では食い逃げ&飲み逃げの類は、決して出来っこないわ。以前、善福寺公園までウォーキングした際には、Eさんと会った。―西友での買い物時は、Yさんだ。とにかく、やたらとメンバーさんと出会うのだ。それもまた楽しい。
カーブスに辿り着く。すかさず「アッコさん、ようこそ」。コーチ陣からウェルカムのご挨拶をいただく。この声掛け、元気が出るんですよね。S店長、いつもありがとう!
今日は誰が居るのかな、とフロアに目をやる。K子さんが、こぼれんばかりの笑顔を見せながら、Vサインを出している。こちらも投げキッスで応える。お互い、顔を見合わせてニヤリ。
着替えて血圧測定。上が128、下が80。今日も正常値だ。そしてピョンとボードに飛び乗る。すかさずジョギング風に足を踏む。68歳にして、この動き。我ながら、ちょっとしたものだ。遠くから眺めれば、どう見たって50代でしょう。真近でチェックされたら、やっぱりバレルか。
1周した段階で、全身にジワリと汗が滲む。脈拍チェック。黄色だ。プ~ン。フロア中にガーリックの香りがたちこめてきた。1階にあるインドカレー店からの食欲をそそる匂い。風向きによって諸に伝わってくる。お隣でエクササイズに励むメンバーさん「あ~、刺激的!お腹が空いちゃうわぁ」。「同感!」と答えて、笑い合う。
カーブス内では、何故か不思議と笑っちゃうことが多いな。だから楽しいのか。楽しいから笑えるのか。
2周すると、Tシャツが冷たく感じられるくらい汗びっしょりだ。この爽快感が、たならない。ストレッチも大好きだ。ふくらはぎ、もも、背中・・・。反動をつけず、ゆっくり伸ばしていく。気持ち良し!
カーブスでのルーティンが終わると、1日のハイライトが待っている。自宅での「居酒屋あきこ」の開店タイムだ。今宵のメニューは、鮮魚店で購入したシメサバに。サッと火を通した"特製炙りシメサバ。茹でたて熱々の枝豆。ホウレン草のごま和え。ジャーマンポテト。
欠かせないのが、日本酒の熱燗だ。食前酒にレモンサワーを1杯。あ~、胃袋に染み渡る。その後、熱燗を1合。炙りシメサバを頬ばりつつ、燗酒を傾ける。今日のグイ呑みは友人からプレゼントされた備前焼。明日は、古伊万里焼にしようかな。グビリ&パクパク。お酒も料理も進む、進む。いつの間にか、ホロ酔い気分だ。今日も平穏!
自宅での居酒屋タイムの他に、カーブスで仲良くなったメンバーとの「西荻窪居酒屋探訪」も面白い。82歳のIさん、79歳のK子さん、77歳のMさん。この顔ぶれで、月1ペースで"女子会"を実行している。
絵画教室にも通っているK子さんは、年に1度、教室主催の絵画展に作品を出品している。メコン川を題材にした昨年の油絵は、大作だった。
いつもにこやかなMさんは、歌を詠まれ自費出版された歌集を頂戴したことがある。偉い!何よりスゴイのは、Iさんだろうか。82歳にして現役のスキーヤーなのだ。ゲレンデではゴーグルを着用しているから、年齢が分からない。元キャビンアテンダントだったIさんは、英語も堪能。ゲレンデで外国人男性にナンパされた後、レストランでゴーグルを取った途端に彼「オー、ノー」と言っきり、去って行ったとか。オチャメぶりに大笑いだ。
月に2回、旅をする。でも、東京に居る時はカーブス通いが日課だ。運動をし、良い汗を流し、美味しいお酒と肴を味わう。そして愉快なメンバーさん達との交流。人生の先輩達に接していると、68歳なんてまだまだヒヨコだと思えてくる。カーブスに関わるようになって、5月で丸6年。今もってまったく飽きることがない。だって、毎日が面白すぎるもの。