「うわーもうだめ!!落とされる~」私の体は宙を舞い、馬場の柵に思いきり腰を打ちつけ、しばらく動くことができずにいた。その後どうやって家に帰ってきたのかもよく覚えていない。しかしこの落馬が原因で後々長くカーブスへ通うことになる。「乗馬?優雅でいいわね」人によく言われる。でも私の場合まったくそうではない。そもそも乗馬は、母の介護がきっかけではじまった。子供の頃から運動が大の苦手で、体育の授業参観日にはよく母がため息をついていた。その母が70代で認知症を発症し、私は40代から介護を経験することになる。アルツハイマー型認知症と診断された母は、最初の頃こそ身の回りのことはなんとか出来たが、7、8年も経つと食事、着替え、風呂、排泄とすべてに介助が必要となった。特に風呂や排泄介助は、腰の負担が大きく時々、整形外科へ通院したりしていた。肉体的にも精神的にも、どんどん追い込まれていき、自由な時間も趣味もなく、ストレスで心が折れそうになっていった。
そんな時乗馬と出合った。不思議だが馬に乗ってきた日はとても母にやさしくなれた。だから落馬した時、真っ先に思ったのは母の介護の事だった。圧迫骨折した私は、動くどころか寝返りもうてずその間、母の介護は父に頼んだ。介助に不慣れな父の、母をしかる声が聞こえても、どうすることもできず、とてもはがゆい思いをした。10日も経つと痛みはだいぶおさまったものの、常に腰が重く辛い日々がつづいた。医師からは腰の筋肉を鍛えるよう助言されたが、なにしろ運動は大嫌い。
  そんな時カーブスが近所にオープンすることを知った。無料体験のチラシを持ち、友達3人で初めてカーブスのドアを開けた。元気なスタッフの楽しい話を聞き、その後のマシーン体験はとても心地よいものだった。オープン前ということもあり、ゆっくり体験できたのもタイミングがよかったと思う。迷うことなく入会し、カーブス生活の第一歩がこの時からはじまった。この歳で運動の楽しさも知った。そして半年程通い気付いた時には、腰の痛みやはりがほとんどなくなっていた。「体が変われば心が変わる」まさにその通りで、心も元気になった私は「手話」「絵手紙」と次々楽しことを見つけ、忙しいながらも充実した日々を過ごしていた。
ところが3年程前今度は父に病気がみつかった。筋肉を動かす神経がまひし、全身が徐々に動かなくなる難病「筋委縮性側索硬化症(ALS)」という病気だ。原因不明で有効な治療法もない。難病の父と重度の認知症の母を、この先自宅で介護できるのだろうか?不安で目の前がまっ暗になった。カーブスに通い、元気な体と心をとり返し、趣味を楽しんでいただけに父の病名を聞いた時のショックは大きかった。しかし、そんな時でもカーブスに行き、高齢で元気なメンバーさんや明るく声をかけてくれるスタッフの皆さんに会うと、30分の間、いやなことも忘れられた。そのうち「なるようにしかならないさ」と考えられるまでに心も変わっていった。
  そして現在父の病気の進行はとてもゆっくりで、足は不自由になったものの自宅で過している。両親の介護で、ますます忙しい毎日になったが、さいわい主人と、娘の協力があるのでなんとか乗りこえていけそうだ。しばらく休んでいる乗馬にもぜひ又挑戦したい。これから先も今の健康を維持するために楽しみながらずっとカーブスに通いつづけよう。