「お母さん、ちょっと見て!」

 久しぶりに大学生になる娘と高校生になる娘の3人でショッピングに出掛けた時のことです。試着室から私を呼ぶ娘の声、試着室を覗きました。我が娘とはいえ、抜群のスタイル!何を着せても似合います。本当に羨ましい限りです。

 「お母さんも着てみたら?」

 思い起こせば4・5年くらい前だったでしょうか?同じようにショッピングをしていて、マネキンの着ている素敵な服を見付けました。それを見ていた娘が、

「お母さんもこんな服着てみたら?」

 その言葉に乗せられ試着室へ。恐る恐るカーテンを開けると、

「えーっ!?お母さんが着ると何でこうなるん?絶対やめて!」

『やっぱり・・・』

 分かってはいたものの、やっぱりショックでした。それからというもの、服と言えば体型を隠す大きめのもの、パンツと言えばウエストがゴムで調整のできるものばかりで、お洒落をすることなんてとっくに忘れていました。そんなトラウマのせいで、娘の前で試着することを躊躇していましたが、思い切って・・・

 「お母さん、めっちゃ可愛い~!カーブスに行くようになって痩せたから、めっちゃ似合う~!」

 もう嬉しさのあまり、値札も見ずにカゴの中へ。ショッピングがこんなに楽しいものだったなんて、本当に忘れていました。

 振り返ると、私には波乱万丈の人生がありました。実父のアルコール依存症。勿論、本人が一番辛かったのかも知れませんが、周りにいる家族の戦いは壮絶なものでした。毎晩のように、泣きながら電話を掛けてくる実母に何の力にもなってやることもできませんでした。そして、家族の想いも虚しく、他界。

 次に、義父の仕事中での事故。脊髄損傷、下半身不随、介護生活の始まり・・・。頼りにしていた義母と祖母が相次いで他界。介護は私の小さな肩に・・・。これといった趣味も取り柄もない私は、言えば仕事だけが生き甲斐だったのに・・・。20年勤めた会社を退職することを余儀なくされました。


 『どうして私だけが犠牲にならなくてはいけないのか・・・?』

 嘆いたこともありました。


 そして次には、自分自身が病魔に犯されることに。ストレスによる急激な体重増加、コレステロール値急上昇、肝臓の腫瘍・・・。病院になんて縁のなかった私が、病院通いをすることになりました。病魔までもが私に牙を向くのか?

『私の人生なんて、所詮こんなもの・・・』と半ば諦めていた時、カーブスとの出会いでした。

 カーブスに通い始めて約1年後、

 「また痩せたん違う~?」

 久しぶりに会う友達や、京都に住む妹夫婦にそう言われました。何十年と聞かなかった言葉です。

 『人は褒められると、成長する』

 何かの本で読んだことがありました。本当にその言葉が嬉しく、もっともっと頑張ろうという意欲が湧いてきます。

 『あっ!そう言うことなのか・・・!』と、今更ながらに感じます。

 そして、コレステロール値は急激に下がって基準値内となり、定期的に通っていた病院のお医者さんから、もう来なくていいと言われました。

 カーブスのワークアウトはたったの30分、義父の介護や家事には何の支障もありません。介護のストレスや疲れから外に出ることさえ億劫になり、家事でさえ面倒臭いと思うありさまでしたが、『カーブスに行かなくては・・・』と思うことでストレスも解消され、何事も前向きに考えられるようになりました。

 カーブスは、私の心も身体も変えてくれました。そして再び、お洒落をする喜びを与えてくれました。子供の為、夫の為、いつまでも健康でいたい。そして40歳半ばにして、まだまだ若く、少しでも綺麗に見られたい、そう思うことはそんなに贅沢なことではないと思うのです。

 

 でも、高校生、大学生、娘盛りの娘を相手に『まだ、娘には負けたくない!』と張り合うなんて、ちょっと笑ってしまいますよね?