カーブスエッセイ大賞2020入賞作品のご紹介

作品詳細

入賞

「人生ポジティブに」

君子様(66歳) カーブス西富士宮(カーブス歴:11ヵ月)

 四年前に三十年住んだアメリカ、カリフォルニア州から帰国しました。
 帰国の理由の一つは長年、連れ添った夫の急逝です。夫の死後、うつ病を発症しました。カウンセリングと服薬で一年後には普通に生活できるようになったものの常に何か心に空洞がありました。その頃、日本への郷愁が一段と強くなり帰国したいと思っていました。しかし二人の娘と当時一才の孫を置いて帰国できるのか悩みました。カリフォルニアに家族があり、また日本語も得意ではない娘達は到底、日本には住めません。娘達の為にはアメリカに留まることが一番であることはわかっていましたが、諸々の事情で決意しました。うつ病を克服したとはいえ、まだ心身共に完然に治癒したわけではありません。
「お母さんが幸せになるならどこに住んでもいいよ。一生、会えないわけじゃないから」と娘達が理解を示してくれました。
 アメリカではどこへ行くにも車が不可欠です。歩きは公園やショッピングモールの中くらいです。しかし日本で車を持たない私は歩かないわけにはいきません。できるだけ公共交通機関を使わずどこへ行くにも徒歩でしたが十五分程度の歩きでさえ疲れを感じていました。長年の運動不足に加え、食生活の不摂生、体重増加、血圧、血糖値、コレステロール値が上がりました。テーブルの脚や段差につまずく頻度が増え、足の小指を骨折したこともありました。普通に歩いているつもりでも足が上がらないのです。階段の上り下りは息切れがします。こんな不健康な状態では娘達に会いに行くこともままなりません。そうは思っても具体的な行動には移せませんでした。そんな時、会社時代の友人がカーブスに通っていると知り、それなら私もと感化されやってみようかなと思ったのがきっかけです。
 カーブスは家から歩いて十五分。初日、おそるおそるドアを開けると中から元気な声や音楽が聞こえてきました。ディスコのような洋楽と英語の掛け声がなんだか懐しく思いました。最初、五日間連続のトレーニングをしていただいた時は身体が悲鳴を上げました。
「どうですか?続けられますか?」
コーチの方から聞かれて私は清々しい気分になったせいか「はい。続けたいです」と即答しました。でもたった三十分だけの運動で効果が出るのかなと最初は半信半疑でした。しかし続けることに意味があるとのこと。コーチの皆さんはとても親切で丁寧に教えてくれたことが印象に残ってます。足踏みの代わりにダンスをしたり軽やかに動く皆さんの姿に活力をもらえます。
 あれから九ヶ月。週に二、三回ほど通っています。運動した後は気分がすっきりするのがわかります。体力がつくと長時間の徒歩も気にならなくなりました。食事も美味しくいただけるし、好きな旅行にも行けて何事も前向き志向になりました。計測で何も変わっていなかったことは少々ショックでしたが体力がついてきたのは実感できます。またチケットを集めて次は何にしようかと考えるのも楽しいものです。
 あのうつ病を経験した不健康な生活から一変しました。今では趣味の幅を広げていろんなことにチャレンジしています。為せば成るという信念が気力に繋がっている気がします。
「カーブスに通ってるよ」
 娘達にメールしました。
「運動嫌いだったのに信じられない」
 そう言いつつも喜んでいます。
 年に一度は娘達に会いに渡米します。もうすぐ次女が出産予定なのでまた一つ楽しみが増えました。

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