「すご~い。60代でしょ?これができる人って、10人に1人くらいか2人くらいですよ。」と、人間ドックのロコモ測定をしていた看護師さんの言葉。
 「これ」というのは、30cmの台に座り、胸前で腕を交差してつけての片足ストレッチ。そう、カーブスの測定で、30秒で何回できるかとおなじみの形。違うのは高さを変えながら1回ずつ40cmから10cmダウンしてできるところまでの測定。
 私、始めの40cm、左右ともクリア。「よっしゃ~!」次30cm『ウ~ンできるかな?(心の声)』大変だったけど「できたぁ~。」
 そこで冒頭の看護師さんの驚きとなったのだ。気をよくした私は20cmにも挑戦、30cmがやっとだったのだから、当然撃沈。でも毎年同級生4人で受けている人間ドック、その中で30cmクリアできたのは私だけだった。『すごいじゃないか』カーブスのおかげかな。
 さて、私とカーブスの出会いは今年8周年なるカーブストライアル南アルプス店開店の4月、無料体験だった。料金を聞くとちょっと高い。でも、保育士として体を使っているとあちこち痛いところがあり、整体に1回3000円を支払っている現状、体脂肪が落ちる、痩せる、体力向上等々、いいことずくめ、頭の中で算盤を弾き、「まあ、やってみてもよいか」と、決断した。もちろん、お得コースの1年申込み、予約なし、1回30分位、マシンの操作も容易でユル筋トレというのも、ポイント高かった。
 入会後、ドアを開けると「こんにちは、〇〇さん」と入ったばかりなのに名前で呼んでくれた。顔を見てすぐ名前を呼んでくれたのも、驚きだが、□□さんのおくさんでも、△△ちゃんのお母さんでもなく、ファーストネームでの声掛けしてくれる、個人を尊重した対応も新鮮だった。

その上、コーチがとても褒めてくれる。よく褒めてくれる。実に褒めてくれる。
「マシンの動かし方、覚えましたね」
「きょうも、通って来られましたね」
「太ももの筋肉を感じて動かせていますね」
「姿勢がいいですね」
等々、おばちゃんになっても、ほめられるというのはうれしいもので、「次も行こう」というエネルギーになる。
 褒められ、おだてられ、3~4ヶ月通うものの、筋肉がついてきたのか腕は太くなる、体重は増える、と痩せた感がない。効果がみられないのでもう辞めてしまおうかなと、思った。思ったが、入会契約1年のお得コースに入った私。とにかく「会費を払った分は取り戻すぞ!」という、主婦経済の概念が勝った。そう第一目的が「痩せたい」から「払った分の元を取ろう」になり通い続けた。
 10月になると服が少し緩くなったことは感じていた。
 11月、体重が少し減った。すると、うれしくて一生懸命体を動かすようになる。
 3月になると体重の変化は入会時より少し減っただけだが、体が締まり、洋服のサイズはダウンし、今まで着ていた服もゆるみが出てきた。見た目がすっきり。
 この後も続けたかったが、実母の病気療養、通院の援助のため、悲しくも1年だけでお得コースは継続できなかった。
 退会後、筋肉がついてきた財産か、体重はすぐには落ちなかった。でも運動していない体は、筋肉から脂肪に転換していったのだろう、体重の増加はなかったが、ゆるみのあった服がゆるやかにきつくなっていったのであった。
 週に1~3回のユル筋トレの効果を改めて思い知らされたのだった。その上、元からあまり調子が良くなかった、肩は五十肩、膝は膝関節症、手首は腱が痛い。いずれも整形外科を受診すると、
 「もう加齢によって、腱が緩んだり、関節の軟骨がすり減ったりしているためで、治らないから、筋力をつけてカバーするように」
 とのお言葉。
 顎の関節部分も痛いので歯科医を受診すると、
 「加齢により、関節が緩んでいる」
 声がガラガラするので、「ポリープでもできているのでは?」と、耳鼻科を受診すると、
 「声を出すのに喉だけで、出している。腹筋を使って、お腹から出していないから、喉に負担がかかっている。腹筋を鍛えるように」
 いやいやいや、体の部分のいろいろ筋力低下がらみとは感じていたが、まさか声のカスレまで筋肉が関係するとは!しかも腹筋が。あきれたものである。 筋肉の大切さは身に染みたが、病気療養の母が亡くなっても、職場である保育園が異動でカーブスから遠くなる。保育園の園舎新築が始まるなどがあり、また通いたいと思っても、戻れない日々が続いていた。恐ろしいことに体重も増加を始めていた。
 2018年10月に保育園の新園舎が完成し、あたらしい園舎での生活、行事など軌道に乗ってきた2019年4月、カーブスから「元メンバーおかえりなさいキャンペーン」のお誘いが来た。加齢の上に副園長になってデスクワークが増え、体重も増え、筋力は減ったことを実感していた私に、「入会金無料」のありがたいキャンペーン。
 早速電話を入れると、電話口に出たのは、開店当時からのコーチ。
 名前を告げると
「〇〇さん、お久しぶりです。お電話ありがとうございます。お友だちの××さん、先日来ましたよ。」
と覚えていてくれ、お友だちの様子まで知らせてくれた。
 すぐ入会、今回も途中で投げ出さないように1年お得コース。5月からせっせと通う。
 前回の経験があるので、3、4か月は体重が増えても、痩せなくても、「半年経過すれば痩せてくるさ」と鷹揚な気持で、週1~3回のペースで通った。コーチは相変わらずほめ上手。
 ところがこの褒められ、おだてられ、1年お得コースにも関わらず今回は秋になっても、体形、体重増えて少し痩せてプラマイゼロ。
 「まあ、年取ったし、仕方ないな。」とあきらめつつ、主婦!1年契約!成果を上げるためにがんばるぞ!再び元を取るぞ!がエネルギー!
 12月、1月計測した結果もほぼ変化なし。「全然ダメじゃん。絞まった体の私はいつ?」くじけそうになる私に「忘新年会、年末年始のお休みがある中で現状維持は、がんばったってことですよ」と、コーチが声掛け。
 コーチの声掛けで「そうだ、(体重が)増えなかったのはがんばったからだ。」と、肯定的に捉えられた。ちょっぴりね。
 それによって、カーブスに通うモチベーションがあがって、今までのペースを維持できた。
 そして2月の人間ドックでの、冒頭のうれしい言葉。
 5月から続けてきた筋トレ、外見からは、変化が見られないのに、この30cmの台の片足スクワットで、確実に筋力が就いたことが証明されたのだった。 コーチにこのことを伝えると、一緒に喜んでくれた。
 3月になり、わずかに体重の減少がみられるようになった。さらに成果が上がるように、先行投資の純益?を求め、明るい未来のため、筋力つけて、めざせ!輝く70代。