カーブスエッセイ大賞2020結果発表

作品詳細

グランプリ

「心の拠り所、カーブス」

あずさ様(59歳) カーブス高岡駅南(カーブス歴:6年8ヵ月)

「ちょっとカーブス頑張り過ぎちゃう?」と、私の二の腕を触りながら娘が言います。
「羽二重餅みたいなぽちゃぽちゃの方が好きやのに」と憎まれ口を叩きながらも、引き締まってきた腕を嬉しそうに何度もさするのです。
昔から母が元気でいることキレイにしていることを喜んでくれる娘なので、7年前にカーブスに通い始めた時も応援し、ウェアをプレゼントしてくれたりしました。
 
社会人の娘は兵庫の自宅に一人暮らし、私は主人の赴任で富山に住んでいます。数ヶ月ごとに自宅に帰る時は、富山のカーブスでトラベルパスを出していただいて、兵庫のカーブスに数日間お世話になります。
そんな時、「今日はどうだった?知ってる人に会えた?」と気にかけてくれる娘でした。また、娘の仕事終わりに合わせてカーブスを終え、待ち合わせて一緒に帰宅することもよくありました。
 
その娘が昨年夏、突然亡くなってしまったのです。27歳でした。
 
あまりのショックで一ヶ月に4.5kgも体重が減り、髪はどっさりと抜け落ちてしまいました。
哀しくて苦しくて切なくて辛くて、何をする気力も湧きません。
人と話すことさえ無理で、ただただ泣き暮らしていました。
もちろんカーブスのことも全く考えられません。
無断でお休みしている間に、何度かコーチからスマホにお電話をいただいていたようでしたが、スマホを触る気力さえありませんでした。
 
心配した主人が心療内科を何軒か調べて、受診するよう勧めてくれました。
すっかり引きこもっていましたが、重い重い腰を上げて行ってみたのです。
まだまともに話ができる状態ではなかったので、あらかじめ病院宛に今の状況をメールしておきました。
担当してくださった院長先生はそれを読んで、すべて理解して気持ちに寄り添ってくださったのです。
 
そして、「できれば体を動かす方が良いのだけど、何か運動されていませんでしたか?」と聞かれ、カーブスをと答えますと、先生はよくご存知でした。
「女性だけの30分間サーキットトレーニングですね?いつでも都合の良い時間に通えるところですね?」と。「自分のペースで行けるから、運動を再開するにはちょうど良いですよ。気分転換だけでも是非に」と勧めてくださいました。
 
...が、
体を動かすなどとても無理、いえそれ以上に、人と会うのが怖くてたまらなかったのです。
カーブスでは顔見知りのメンバーさんたちとは、いつも笑顔で挨拶して言葉を交わしていました。
でもそんなこと、とても出来そうにありません。
暗く沈んだ顔で人に会える自信などありません。
とはいえ、このまま何もせずに過ごすのが良くないことも、もちろんよく解っていました。
 
何日か悩んでいる時にまた、カーブスから何度目かのお電話をいただきました。
恐る恐る出ると、コーチのいつもの元気な声です。
懐かしい明るい声に、ふと、哀しい出来事が起きる前に引き戻される感覚がありました。
思わず口をついて出たのです。「明日行きます」と...。
 
そして翌日、できる限りいつも通りを装って行ったつもりでしたが、受付で店長と顔を合わせるなり、私の様子に何かを感じ取られたのが判りました。
日頃からメンバーさんたちの毎日の様子や変化を、店長もコーチもよく見てくださっているからこそですね。
なので思い切って言いました。「長く休んでいた理由について、お話ししたいのですが」と。
 
店長はすぐに察してテーブル席に案内し話を聞いてくださいました。
うまく言葉にもならない拙い説明を丁寧に聞き取り、そして泣いてくださったのです。
また、一番の懸念であった「笑顔でいる自信がない」については、「あずささんさんがどんな状態でも、ここにはそれを咎める人は誰もいませんよ」と。
言われてみれば確かにそうです。これまで7年通ってきた間には、不調な時も不機嫌な時もあったはずだけど、コーチのみなさんもメンバーさんたちも程よい距離感で接してくださっていました。
それが心地良かったからこそ長く続けてこられたのでした。
そして、「ここにいる30分間は、心をからっぽにする時間になりますよ」とも言っていただいて、それまで冷たく固まっていた何かが溶けて行く感覚に安堵を覚えました。
 
ここなら、このカーブスなら、大丈夫、私はやっていける!と思った瞬間でした。
 
心療内科では欝症状が出ていると言われていましたが、体が動く限り通うようになりました。
ワークアウト中にもいろいろ思い出しては、堪らずロッカーのところに行って涙するということもありました。
私の状況をコーチみなさんで共有されていてその都度、温かい声を掛けてくださいました。

やがて、毎年恒例2ヶ月間のカーブスプリンセスが始まりました。
この期間は他のメンバーさんたちと成果の交換をして励ましあったりお名前を覚えたり、楽しい時間が過ごせます。
お墓参りの帰阪で抜けることはありましたが、できるだけ毎日通って、今日はチームが勝ってる今日は負けてるとワイワイやるのが何よりの楽しみでした。
そういった時間を過ごすうちに、普段の感覚がようやく戻ってきました。
 
カーブスがなければ一年経たずに歩き出すことなど無理だったでしょう。
私にカーブスという場があって良かったと心底思える毎日です。
今日も元気に通う様子を、娘はどこかで応援してくれていると信じています。

感動したら、シェアボタンを押してください