私がカーブスに通うようになったそもそものきっかけ。それは父が末期がんで、余命数ヶ月の告知を受けたことでした。今から約6年前のことです。
私は北陸富山の生まれ。つい先頃北陸新幹線が開通し、地元もそのニュース一色で活気を帯びていますが、父は生前よく「俺が生きている間に新幹線を見られるかなぁ。もし見られたら、真っ先に孫(私の息子)に会いに千葉に行くのに」と言っていたものです。

大学進学のため実家を離れてからそのまま都内で就職し結婚した私は、結局一度も故郷には戻らず、千葉で生活をすることになりました。
なかなか実家には戻れなかったけれど、年に一度は必ず帰省し、そのたび両親の元気な顔を見ては安心していたのに。
父は余命告知を受けてから数ヶ月後、亡くなりました。79歳でした。

父の病が既に手の施し用がないことを知った時、私はあることを決意したのです。
それは自分は今よりもっと元気になって、家族とできるだけ長く一緒にいられるようにすること。
そして故郷にひとり残された母の話にできるだけ長く耳を傾けてあげることです。

もともと私には自律神経失調症、パニック障害、不安障害などの持病がありました。
これらの病気がいまのように広く認知される以前から、過呼吸や目眩、原因不明の体の痛みなどに悩まされてきました。
そのせいで、仕事を辞めざるを得ない状況に追い込まれ、途方に暮れたこともあります。

少しでも症状を良くしようと、もちろん病院にも通いましたし、自分で出来そうなことは他に何かないかと探しては、例えば指圧や整体にかかったり、アロマテラピーの勉強をしたり、と様々な試みをしてきました。
でもどれもみな根本的な解決には至らず、手詰まりな状態になっていたちょうどその時、父の重病の知らせを聞いたのです。

もしかしたらこれは私にあてた父からの「遺言」のようなものだったのかもしれません。
子供時代から父と私は気質・体質が似ていると言われてきました。だからこそ、父は、「後から後悔しないよう、気づいた時に自分の体を見つめ直し、よりよくしていくようにしなさい」と私に言いたかったのかもしれません。

父が存命中に私はカーブスに入会しました。
初めてマシーンを動かした後、コーチから「どうでした?」と聞かれて、口をついて出た言葉が「気持ちいい!」だったのは、実は自分でも意外でした。
何故なら運動らしい運動をしたのは十数年ぶりのことで、マシーンの乗り降りにさえ、タイミングがうまく掴めずおろおろし通しだったからです。
それでも一回りした後に感じたのは、何とも言えない「爽快感」でした。

それから週に2~3回の割合で、私はカーブスに通うようになりました。
その間にも父の病状はどんどん悪くなっていき、私は以前よりも頻繁に千葉から富山へ行くことが増えましたが、カーブスには時間が許す限り行くようにしていました。

すると入会してから3ヶ月ほどの頃、目に見える変化が起きたのです。
入会前には体全体が何となくぶよぶよしてしまりがなかったのですが、その頃になると二の腕や下腹がひきしまり、コーチからは「横から見た時の体の厚みがまるで違いますよ」と言われました。
お風呂場の鏡で確認すると、確かに自分にもそう見えましたので、その時に初めて「筋トレって本当に良いものなんだ」と実感できたのです。

それからしばらくして父が亡くなったと実家から連絡がありました。
悲しかったけれど、お別れするまでにそれなりの時間がありましたから、ある程度心の整理はできていていたように思います。


父とお別れをした後も私は週に3回程度のカーブス通いを続けました。
体が少しづつ変わってくるのに従い、次に感じるようになったのは、心の変化です。
実際にカーブスで運動を始める前は、体力的なことと同時に、昔体育の授業で走っている最中に呼吸が苦しくなって倒れた経験があったので、サーキットトレーニングの最中にまた同じ状況になるのではないか、と恐れていました。
それらは心の問題から来ているものだったのですが、カーブスで運動をしている時は不思議とそういうことが気にならなくなったようなのです。

そしてメンタル面でカーブスの効用を決定的に感じたのは今から2年程前のこと。
それまで感じたことのなかった酷い耳鳴りや、頻尿感などが起き、検査の結果女性ホルモン値が極端に低くなっていることがわかりました。更年期障害が起きていたのです。

婦人科で処方された女性ホルモン補充療法で、重い症状はとりあえず落ち着かせることができましたが、これをずっと続けることは乳がんのリスクなどもあって勧められないと、医者から言われました。

そこで知ったのが、筋トレを定期的に行うことや、自分を褒めることなどで女性ホルモンの分泌が良くなるということです。
もちろん更年期ですので、女性ホルモンの値が下がることはある意味自然なのですが、閉経から数年間はまだ女性ホルモンは分泌されているということなので、それならば一生懸命に筋トレをし、またことあるごとに自分を褒めてあげるようにしようと思ったのです。

すると気がつけばいつのまにかあれほど苦痛だったいろいろな症状をまったく感じないようになっていました。
多分カーブスに通っていなければ、こんな風に更年期を通りぬけられなかったと思います。

また、私には腰痛が起きやすいという悩みもあったのですが、カーブスに通い出してからは、たとえ腰痛が起きても、回復するまでの期間が短いという効果も感じられるようになりました。
その他、風邪などの感染症一般に罹りにくくなったという実感、一時は皮膚科に通いづめだった「手湿疹」が殆ど治って、今ではつやつやした手指になったことなど、カーブスに通って得られたものはとても多く、書ききれない程です。

生活にメリハリがついたのもカーブスに通っていることで得られたものでしょう。
睡眠、家事、運動、休息、趣味娯楽。バランス良く生活ができるようになると、以前よりも笑顔が増えて、カーブスに通う前よりも見かけはむしろ若くなったのではないか?と密かにうぬぼれています。そういえば体重も入会前よりは3~4kgは減り、それを維持しています。

現在は在宅で仕事をしながら、時々趣味がらみのイベントに高校生の息子と一緒にでかけたり(ふたりともアニメが趣味なのです)して、とても元気に過ごしています。

父の死後しばらく元気のなかった母も最近は以前のような明るさを取り戻し、私もびっくりするぐらいアクティブなおばあちゃんになってくれたので、やっと安心してこう思えるようになりました。

「おとうさん、見てる?おかあさん、元気になったよ。それに私も。おとうさんが私に元気になれるチャンスをくれたんだよね?」

ありがとう、おとうさん。
そして、私にもう一度元気になるきっかけをくれたカーブスにも心から感謝です。