カーブスエッセイ大賞2014 結果発表

作品詳細

準賞

「もうひとつのわが家」

岡部由紀子様(51歳) カーブスイオンタウン青森浜田(カーブス歴:1年4ヵ月)

  「ようこそ もうひとつのわが家へ」 私はステップボードで軽く体を動かしながら壁に貼ってあるこの文字を見ると、いつも思います。
―「ようこそ」か?

 一昨年の9月のこと。私に人生の「転機」というより「最大の危機」が予告無く訪れました。 長年にわたって続けてきた大好きな仕事に、 自らの手で終止符を打つことを決断させるほどの大きな出来事が起きたのでした。 ずいぶん考えました。でも、どんなに時間を費やしても、一度折れてしまった心を立て直すことはどうしてもできませんでした。 悩みに悩んだあげく、とうとう会社を辞めるという結論にたどり着いたのです。 1ヶ月ほどの時間を必要としましたが、会社に辞表を出しました。秋から冬へと季節も移ろい始めた頃の話です。 しかし、勇気をもっての行動でしたが次の仕事の当てはもちろんありません。 とてもお恥ずかしい話ではありますが、私はのほほんと再就職活動するための時間的余裕もなければ、 経済的余裕も全く持ち合わせてはおりませんでした。要するに、私は自分と年老いた病気の母が路頭に迷うことを知りつつ、 無茶を起こしてしまったのです。でも強がるわけではありませんが、不思議と後悔はしませんでした。 と言っても、現実は緊迫しているわけですから、何とか早く次の仕事に就かねばなりません。

 その思いは日に日に強くなり、焦るばかりでした。とにかく再就職するまではできるだけ出費を押さえなければ・・・ と家計を見直すことに集中しました。当然、生活することが優先です。 何を我慢しよう?いやぁ・・・仕方ない、これだろうなぁ・・・。 私の唯一の楽しみであるカーブスに通うことを断念せねばならなくなりました。 私にとってカーブスは、運動不足解消の場ということはもちろんですが、 「年を重ねても健康でいられるように」と、将来の自分への投資目的で通っていた健康維持・増進のための場所でした。 勤務のシフトの関係で月にすると6・7回のペースで通っていました。 カーブスに通うようになってから、食べることを極端に制限するという間違ったダイエットの方法を改めることができました。 健康診断で引っかかっていたコレステロール値も正常値に下がりました。 また筋肉の重要性も教えていただき、それを意識しながらマシンを動かすよう努力しました。

 カーブスにいる時間は、家のことも、仕事のことも全て忘れられ、自分に向き合うことのできる貴重なものでした。 考えることといえば「どう動かせば筋肉に効くのかなぁ。フォームはくずれていないかなぁ。」ということばかり。 本当に、心も身体もリフレッシュするにはもってこいの場所でした。 私にとってそんな大事な場所ではありますが止むを得ません。「退会」するしか方法はみつかりませんでした。 泣く泣く、退会を申し出て手続きを取ることとなりました。 「状況が良くなったらまた来て下さいね。」とコーチに言っていただき、 救われた気持ちになった反面、一層悲しくなったことは忘れられません。 生活が安定したら、まず、カーブスを復活させる!必ず、また来る!きっと来る!と心に誓いました。

 そんなこんなで、私は周囲より一足早く冬ごもりをすることになってしまいました。 退職してから3ヶ月ほどたってから、私はかつてと大違いの介護関係の会社に再就職することになりました。 しかも幸いなことに、働きながらホームヘルパーの資格を取ることができるというのです。 いよいよ私にも春が巡ってきたような気になりました。どこからか希望も力もわいてきました。 そうなるとじっとしてはおられません。錆付いた頭から、煙が立ち上るのではないかと思うほどフル回転させ、 一生懸命テキストを勉強しました。スクーリングにも積極的に参加しました。ホームヘルパーの資格を一日も早く取得し、 私の危機を救ってくれた会社に貢献したい、そして大好きなカーブスを復活させたいという一心で。

 ホームヘルパーの資格修得まであと少しというところまで来た頃、私の心の中では、 最初のお給料を頂いてからカーブスに行くという気持ちと、それまで待ちきれない気持ちと火花を散らして戦っていました。 私は決めかねている自分の気持ちを落ち着かせるために、思い切ってカーブスに行ってみることにしました。 退会届を出してからというもの、カーブスと同じ建物にある本屋さんにも行きませんでした。 私は、外に流れてくる音楽を聞くことすらも辛かったので、建物自体から足が遠のいてしまったのでした。 でも、その日は違いました。足取り軽く、すんなりと扉の中に入ることができました。

 ―こんにちは。
「ようこそ、由紀子さん。よく来てくださいましたね。お元気でしたか?」 聞きなれた口調でコーチの皆さんは私を迎えてくれました。 私は、現在の自分の状況と気持ちを全てお話しました。コーチは時間をとって私の話をじっくり聞き、 私の気持ちを察した上で適切なアドバイスをして下さいました。私はアドバイスのとおり、 はやる気持ちを抑えて3月1日から再開する手続きをして帰りました。

 その時の気持ち、想像できますか? また通うことができるのだと思ったら、嬉しくて、嬉しくて・・・。家に帰ると早速、 以前の会員証やバッグに靴・・・まるで子供のように準備して再開初日に備えていました。 約半年ぶりの3月1日、仕事の帰りにカーブスへ。久々のワークアウトは大丈夫かな?と思いましたが、 心配無用、身体はちゃんと覚えていたようで、しっかり動かすことができ、とても感慨深いものがありました。

 それからというもの、私は、都合がつく限り仕事帰りにカーブスに行くことに決め、習慣づけています。 正直、ちょっと面倒だなぁと思う日もあります。でも、カーブスに行きたくても行けなかった時のことを思えば 「今日もやっぱり行こうっと。」と思い直し、カーブスの扉を開けて、「こんばんは!」と素直に入っていけるのです。 ワークアウトした後の心地よさ。今日も頑張ったなぁという満足感で、カーブスを後にするのです。 3ヶ月前からはプロテインも飲み始めました。相変わらず、私の財布は慢性金欠病ではありますが、 毎日プロテイン貯金をしています。冬眠状態だった約半年の月日で、健康で元気であれば何でもできると認識したからかもしれません。 それに、ちゃっかり健康とダイエット、一石二鳥を狙ったりして・・・。 今後の課題も見つかりました。数ヶ月前の健康診断で、再びコレステロール値が高く指摘されました。 半年近いブランクが影響したと思われます。改善するためにもしっかりワークアウト行いたいと思います。

 「ようこそ もうひとつのわが家へ」 私には「ようこそ」よりも「お帰りなさい」の方が、ピッタリです。カーブスは間違いなく「もうひとつのわが家」です。 カーブスが、カーブスに戻りたい思いが、精神的にも肉体的にも私を支えてくれたからこそ、 つらい時期も耐えることができたのだと思います。 私を再び温かく迎えて下さったコーチの皆さまに感謝すると共に、通える喜びを噛み締めております。

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