私は五年前まで体重が82.4キロあった。
 

 全身重くて動くのが辛かった。血液サラサラ検査をしてくれる医院で検査を受けたところ、血液ドロドロ高コレステロール。心筋梗塞がヤバい!と言われた。
 脳血栓とか、いろいろヤバいですよ!と言われた。一見ヨン様似のイケてる先生から、とてもそのお口から出るとは思えない、恐ろしい予測を告げられた。しかし、どうしていいかわからない。とりあえず、テレビのダイエット健康番組で放送されて、やれそうなことをやってみた。そして5キロくらい落とした。そうこうするうち、何とか頑張って、10キロか11キロくらい痩せられた。

 

 70キロくらいになった頃、地元にカーブスが出来た。最初、息子に勧められて、あまりに太っている私を怒り、そこへ行け!とのきついお達しがあり、恐る恐るどんな所だろうと心配しながら、カーブスの扉を押した。
 通ってみると、スタッフさんは全員若い女性で、感じがいい。
 「美智子さん、美智子さん。」と名前で呼んでくれるのも有り難かった。間違っても「オバサン、オバアチャン。」なんて言わないし、苗字までも呼ばず、名前で一女性として扱ってくれる。ここはすべての年令問わず、老いも若きも、一女性として見てもらっていることを、自らも感じ取れるステキな場所だ。

 ダイエット目的で来たが、ここへ通ううちにロコモについて知った。私は生まれつきの右足が股関節変形症で、40代を過ぎてから痛みが出始めたので、病院で検査をして現実を知り、48才の時に人工股関節手術したので足が悪い。ボンヤリと、いつかは私も車椅子になるのかと思ったりします。なるべく歩ける限りは、自分の足で歩きたい。家族の負担になりたくはない。

 血液サラサラ検査に医者に勧められて、油分を取り過ぎず、DHA&EPAのサプリメントを摂取し、運動も必要というので、カーブスは丁度いい運動で良かった。水を取って運動し、血管内はサラサラになった。他人事で、寝たきり何年などというお年寄りの話を聞くと、そうはなりたくはないと思ったりする。
 本人はもちろん、一番辛いが、介護する家族も辛い。金銭的にも精神的にも辛い。カーブスでスタッフさんが、ロコモについて話してくれ、ロコモは恐い!と思った。
 しかし、ここで鍛えていれば、足腰丈夫になり、筋肉がついて、ロコモになりにくくなる。今ではダイエットの為より、とにかく日々の筋トレ運動として、ロコモに将来ならない為に来ている。

 

 血液サラサラを保ち、血栓が出来てしまったりしないようにして、脳血栓を防ぐこと、いつまでもいくつになってもこの生まれ持った2本の足で歩きたい。
 いつかピンピンコロリという生き方を書いた方がいることを知った。亡くなる直前までピンピンしていて、或る日、具合いが悪くなって、ほどなく、苦しまず、あまり周りを困らせもせず、コロリと亡くなる。そういう老後と死に方をしたいと、その書いた人は言っていたそうだ。その方の理想なのだそうだ。
 それは私も同感で、いつまでも元気で少女のような瑞々しい感性を保ち続け、大好きな手芸や刺繍を続けて、前へ進むことをためらわず、様々なことに挑戦し、ずっと歩き続けて、周りからも「おばあちゃんて元気ね。」と言われるようになり、そのうちコロリという具合に亡くなるというのが、私の願望だ。
 あまり息子や娘の負担にならず、本当にコロリ!という風に亡くなるのがいい。

 その為には、まだ若い今から、日々心がけないとならない。日々の積み重ねが重要だ。冷え症を直したいと言われて、通い出されたおばあさんが、時々トレーニングで出会うが、この頃若々しい。初めて会った頃より若返り、きれいになった。血色もいい。きっと改善されたんだと、私も嬉しい。たまに話すが、「頑張ろうね。」と励まし合う。

 

 先日、「若くなられましたね。きれいになられましたね。」と言ったら、喜んでくれた。何よりカーブスへ来ると、あまり暗そうにしてる人がいないのがいい。ポジティブな気持ちになれるステキな場所だ。理想のピンピンコロリを目指して、今日も私はカーブスの扉を開ける。