「最近体の調子どう?」「足が痛いね」「じゃあ、カーブス行く?」「やだ」これが、私と母の間で二か月に一度繰り返される会話です。母は二月で七十五歳になりました。おめでたいけれど、後期高齢者。心の健康は、孫たちとの会話で充実しているけれど、どうしても体の健康が気になります。昨年の秋には杖も登場しました。母は我慢強い方なので、「痛い」と口に出すほど、症状が重いのだろうな、と思うと心配でたまりません。
 何度となくカーブスの勧誘を拒否されるので、私も理由を知りたくなりました。母は、現役時代四十年間、電材会社に勤めていました。そこは、主にコンピュータや音楽用のケーブルを作っている会社です。母は、カール巻きという仕事を任されていました。足踏みミシンのようなペダルを踏むことで、まっすぐなコードに螺旋の渦巻きをつけます。硬く扱いにくいコードを扱いやすく加工するカール巻きは思った以上に足に負荷がかかったようです。
母の口から今まで知らなかった事実が話されました。右膝が変形しているのだと、もう、治らないのだということを。「医者が適当なことを言ったのだよ」と慰めたつもりが、「そんなことはない」と顔を真っ赤にして怒り出しました。長い間、治るという希望もないまま、痛みと付き合ってきた母にその日は、これ以上言葉をかけることはできませんでした。けれど、大病をしても、カーブスに通って毎日を元気に過ごしている先輩方を私は知っています。
今回の出来事で、母の悩みを知ることができました。そして、どうしてカーブスに行きたくないのかもわかりました。母はカーブスでハードな運動をすると勘違いしているのです。
カーブスを知っている私が、上手に伝えていくことが大切なのだと思いました。毎日私は、母に声掛けをしています。
「痛くても、体を動かさないと固くなってしまうよ」「少しでも歩いたほうがいいよ」と。全て私が今まで、カーブスのコーチに教わったことです。自分が知って「いいな」と思うことを他の人にも伝えていきたい。そして、心も体も健康な状態で毎日を過ごしてもらいたい、と思います。
 私はこれからも母をカーブスに誘うつもりです。興味を持ってもらえるような話し方、タイミングは何だろう?どうしたら腰を上げてくれるかな?と思うだけでなんだかわくわくしてきます。少しずつ少しずつカーブスのことを知らせていこう、まずはそこからだと思います。一歩を踏み出すことができたこと、そして、私を育ててくれた母の苦労を知ることができてよかったです。長期戦を覚悟で母の気持ちを十分考えながら、お互いがいい方向に進めるようにこれからも誘い続けたいと思います。