カーブスに入会し約半年が過ぎた頃、74歳になる母親に何気なく声をかけました。
 「お母ちゃんやってみようかな?」なんて、思いもよらない言葉にわれに返りました。
 次の瞬間「どうしよう。ひょっとして、これから私がずっと付いてやらなければあかんのとちゃうん?やばい...」

 その頃の私は、母の言葉、行動が嫌で逃げてばかりでした。
 自分の目の前で老いて行く母の姿をどうしても受け入れることが出来ず、避けてばかりいました。
 私がずっと仕事をしていたため、娘たちはおじいちゃん、おばあちゃんに育てられ、そのため子供たちにとっては、おばあちゃんのことを育ての母と慕い、本当によくしてくれました。私はそんな子供たちに甘えてばかり...、どんどん母から遠のいて行ったのです。

 母と一緒にカーブスに通い始め、やはり思っていたとおり、最初はおぼつかなくオロオロするばかり...。そんな姿にまたうんざりとし、「声かけんかったらよかった...」なんて思ったりしました。
 しかし、何回か行くたびに周りの方々の優しさ、特に先生方の優しさにふれる度、だんだん自分自身がとても恥ずかしく思えてきました。
 一番近くにいて支えてやらなければいけない私が、「いったい自分は何をしているのだろう?こんなことでどうするんや...」と気がつきました。
 それからは私が迷っているとき必ず、「さあいこか!」と母の方から声をかけてきます。私と二人でカーブスに行くことをとても楽しみにしているようです。
 母のただひとつの趣味である新舞踊も、「足がふらつくこともなく踊れる」と顔をキラキラ輝かせ話してくれます。

 カーブスとは筋トレだけでなく、忘れかけていた母娘の絆も取り戻してくれるすごいものだと...。
 「お母ちゃん長生きしてな。これからも一緒に行こな!」