「綾子さん、マシン重たくないんですか?」
バイセップ・トライセップからステップボードに移ろうとした時、
スタッフのEさんから掛けられた言葉に思わず出た言葉は
「えっ、重いけど?」
(何で?)という疑問符をくっつけた答え方を汲み取ってくれたのか、
「他のメンバーさんはマシンが重そうだな...というのがわかるんですけど...眉間にしわがよってたりとか。でも綾子さんが動かしているときはとても軽く見えるんです」
(あぁ...)Eさんの言葉に思わず心の中でうなずく。
「それはね、こうしているから」
わかりやすいように両方の口角に指をあてて上へグイっと持ち上げる。
「えっ?」
(なんですか?それ?)という言葉が返ってきそうな言い方に思わずにんまりする。
「眉間にしわをよせてやっているとマシンが余計に重く感じるから、
どんなに重く感じても顔は笑っているんだよ。それできっと重く見えないんじゃないかな?」
「はぁ...」
完全には納得できないかんじのEさんを残して、次のマシンへと移りながらニヤニヤが止められない。
(そうかそうか、そんなに軽々とやっているように見えるのか...)
入会して一年半が過ぎた頃に交わした会話。
これで、わたしはマシンの中でバイセップ・トライセップが一番好きになりました。
なんて単純なの?と思われる方もいらっしゃるでしょうが、人間ほめられるとやっぱりうれしいもの。
それでワークアウトも楽しくできる。それでいいんじゃないでしょうか?

 元来、人に「真面目だね」と言われる私の性格はきっと一生直らない。
それでもカーブスに入会してもうすぐ二年になる現在「楽しんで何かをする・ほめられれば素直にうけとる」ことができるようになった私がいます。

 カーブスに入会した頃はマシンの使い方を覚えるのに必死で通っていました。
体を動かすことが好きで、自分で言うのもなんですが割と勘もいいほう。スタッフさんにほめられるようになるまでそう時間はかかりませんでした。しかし、あるときマシンチェックの講習を受けたらヒップアブダクター/アダクターを
横から乗っていることに気がつきました。本来は正面から乗らなければならないのに...。
ガビョーン。
 大ショック!!マシンの使い方に慣れてきて油断していました。
この講習以来、ヒップアブダクター/アダクターは正面から入るように直すことができました。が、これは定期的に使い方をチェックしてもらわないといつまた同じことがおこるかわからない...そう考えた私は、一ヶ月に一回スタッフさんにマンツーマンで教えていただきながらフォームのチェックをお願いすることに決めたのです。
ですが一ヶ月に一回というのはなかなか難しい条件でした。私の通う瀬戸緑町店は、朝10時の開店とほぼ同時にマシンもステップボードも埋まってしまうほど混んでいます。特に月・水・金に混む傾向があり、土曜日も午前中だけだからなのか、なかなかの混み具合。火曜日は月曜日が祝日などで休みだとやっぱり混みます。これではとてもスタッフさんにマンツーマンでついてもらうことはできません。
そうすると一番のねらい目は木曜の11:30頃。それでも計測のある週は除かなければいけないのでチャンスは月に三回。これも幼稚園の行事でだめだったり、娘の発熱などで突然キャンセルにしたこともたびたびありました。それでもスタッフさんはいやな顔ひとつせず、熱を出した娘を心配してくれたり「また都合のいいときにやりましょう」と声をかけてくださいました。
今では一ヶ月か二ヶ月に一回のマシンチェックで楽しくワークアウトをしています。

 さて、「楽しく」続ける。これってとても難しいと思いませんか?
入会してもうすぐ二年。今ではなんとなく続けるコツみたいなものをつかんできたように思えますが、ここまでずっと楽しく続けてきたわけではないんです。
始めた頃は気分もノリノリ。(あぁ、体を動かすって気持ちいい!!)と思えてもマンネリ期はやってきます。
(なんとなく行きたくないな...)と思ったり、調子が上がってきたように感じてがんばりすぎて体調を崩してしまったり...。
(どうやったら長く続けられるの~?)
出てきた疑問は頭の中をグルグルグルグル...。
そんなときある本で知りました『脳はあきっぽくできていて三日坊主は当然である』
(え~、そうなの!?)
びっくりです。おどろきです。
そして、「続けるコツ」をその本で知ることもできました。
 

 「やる気」というのは無意識下にあって自分の意思では動かせない。でも、これを動かすための起動スイッチが4つある。
まず一つ目は「体を動かす」です。
頭で考えるとめんどくさく思えても、とにかくカーブスにいってみる、体を動かしてみる。そうすると脳が「あぁ、やるんだ」とだまされてやる気になる。
『朝、カラダを起こすから起きる。テレビを見て笑うから面白い。悲しいから泣く。カラダは反射。でもカラダが動くことで脳がつられる』んだそうです。
ん?笑うから面白い?ということは...。
笑いながらワークアウトをやっていれば面白くなるかも...。
そう思ってからワークアウト・ステップボード・ストレッチ中に《笑顔》でいることを心がけるようになりました。気分はまるでエアロビクスのインストラクターです。そして、この「エアロビクスのインストラクター」というのも実はスイッチのひとつでした。
 
 二つ目は「なりきる」です。
これは別の本で知ったのですが
『イメージがより具体的ではっきりしているほうが効果が早く出て、継続するパワーもわいてくる』そうです。私には「エアロビクスのインストラクター」になりきる他にも、なりきりイメージがあります。
最初は、前の店舗から一緒に移籍してきたメンバーさんの一人に言われた一言がきっかけでした。
「あなた、顔がモデルの何とかって人に似ているわ...」
なかなか思い出せない名前も周囲の助けもあり、それがモデルの『押切もえ』さんだとわかりました。
元々はショートヘアが主体で時々伸ばしたくなり、そのときも丁度髪を伸ばしていて同じくらいの長さだったから?それでも似ていると言われたのはとても嬉しかったです。
以前ならここで「なんて恐れ多い!!モデルさんに似ているなんて~」
と叫んでしまうわたしですが、このときは「じゃあ、とことん『押切もえ』になろう。」と思い、雑誌の切抜きをリビングにベタベタと貼りまくり「わたし『押切もえ』になる」と周囲にも言っていました。当然のことですが周りは失笑。(何言ってるの?)といいたそうなかんじです。そりゃあそうでしょう。以前の私なら友人に突然そんなことを言われたら(おいおい)と思ってしまいますもの。
さて、これで顔は具体的なイメージを決めることができましたが、Bodyのほうのイメージが決まりません。
ポスターを貼ろうにもイメージすべきポスターが見つからない...。
さんざん悩んだ結果、少し前に出版されていた藤原紀香さんの『紀香バディ!』を購入。顔は「押切もえ」さん。カラダは「藤原紀香」さん。ポスターを見ては表情筋のトレーニング・体のマッサージを毎朝やり...
実は、私は朝がすごく弱いんです。起きてすぐに家事にとりかかるとだらだらとやってしまうんです。なので、体操とお化粧をスイッチにしてそれが終わったら家事にとりかかるようにしました。これで朝の家事もスムーズに進めることができるようになりました。
カーブスに行ったときもひたすらイメージしながら笑顔でワークアウトとストレッチをするようにしました。
なりきる→だまされる→おもいこむ
そうやって脳をだましてカーブスに通っている私です。
 
 それから三つ目「いつもと違うことをする」です。
「いつもと違う場所」に行ったり、「いつもと違うこと」を味わうことで入るスイッチがあります。毎日カーブスに行くのはやっぱり疲れてしまいます。
それに、筋肉は一日二日休ませたほうがいい。というのはスタッフさんに聞いていました。なので別の用事を入れてみたり、幼稚園の行事なども照らし合わせて、一ヶ月の大体のスケジュールを組みます。あとは夏や年末年始の帰省時には、カーブスのことはすっぽり頭の中から消し去ります。
体調の悪いときや娘の体調などで行けないときも(ちょっと休めってことなんだな)と言い聞かせます。
だいたい週3日ぐらいのペースでカーブスに通いますが、そのペースが崩れても(今までやってきたことが全部無駄になるわけではない。そこからRestartすればいいんだから)と思えるようになりました。
 
 そして最後四つ目は「ごほうびを与える」です。
カーブスに通うのが当たり前。と思ってやっていると、テンションが落ちてきたときに(だめだな)と思ってしまいがちですがこれでは続かないことがわかって、まずは本に書いてあったとおり3回・7回・14回・20回目にごほうびを用意しました。
たとえば3回行けたらケーキを食べてよし。とか(笑)そして、カーブスに行けばスタッフさんがほめてくれる。なんて心強いんでしょう。マシンはスタッフさんに「綾子さん、スタッフ並に上手いです」と言われるほどになりました。
そして、マシンをほめられれば苦手なストレッチもやる気がわいてきます。

 カーブスに入会してもカラダの硬さは今もあまり変わりません。
マシンとは対照的にストレッチはスタッフさんに「ふふっ」と笑われてしまうぐらい体が硬いんです。それでも、スタッフさんに補助してもらうことで少しずつ、少しずつやわらかくなってきているんです...少し間があくと元に戻っちゃうんですけどね(笑)

 大きな変化は急にはおこりません。「三歩進んで二歩下がる」という歌詞を思い出したのはつい最近のこと。そして、「はじめの気持ちを思い出す」ことをこの二年の間に何度したでしょう?

 どうしてカーブスに入会したか。それは毎日を健康に過ごしたかったから。
みなさんはどうしてカーブスに入会されましたか?

 カーブスに入会するとMember Guideを頂きますよね?このガイドの後ろの方に「測定チェックシート」があるのをご存知のメンバーさんはいらっしゃるでしょうか?ご存知の方はそのシートを活用されていますか?
 確かに計測をすればスタッフさんが記録を残してくださいます。でもそれではただ数値が書き込まれただけ。計測をしない方もいらっしゃるはず。なぜでしょう?最近食べ過ぎたから体重が、サイズが増えているから。と敬遠してはいませんか?それでは変化に気づくことができません。そして、頑張ったからといってすぐに数値に出るわけでもありません。
私はカーブスに入会してから毎月の計測をかかさずするようにしています。
そして二年目の計測から、私は春先に体重が落ち、サイズダウンしやすいことがわかりました。それは毎月必ず計測していたからわかったことです。お正月明けの計測はやはり(いやだな。)と思います。でもカーブスを続けていくうちに(お正月にご馳走をたくさん食べて運動もしていないのだからそりゃあ増えますよねぇ)と思うようになりました。ちゃんと原因がわかっていれば計測もこわくありません。どうしてもいやだと思ってしまうなら計測をしたときにごほうびを用意します。結果が出ても出なくて、計測をしたことが"えらい!!"と思って、自分にごほうびをあげるんです。

 元々面倒くさがり屋な私。
体力がなく、睡眠時間は最低でも8時間ないとすぐに体調に現れ、よく風邪をひいて熱が出ると完全にダウンしてしまう私。それでも自分のペースでカーブスを続けるうちに、自分の体調をコントロールできるようになってきました。
上に書いたことは今でもやっていることですが、やってみて(これはできそうにないな)と思うものもたくさんありました。カーブスのワークアウトの他に筋力をつける体操が紹介してあり、それをやってみたことがあります。でもこれは長く続きませんでした。
やりはじめて少しすると体調を崩してしまったり、本来のマシンやストレッチをきちんとやらずに流してしまっていたり。これではワークアウトをやっている意味がない。そう考えて(とにかく基本をきちんとやろう。)と決めました。「無理はしない。マイペースで。」これもカーブスが教えてくれたことです。それでも、やったことは無駄ではありません。「自分に何が合っていて、何が合わないのか。」必要なものと不必要なものを明確にしてくれたからです。

 もうすぐ春が来ます。食べていても体重が減ることが判っている三年目の春。
春から夏、体重が落ちて体調を崩しやすくなることもわかっています。今のうちに体重と筋肉を増やして、今年の夏こそはベストプロポーション。ベストコンディション!!
...あくまで目標。達成できなくても落ち込まない。それがずっと続けていくコツでしょうか?

 カーブスに入会して、少しずつ変化してきた私の毎日。イメージカラーはピンク&ゴールド。カーブスに向かう車の中で流れるミュージックはクラシック・ショパンの「英雄ポロネーズ変イ長調Op.53」。今までクラッシックに縁のなかった私の生活にクラシックが取り入れられたのが一年ほど前のこと。
 もともとは義父のクラシックCDだったらしいのですが、夫がこちらに来る際、大量に頂いたものを今では私が聞いています。最初はすぐに飽きてしまうかも...と思っていましたが、ウインナーのCMで使われていた曲でヨハン・シュトラウスⅡの「美しき青きドナウ」をきっかけに聴けるようになりました。
いまでもこれを聴くとウインナーが跳ねる映像が浮かんできて笑ってしまいます。そして、「英雄ポロネーズ変イ長調Op.53」は昔流行ったアニメ「タッチ」のヒロイン・浅倉南ちゃんが新体操で使っていた曲です。といえばわかっていただける方もいらっしゃるでしょうか?年代がわかりますね(笑)
 クラシックは日常の生活でも聴くようになりました。朝起きたらかける曲。家事をする時に聴く曲。どちらかといえば家事は苦手なほう。以前は集中しすぎて、ふと気がつくと真剣な顔でお皿洗いをしていた私が、CDをかけることによってゆったりとした気持ちで、笑顔で楽しく家事をすることができるようになりました。

 カーブスの扉を開けるとき、私は呪文のようにこう唱えます。
「顔は押切もえさん、体は藤原紀香さん」
そして、カーブスでワークアウトをする時は『今日もSMILE』です。

 さて、ここまでお話したことは私の"レシピ"です。どんなに「これ、いいよ」と言われたものでも、必ずあなたに合うとはかぎりません。どんな方法が自分に合っているのか、どうしたら楽しくなるのか。答えは自分自身の中にあります。少なくとも私はそう思います。これを読んで(ちょっとやってみようかな?)と思ったり、始めるきっかけになったのなら嬉しい限りです。
これを読んでくださった方が、小さな良い変化に気づいて喜べるようになりますように...