「最低10キロは落としたいです!」これはカーブスでカウンセリングを初めて受けたときに、私が提示した目標だ。当時の体重67キロ、体脂肪37%。今思うと、われながらずいぶん大それたことを言ったものだと赤面ものだが、「ちょっと頑張れば、体重なんてすぐに落ちる」と信じていた。その場で入会を決めて、週3回ペースで通い続けた。
 

 そしてカーブスに通い始めてもうすぐ1年になるというときに、子宮筋腫になっていることがわかった。不調を感じながらも放っておいたツケから手術はどうしても避けられない状況で、数日はひとりになる時間があると泣いて過ごしていた。2007年夏のことである。重病患者が優先される状況において、命に別状のない私の手術は延び延びになり、なかなか話を切り出すことができずにいたが、いよいよ手術日が決まって事情を説明したとき、「手術が済んだら、ぜひまた戻ってきてくださいね」とスタッフの方から優しい言葉をかけられて、涙が出そうになったことを今でも覚えている。その時の体重65キロ、1年近く通ってもこの程度しか減らすことしかできなかったのは、「運動しているし、少しくらい食べても大丈夫!」という甘えがあったから。この時点で、長時間かけて増えてしまった体重は、ちょっと頑張ったところで簡単には落ちないと思い知らされた。思うように減らない体重と手術をしなければならないほどの大病、ふたつの悩みが自分にのしかかったほろ苦い2007年の夏...。今思い出しても、胸が締めつけられる。
 結局、子宮と片方の卵巣を摘出する手術の末、2週間の入院生活を経て、さらに2週間の自宅療養を課せられた。この1ヶ月の過し方が後々私を長期間苦しめることになるのである。手術前から続いた2日半の絶食から一転、術後は「体力回復のために、とにかく食べなさい」と言われ続け、病院から出されるどんぶり飯を毎食調子に乗って完食していた。さらに悪条件は重なるもので、開腹手術を受けているため運動らしい運動はまったくできず、痛むお腹を両手で押さえながら病院の廊下をゆっくり往復するのが精一杯。自宅に戻ってからも食べては寝るの繰り返し。これでリバウンドしないわけがない。術後初めての外来でやっと運動の許可が下りて、まず私が向かったのはカーブスだった。体重を量らなくても身体の重さは自覚していたし、早く身体を動かしたくて仕方なかった。運動嫌いの私が身体を動かしたくて仕方ないなんて、カーブスに入会する前の自分では本当にあり得ないことで、思わず苦笑いである。「よく戻ってきましたね。また一緒に頑張りましょう!」温かくスタッフの方が迎えてくれたのが、嬉しかった。
 

 こうしてカーブスに復帰した当時の体重67キロ!!なんと術前どころか、カーブス入会時と同じレベルまで増加、リバウンドの恐怖を知ることになった。同じ1キロでも増やすのと減らすのでは、全然違うことを思い知らされた。入会時の目標10キロ減、再びゼロからのスタートである。体脂肪率にいたっては入会時の数値以上の40%を経過するというめまいがしそうな数字になっていた。
 再入会から1ヶ月後、体重1キロ、体脂肪率1%逆に増えていることを知った。2ヶ月後には体重がさらに1キロ増えていた。再びリバウンドの現実と向き合うことになり、ただただ落ち込んだ。経験者ならわかると思うが、一度リバウンドすると以前よりも減らしにくくなる。「こんなにやっているのになぜ減らないの?」とジレンマに陥ってしまうのは、もはやお約束みたいなもの。多くの人はここで諦めてしまうと聞く。努力してもまったく数字に表れない苛立ち、私もそんな苛立ちとも格闘しなければならなくなった。今ではもう時効が成立するだろうから(笑)白状するが、モチベーションが低下した状態ではカーブスに行っても全然楽しくなく、退会さえも考えた時期だった。でも思いなおした。私は自分で納得できるほどはやってない、まだやれるはず。退会するのは万策尽きたときでも遅くないと。これが退会を思い留めた理由である。同時に「運動している分、これくらい食べても平気」という甘い考えを捨て、心を入れ替えた。そして「時間をかけて太ったのだから、落とすのは太ったとき以上に時間がかかるもの」と開き直りもした。やっとリバウンド分を取り戻したのは、再入会してから3ヶ月後だった。それから増えたり減ったりを繰り返しながら、現在58キロ台、体脂肪率も34%台というところまで落とすことに成功したのである。これで入会時の10キロは落としたいという目標にほぼ近づいたことになる。
 

 こうしてリバウンドとの戦い勝った私に、今度は五十肩という新たな敵が現れた。五十肩を発症してもう1年以上になるが、今回はカーブスを退会しようとは思わなかった。片方の肩を故障していても、もう片方は十分機能している。それなら当分の間、丈夫な方を鍛えればいいだけのことだ。リバウンドとの戦いは2年以上続いた。おそらく今回の五十肩も同じくらいの時間がかかると思っている。リバウンドとの戦いを制した経験は、少しだけ私を精神的に強く成長させたようだ。これからも何か困難なことにぶつかることがあるだろう。でも以前より少しだけ強くなった私なら、それらを乗り越えられるという自信がある。諦めたら、そこで終わり。転んだら、また立ち上がればいい。そう思えるようになったのはカーブスのおかげだ。入会時の目標にほぼ達成した今、さらに新たな目標を目指し、常に挑戦者でありたいと思う。
 

 最後にいつも温かい目で見守り続けたカーブス府中駅前店のスタッフの方々に、ありがとうと言いたい。私ひとりではとてもここまでは頑張れなかったはずだ。また今さまざまな病気や怪我と戦いながら、カーブスワークアウトを続けている全国の会員のみなさんに、心からエールを送りたい。「継続は力なり」今はつらくても、いつかきっとあなたにも勝利の女神が微笑む日が来るだろう。