私の午後は家とは目と鼻の先にある「宮前ふれあいの家」(通所介護施設)での1時から3時までの2時間の歌のボランティアから始まる。当時は5、6年も出来たらと思っていたが6年過ぎた今では、1年でも長くお役に立ちたいと思いながら歌っている。その気力の元は、2年前の2月に入会したCurves西荻北でのフィットネスの賜物のほか無く、Curvesは今では私の生活と、切り離せないものとなっている。
 ボランティアを始めたきっかけは、長年在団していた女声合唱団が、活動を停止。長年厳しい指導を受けてきたので、これを機に経験を生かして、何かボランティアが出来ないかと考え、思い切って目の前の「宮前ふれあいの家」へ出かけて相談し、見学させて頂き、認知症の人達が相手でよければとのお話を頂いた。認知症の人達と言うと何か暗いイメージを持たれるけど、此処は東南に面した大変明るい部屋で、介護の職員たちも生き生きと明るく仕事をされていたのが印象的だったので、即座にOKし、早速週1度職員の方達とご一緒に、歌わせていただくこととなった。歌は懐メロ、流行歌、小学唱歌、童謡、抒情歌と多岐に亘り、1冊40曲の歌詞カードが入ったファイルが4冊、毎回その中の1冊を担当職員が選んで歌の会が始まる。歌が好きで全曲歌われる方もいらっしゃるけれど、下のお世話があるのは当然の事として、帰りたい帰りたいと言い続ける人、ふらふら立ち上がってうろうろされる方など、様々な行動を取られる人達に対して、目配り気配り怠り無く、咄嗟に対応される職員のご苦労は一方ならず、少しでもお役に立ちたいと思いながらの毎日、歌のテーブルに付かれる通所者は10人前後、週1回のつもりが、後2、3回来ていただけないかとのお話となり、結局週4回となって2時間でファイル1冊40曲を殆ど歌い切ってしまう。
 ボランティアが済むと、歩いて20分のCurvesへお買い物方々出掛けるので、私の棚には大根や人参が入る事となる。生来頑健な質ではなく、カゼを引きやすかった私が、カゼをこじらせて超を幾つ付けても足りないほどの全身冷え性になったのは十年以上も前のもと。東洋医学に限ると鍼灸に通ったが効き目なく、かくなる上は自力でと、歩いたりストレッチを朝夕したり必死の毎日、私の60歳台は冷え性との戦いだったと言える。知人のマッサージは効き目があったけれど中断、マッサージが効くことがわかったので思案の末に商店街の中の整骨院(カイロプラクティス)に行ったのが4年前の春、買い物ついでに治療をして頂いて、不調のどん底から立ち直りかけた夏のこと、胸に只ならぬ痛みがあり、掛かりつけの医院に行った所、心電図を取られ「正常ではありません、心筋梗塞です」との診断、一瞬「死」の文字が頭をよぎる。冠状動脈が詰まっているので、コレステロールの検査をして、3ヵ月後にもう1度検査をして、コレステロールの値が高ければ下げる薬を出しますとのお話に、3ヶ月は命を保障されたと、少しホッとした。
 秋にはコレステロールの薬も頂く事となり、狭心症と病名も頂いた。強い痛みは1回限りだったが軽い痛みは続いていて、これは心筋梗塞の後遺症と言われながらも渋い顔の先生、狭心症の治療法とてコレステロールを下げる事と血栓防止のお薬を飲む以外はなく、歩くのは既に目一杯歩いている毎日だったので、カイロプラクティック以外に何か心肺機能を強化する方法が無いかと、あれこれ良いと思われる事を試みているうちに、胸の痛みと全身の冷えには居座られながらも、多少体力が付き、何か運動をしてみようかな、と思う様になった折も折、行きつけのブティックで、Curvesのパンフレットが目に入ったのである。運動をしようかな、と思っていたが、激しい運動はアウト、皆で一斉にするのもとてもじゃない、あくまでもマイペースで20分位と、大変虫の良い、夢のような希望であった。ところが「ここは30分で自由だそうですよ」と言うブティックのオーナーの説明に、どの様なものかとおもしろ半分にパンフレットを持ち帰り、目を通して見る。時間が30分と10分長い以外は、肩こり、冷え、カゼ、疲れ、心肺機能に効果と私の状態にピッタリの内容に、半信半疑で入会を申し込んだ。もし心臓に負担がかかる様なら直ぐ止めねばと思いながら。
 運動の前にカイロの治療を受ける事によって、週3回通う事が出来たのは幸運だった。心臓の痛みは入会後何時の間にか消えて、問題の一つはクリア出来たが、その年の秋の検診で冠状動脈が1本細いと言われ、1本が2本、3本になったらどうしよう、そうはなりたくないとの思いでフィットネスを続けていたところ、2年目の昨年秋には、異常ございませんと告げられ、運動をしていらっしゃるのですね、という言葉に本当にCurvesが効いたのだと、嬉しくなった。冷えのほうは入会当時は長袖のTシャツで他のメンバーさんのように、何時になったら半袖でトレーニングが出来るかしらと思う毎日だったが、今では半袖で汗をかいてルンルン、この冬の寒さは寒い寒いと言いながらも平気で動き回り、カゼも全くひかず、お医者様と人間の治癒力はすごいですね、と話合っている。最初にパンフレットを置いてくれた店のオーナーも、お客様の中でCurvesに行っている方は、他のお客様と全然違う、Curvesは人助けの処だといわれ、生活範囲内にCurvesがある私は、何と幸せなことかと思わずには居られない。