昔から、結婚式のスピーチでよく使われる言葉です。「上り坂」「下り坂」そして「まさか」どんな時にも、2人で力をあわせて乗り越えなさい、この例えに使われています。

 結婚してもう52年。金婚式も過ぎ、ひ孫にも恵まれ、3月末までの私の仕事(学校図書館の司書)が終わったら、ゆっくり旅行にでも行きましょうと、話していた時の「まさか!」でした。

 今まで「上り坂」もあり、「下り坂」もありましたが、特に波乱もなく過ごしてきました。その「まさか!」。1月半ばに主人が倒れました。すぐに救急車を呼び、緊急入院・手術。「脳梗塞」でした。かなり重症。右半身は動かず、そして「失語」......。

 救急車に同乗する時に、ケータイを持ち、財布を持ち、ケータイの充電用コードを持って行ったのはえらかった!冷静だったと今は思っています。長い長~い手術中、待機の部屋で1人待つ身‥つらかったです。何時間も、何時間も手術が終らない。

 とりあえずケータイで娘たちに連絡を入れ、それからは、どうしたんだろう...あまり覚えていませんが、とにかく充電しつつ、ずっとケータイであちこちに連絡を取っていました。

 手術が終わり、先生と面談。「首すじの太い血管が詰まってましてねえ。こんなにプラークが取れましたよ。」と試験管の様なガラスの管に入った、赤い小さなかたまりを見せてくれました。「まだあちこちつまっていたりしますが、血管が細くて取りきらないです」と言われました。「しばらくは様子を見ないといけないです」とりあえず、帰宅しました。入院の書類をたくさん書いたことは覚えています。

 それからは、仕事を2人組んでやっているので、相方に勤務を代わってもらったりしつつ、娘2人と私の誰かが、毎日見舞う日々が続きました。もうだめかもしれない...と、はじめは思いました。1ヶ月もすると落ちついてきましたが、それまでは、1人の時にふとしたことで、涙ポロポロ、声をあげてワーッという日もありました。

 あとで笑い話というか...娘たちには叱られたのですが‥とりあえず葬式代を引き出し、近所の葬儀社へパンフレットをもらいに行きました。
1ヶ月すぎ、リハビリ病院に転院しました。それからは、状態も落ち着き、やっとどうにか「私」のことはわかっているようだとわかり、ほっとして少し気持ちにゆとりが出てきました。
 
 そこへもうひとつ「まさか」入院していた主人の兄が亡くなりました。二世帯住宅で、2階に私たち、階下に義兄夫婦が暮らしていました。我が家のことで、手いっぱいで、入院した事は聞いていましたが...まさか...。残されたのは、少し記憶が続かなくなった義姉。子供のいない夫婦です。

 さあ、これからどうする?主人の妹と、義姉の姪御さんと、私と3人で話をしている時に、義妹も義姉の姪もカーブス仲間とわかり、びっくり!しました。それまで2ヶ月間、バタバタでカーブスに通えず、筋肉が落ちたのがわかる、体力がなくなったのがわかる、腕のつけ根がたるんできたのがわかる、おなかが...体重は減ったけど...ぷよんぷよんになったのがわかる状況でした。

 そうか!カーブス仲間か!これをきっかけに、久しぶりにカーブスへ行きました。ちょうど計測日でした。名前を呼ばれ、振り向くと、「え~~!」学校で給食を一緒に食べている講師の先生でした。「あなたもカーブスなの!」カーブス、おそるべし‥いや、カーブスってすごいです。思わぬ場面での、カーブス仲間に力づけられ、久しぶりのカーブスも思った程つらくはなく、これなら1ヶ月くらいで元に戻ると確信しました。
 仕事仲間、娘たち、たくさんの人に気遣われ、やさしい言葉をかけられ、話を聞いてくれて...たくさんの人に支えられているんだと実感しました。さあ、時間作ってカーブス行くぞ!カーブスの仲間にも励まされ、放りっぱなしだった自分の体を立て直さないと、健康でいないと、と気持ちが前向きになりました。
 昔、図書館の授業で使った、鴨長明の「方丈記」「行く川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」を思い出し、そうか、いつまでもこのまま、この状態で...ということはないのだ。時は流れ、季節は移り、人もまた...と、改めて今までの人生を思い出し、考える時間を持つことができました。

 さあ、これからどうする?
一休さんの名言
「大丈夫。心配するな。何とかなる」を思い出し、カーブスを楽しみつつ、体を元に戻し、仲間と語り合い、これからに向けて、前向きに、自分を大事に、健康を維持し、少しでも長く、行きたい所に自分で行くことができ、友と楽しむ時間をたくさん持つこと、これが、今後の暮しの元になると確信しました。手帳にメモした「カーブスに行く」が、増えるように。3月でリタイアし、4月からはきちんと通えるようになるでしょう。

 しかし、カーブス、おそるべし!いや、すばらしい。話さないだけで、カーブス仲間がたくさんいるのですね!
 あしたの自分のために、今日、小さな努力を!