あなたと初めてお会いしたのは子供達の塾でだったと思います。楚々としていて、いつも穏やかでフワッとまわりをオブラートで包みこむ様な方でした。子供達が同じ小学校を卒業しカーブスでもお会いするようになりました。会えば子供達の悩みの相談ばかりでしたね。
痩せているのになぜ通うの?と聞くと「痩せているようにみえて、お菓子が好きなのでお腹がポコッと出ているのよ」とニコッと笑いました。とてもその様には見えませんでした。
その当時10時開店前から並び、聞くと同時に階段を4階まで一気に駆けあがる60代の人達の中にまじって40代後半の小柄なあなたがいるのをコーチは不思議に思ったそうです。私はすごい圧の朝の時間にめげ夕方の人のいない時間に行くようになり、時々用事で行けない時に朝に行くとあなたにお会いしました。「知っている人もいないのにこの中で大丈夫?」と声をかけると「うん、でもね、顔見知りになると皆さん自分で作った野菜を食べきれない程くれたり、なんだかんだとお裾わけってくださるの」と微笑んでおられました。はじき飛ばされてしまうのではないかと心配していたら中に入って娘の様に可愛がられているのも人望だと思いました。
その当時、コロナの前、体力測定という楽しいイベントがあり、腹筋、片足上げて何回立ったり座ったりできるかなどを測る時があり、彼女は体前屈で驚異的な数字をたたき出していました。普段のトレーニングは勿論、何事にも真剣に真面目に取り組む方でした。

 何年か経ち、近くのスーパーへ行く途中ニット帽を被った似ている人を見かけ、人違いかなと思いましたが声をかけると彼女でした。乳癌になり1つの抗癌剤が効かなかったので又種類を変えて攻撃してみるとの事。人によって合う合わないのある。それを何もなかったかのように淡々と話すのです。薬の種類によって、とても具合が悪くなって買物に行けなくなるとポロッとこぼされたので「いつでもメールくれたら代わりに買物行くよ」と言ったのですが一度もくださいませんでした。そして「カーブスのコーチが時々電話くれるの」とその時だけ少し微笑んで治療で肌色が濃くなった横顔が輝いて見えました。

 この事を書くのに相談したコーチに、病気がわかって一度退会してから2018年に再入会しているのを初めて教えていただきました。彼女の真の強さ、前向きな姿に、コーチも私も衝撃を受けました。小柄な体のどこにそんな闘志があふれていたのでしょう!
緩和ケアで仕事場などから「仕事より療養に専念して」と言われる社会的孤立が1番の患者の痛みだそうです。療養してくださいと切り離さず、やめた彼女に何度もお声がけをしていただき生きる力を引き出してくださったコーチ達に頭がさがります。

 先日計測に行くとイオンの頃からの知っている人が4、5人いらっしゃいました。聞けば彼女の事を覚えていらっしゃると思います。10年以上も前の事なのにはっきりと彼女の事を覚えられているコーチ、その人達の心の中であなたはまだ生きています。

 疲れたから、めんどくさいから今日は筋トレ休んでしまおうでは彼女に顔向けできません。再入会した彼女を想えば何でもできますね。さあ、お教室へ行きましょう!