「峰子さん、今日も来れましたね!」
そう言って満面の笑みで迎えてくれるのは、いつものコーチ。名前を呼ばれるだけで、なんだか心がふわっと軽くなる。日々の忙しさやちょっとした疲れを忘れさせてくれる、そんな魔法のような場所―それがわたしにとってのカーブスだ。

 カーブスは、1回30分という短時間で全身を動かせる運動施設。わたしのように運動が得意ではない人でも、気軽に通えるのが魅力だ。ジムにありがちな「ガチ感」や緊張感がなく、入った瞬間からどこか安心できる空気が流れている。

 特にコーチたちの存在が大きい。
「その動き、すごく良いですよ!」「姿勢がきれいです!」
そんな風に声をかけてくれるのが嬉しい。コーチたちは、必ず姓名でなく下の名前を呼ぶ。そして笑顔で励ましてくれる。言葉は魔法だと思う。名前で呼ばれるだけで、自分がここに"いていい"と思える。小さなことだけれど、それが通い続ける理由のひとつになっている。

 もちろん、ただ優しいだけではない。フォームが崩れていれば「ちょっと背筋を伸ばしてみましょう」とやんわり指摘してくれる。頭ごなしではなく、優しく導いてくれるその姿勢に、わたしはいつも感動する。正しい動きに導かれながらも、気持ちはずっと前向きなまま。これがカーブスマジックなのかもしれない。


 運動は苦手だったわたしが、週に何度もここに足を運べているのは、身体の変化もさることながら、心がほぐれる瞬間があるからだ。例えば、待ち時間に一緒に待つ他の人と話す何気ない会話。「今日はいい天気ですねー」「あのストレッチ、けっこう効くわね」―そんな言葉のやりとりが心地よい。ここには女性しかいない。年齢も体型もバラバラだけど、みんな自然体で、どこか柔らかい雰囲気が漂っている。年代も背景も違うけれど、ここではみんなが同じように笑顔で、励まし合いながら運動している。その光景は、ちょっとした奇跡のようだ。

 そして、30分の運動が終わったあとは、驚くほど心がスッキリする。汗ばむほど激しいわけではないのに、全身がポカポカして、気持ちまで軽くなる。「今日も自分を大事にできたな」と、ちょっとした誇らしさを感じるのだ。

 家に帰って鏡を見ると、ほんの少し顔色が明るくなった気がする。あの日の自分より、今日の自分の方が少し好きになれた気がして、また来ようと思う。

 「峰子さん、また待ってますよ!」
その声が、またわたしの背中をそっと押してくれる。

 カーブスは、ただ運動をする場所ではない。
コーチの優しさ、一緒に運動する人たちのふれあい、自分の小さな成長―
そのすべてが、わたしにとっての"癒しのモーメント"だ。

 ありがとうございます。