「由香さーん。ゴールドカードが届きましたよ」
いつも元気なカーブスのコーチから声がかかりました。手に取ったゴールドカードに思わず笑顔がこぼれました。
 
 2018年10月、夫を亡くした私は深い悲しみに包まれ、自分の殻に閉じこもっていました。しかし、偶然訪れたショッピングモールでカーブスのコーチに声をかけられたことが転機となりました。その日はアンケートに答えるだけで終わりましたが、「少し余裕ができたら考えよう」と心に変化が生まれました。
45歳だった私は、夫を失った悲しみから笑顔を失い、自分自身を見失っていました。しかし、「このままではいけない」と子どもたちのためにも前向きになる努力を始め、「100歳まで生きる」と宣言しました。この言葉は単なる目標ではなく行動への決意でした。
「スポーツジムに通う」など新しい挑戦をリストアップし、数ヶ月後、カーブスの体験に参加することを決めました。

 施設を訪れると「こんにちは!」という明るい声と女性だけの安心感に包まれました。特に嬉しかったのは下の名前で呼ばれること。「由香さん」と呼ばれる温かさは、大人になってから忘れていた感覚でした。娘にも後押しされ、「月10回、1年続けてみよう」と決意しました。最初は慣れず苦戦しましたが、火曜日の仕事帰りや平日の休みに通うルーティンを作ることで習慣化できました。季節ごとのイベントも楽しみになり、次第に笑顔が戻りました。娘から「最近お母さん生き生きしているね」と言われた時は嬉しかったです。
体力がつき風邪を引きにくくなり、自信が湧いてきました。そして新しい挑戦への意欲も芽生えました。親友からピアノの発表会への誘いを受けた時、不安ながらも「やりたいことリスト」に「ピアノ演奏」があったことを思い出し挑戦することを決めました。楽譜を手渡された時点で発表会まで3ヶ月。家で眠っていたキーボードで毎日練習しました。右手と左手がうまく動かず挫折しかけましたが、「どうしたらできるか」を考えながら練習することで少しずつ弾けるようになりました。この経験は自分自身への挑戦心を育む大切な一歩でした。
 
 あれから6年。現在も週2~3回ペースでカーブスに通い続けています。ピアノはレッスンには通っていませんが、発表会で弾いた曲を忘れないよう毎日キーボードに触れています。また、新たな挑戦としてバレエのバーレッスンにも通い始めました。木曜日はカーブスで体を温めてからバレエレッスンへ向かう習慣が続いています。

 カーブスで学んだ「一歩踏み出す勇気」は日常生活にも影響しています。「遅すぎる」という言葉はありません。「どうしたらできるか」を考え、小さな一歩でも踏み出すことで可能性は広がります。その積み重ねが人生を豊かにしてくれるのです。
振り返れば、あの日ショッピングモールで足を止めた瞬間が私の「ゼロからイチ」の始まりでした。その小さな一歩は家族や周囲にもポジティブな影響を与えています。そして今でもカーブスで聞く「由香さ~ん。こんにちは!」という声は私に元気を与えてくれます。
人生には困難や悲しみがあります。しかし、一歩踏み出す勇気さえあれば、それらを乗り越える力になります。一歩ずつ進むことで新しい景色を見ることができ、新しい自分と出会える。その大切さをこれからも忘れず、大切な人々と共有していきたいと思います。

 先日コーチに「ゴールドカードの次は何ですか?」と質問したところ「10年通えばプラチナカード、1000回通えば記念Tシャツ」がいただけると教えてもらいました。現在760回通っているそうです。次なる目標は「1000回通う!」です。「由香さ~ん、こんにちは!」この声を聞きたくて。