私が、中学校教員を退職後カーブスに入会して16年目になりました。

 入会のきっかけは膝の不調でした。仕事上1日ほぼ立ちっぱなし、放課後は生徒と共に動き回り、行事では生徒と一緒に走ったり...と、自分の体力には自信がありました。それが退職して半年ほど過ぎた頃、右膝に違和感を感じました。でも痛みもなく、正座もできるので、あまり気にせずにいたのです。ところがある日、階段を降りようとして、膝が強張ってうまく曲がらない。正座をすると明らかに右の方が腫れて高くなっている。さすがに驚いてすぐ整形外科を受診しました。
 変型性膝関節症。「膝に水がたまる」とよく耳にしていましたが、正にそれでした。先生から「すり減った軟骨は元に戻りません。膝を支える筋肉をしっかりつけなさい」と言われ、治療の後、リハビリに通うことになりました。周囲の人からは「水を抜いてもまたくり返すよ」と言われ、気持ちが暗くなりました。長年やってきた茶道もできなくなるのか不安でした。

 そんな時、近所のHさんに会いました。彼女は毎日ウォーキングをしていました。目的はダイエット、確かにかなりスリムになっていました。でも彼女曰く「歩くだけでは体重は落ちないの。筋肉をつけることが大事」と。実は結婚式を控えた娘さんに、カーブスに入会させられたのだそうです。
 「筋肉をつける」という言葉が強く響きました。早速、翌日一緒にカーブスに連れて行ってもらいました。そこでコーチから説明を聞き、計測をしていただき「まずお試し期間で体験を」と言われ、「いいえ、今日入会します」と即断しました。優柔不断で何を決めるにも時間のかかる私が、夫にも相談しないでその場で決めてしまったのです。
 それからほぼ毎日Hさんと誘い合わせてカーブスに通いました。マシンにはじきに慣れました。この程度の運動で本当に筋肉がつくのだろうか、と内心半信半疑でした。でも体を動かすことはとても楽しく、汗をかくのも気持の良いものでした。

 カーブスに通い始めて2週間くらい過ぎて、月始めの計測がありました。「久江さん、もう成果が出ていますよ」とコーチに言われました。体重、腹囲、ウエスト等、ほとんどの数値が下がっていました。ほんのわずかの変化は誤差のうち、と思っていたのですが、毎月計測するたびに、数値は戻ることなく体が引き締まっていたのです。
 筋肉をつけて膝の故障を再発させない、というのが大きな目的でした。でも実はもうひとつやせたい、という気持ちもありました。私はどちらかというとやせ型だったのですが、年と共に太りだし、毎年の健康診断のたび、少しずつ増え続けた体重は、気づけば見たこともない数字になっていました。何しろ成長期の中学生と同じ量の給食を平気で完食していたのですから無理もありません。在職中もやせたい、とジョギングやウォーキングに励んだ時期もありましたが、効果もなく、いつのまにか諦めてやめてしまっていました。それがたった30分の運動でこんなに成果がでるのか、とうれしい驚きでした。

 リハビリは終わり、カーブスに通ってからは正座も苦にならなくなっていました。半年ほどたった頃、お点前をする私を見て「久江さんやせたんじゃないですか」と言われました。数字の変化はわずかでも、見た目まで変わる程成果が出ていたのです。
 入会して1年が過ぎた頃、念願だった友人の登山グループに入れていただきました。彼女達は20代から活動して、百名山を踏破した人もいるし、海外にも出かける本格的な登山仲間でした。気楽な山歩きと思っていた私はついていけるか不安でした。まずは足慣らしの日帰り登山として妙義山へ登りました。初めてのことで私は初心者向きのコースへ行きましたが、何とか落伍せず最後までついて行くことができました。その後は宿泊する山や冬の雪山へも参加させてもらえるようになりました。筋トレをやっていてよかった、とつくづく思いました。

 気づけば15年が過ぎました。膝の故障は再発していません。ひとつめの目的は達成できました。そしてふたつめの減量、体の引締めもできました。最近は数値の変化はほとんどなく現状維持です。でもコーチの言うように「年をとっていくのに現状維持ができているのは立派な成果ですよ」だと思っています。
 もうひとつうれしいことがありました。メンバーさんから「姿勢がいいですね」と誉められたのです。思いがけないことばでした。私は猫背で、気をつけているのですが、つい背中を丸めていたのです。でも常に姿勢を意識することと、やはり筋肉がしっかり支えてくれることで良い姿勢が保てるのでしょう。
 さらにもうひとつおまけがあります。犬の散歩だけは毎日していた夫が、愛犬の死後、全く運動らしいことはしていませんでした。それが毎日楽しそうに通う私を見て、「オレも運動しようかな」と、カーブスの近くのジムに入会したのです。ジムで筋トレやストレッチなどを始めると効果テキメン、「どこか悪いのか?」「病気でもした?」と言われるほど引き締まってきたのです。そして誘っても「登山はしない。でも尾瀬なら行く」と、何回かツアーに参加することができました。
 
 コーチからは「毎日では疲れてしまうので筋肉を休ませた方がいいですよ」と言われるのですが、朝の家事を終えた後はカーブスへ行くのが習慣となっています。そこで、毎日チャレンジハードでなく、今日は軽めに、というようにしています。
 私は特に大きなけがや病気をした訳ではありません。また劇的な成果があったとも言えないかもしれません。(体重5kg、ウエスト10cm、腹囲10cm減は大きい?)でも他のメンバーさん達も見た目だけでなく、「腰痛が楽になった」「肩こりが軽くなった」というような小さな成果に喜び、「いつまでも自分の足で歩き、元気に過ごしたい」という目的のために毎日筋トレに励んでいるのだと思います。
 私も友人と「まずは80歳まで元気で通おうね」を合言葉に日々筋トレを楽しんでいます。