「後ろから見たら誰だかわからなかった。太った?」
十数年前にママ友に言われた言葉だ。今でも、言われた場所まではっきり覚えているほどショックだった。
私がきっと、あまりにも情けない顔をしたのだろう。
「あ、ごめんね、傷ついちゃった?」
と彼女。
「うん、ちょっとね」
と正直に答えた。そして、
「でも、言ってもらって良かったよ。」
と負け惜しみを言った。
そのころ、自分がじわじわと太ってきているのはわかっていた。ウエストや肩のあたりが、今までの服ではきつくなってきていたのだ。でも、サイズが上がるのを自覚するのがいやで、買物にも行けなかった。
何とかしたいと思いながら、家事に仕事に子供の世話に忙しく、自分の時間など全く取れないまま何年も過ぎていった。
そもそも私は大の運動ギライ。体力がなく、体を動かすのも汗をかくのも苦手で、学生時代の体育はとにかく苦痛だった。走るのもとても遅く、グラウンド5周などという種目では、私はいつも周回遅れ。私の後ろを走る人はほとんどいなかった。私の運動神経はどこかで切れているのでは?等と思ったものだった。
そんな、運動にコンプレックスのあった私だが、カーブスのことは知っていたし、気にはなっていた。何か運動をした方が良いのはわかっている。しかし、この運動音痴の私にできるのか?と、なかなか体験するまでにならなかった。
今となっては、10年前に勇気をふりしぼってカーブスに電話した自分を誉めてあげたい。カーブスに体験したその日に入会を決め、私のカーブスライフがスタートした。(筋肉痛とともに)
体力テストでまずびっくり。腹筋が1回もできず、体の年齢が71歳と出てしまったのだ。それまで、腹筋で起き上がろうとして起き上がれなかったことは一度もなかったのに...と苦笑いするしかなかった。あんなに、運動不足を痛感したことはなかった。
やっとカーブスで初心者マークが取れた頃、友人の車に乗っていて後ろから追突されるという事故にあってしまった。事故そのものは小さなものだったのだが、肩や首のコリや痛み、頭痛、けんたい感など様々な症状が出てしまい、カーブスに通えなくなってしまった。せっかくマシンの使い方も覚えたのに...。しかも、加害者が入っている任意保険の会社からは、こんな軽微な事故で健康被害が出るはずない、と言われ、補償が受けられないという信じられない事態に。やむなく、加害者の自賠責保険を使って、補償を受けるための手続きを始めたのだが、これが大変だった。被害者である友人と私が、自分で、十数種類もの書類をそろえなくてはならなかったからだ。保険会社とのやり取りがストレスになった友人は、胃の調子がおかしくなったり高熱が出たりとさんざんだったし、私も体調がなかなか戻らず、カーブスに行けない日が続いた。
行けないと、計測も何だかおっくうになってしまい、入会して何ヶ月もしていなかった。
入会して約半年後、体調もほぼ戻り久しぶりに計測してびっくり。体重など、ほぼ全ての数値が下がっていたのだ。コーチもとても喜んでくれた。
「すごいですね!」「鳥肌立ちましたよ!」
と言ってくれた時のコーチの笑顔は忘れられない。
人生最大に太っていた頃入会したカーブス。なんと、臨月ほどあったのだ。あれからもう10年。入会した頃より5キロほど減った。10年というと長いようだが、あっという間だった気もする。もともと私はあまり丈夫ではないし、体調が悪くて通えない時期もあった。手や足のどこかが痛くて、マシンが全部使えない時もあった。それでも、やめようと思ったことは一度もない。
カーブスに入会を決めた10年前の自分に感謝しつつ、これからも、自分の体としっかり向き合っていきたいと思う。