私は、旅が好き!
私は、今年77歳を迎えます。なかなか受け入れがたい年齢ではありますが、日ごと老いを感じることが増えていくことで納得しています。
若い時から好奇心が強く、新しいことにチャレンジすることに抵抗はありませんでした。そして、旅をすることが好きでした。観光名所を巡るだけでなく、自由に街を歩き、風景、人、食べ物、空気、香りを肌で感じる、そんな旅を夢見ていました。でも、3人の子育てに両親の介護、時間的にも経済的にも余裕はなく、TVの旅番組を観ては、気を紛らわせていました。
そんな私が、ようやく夢を叶える時がやってきました。2024年10月4日、憧れの中央ヨーロッパに向けて羽田空港を飛び立ちました。オーストリア・ウィーンでは、馬車散歩で舞踏会に出かけるような気分を味わい、ドナウ川クルーズでは、ライトアップされたブタペストの夜景に魅了され、スメタナの曲が流れるヴルタヴァ川とチェコ・プラハ。何度も想像し夢見てきた地に、ようやく立つことができました。夢を叶えることができたのは、家族の理解と、カーブスで体力と筋力を培うことができたからだと思っています。
臓器を5個失っても、生きられるのです
3人の子育てもひと段落した2000年のことでした。職場の健康診断で、すい臓に腫瘍が見つかりました。もしかして、すい臓ガンでは?すい臓ガンって、生存率の低いガンですよね。すぐに手術を受け、すい臓の3分の1、脾臓、胆嚢を摘出しました。病名は「すい腺房細胞ガン」極めて症例の少ないガンでした。でも、幸いなことにすい臓そのものがガン化したのではなく、ガン細胞が、宿り木のようにすい臓にくっつき、養分を吸い取って増殖した腫瘍でした。ということで、転移もなく抗がん剤治療を受けずに順調に快復できました。
しかし、10年後に再発が見つかり手術。すい臓の頭部を残して切除、合わせて副腎も摘出しました。この時は、義母の介護や術後の食事療法で、思うように快復が進みませんでした。悲観的になり、ネガティブなことばかり考えるようになりました。そんな時、私を癒してくれたのが、妄想旅でした。行きたい場所を決めて旅程を考え、行った気分に浸りつつ、いつか訪れる日を夢見ることでした。
98歳になった義母を看取り、肩の荷を下ろした矢先に新型コロナの登場です。不要の外出自粛、三密回避、自宅に閉じこもる日々、思い出してもぞっとしますね。そんな中、またもや腎臓に腫瘍が見つかりました。
「神様は、どうしてこんなに試練をお与えになるのでしょう」どこかに、そんな台詞ありましたね。コロナ禍での3回目の手術、1ヶ月の入院は過酷なものでした。誰にも会えず、自暴自棄になりかけました。そんな時には「ここで死んでたまるか、行きたいところに行けずに」と自分を励まし、旅することの夢を強くしていきました。糖質に加え、塩分、たんぱく質制限の食事療法と向き合いながら日常生活を取り戻し、近くに出かけることができるようになりました。
左腎臓を摘出して、5個の臓器を失うことになりましたが生きています。神様は、人に多くの試練を与えますが、その前に素敵な体を与えてくれていました。人には、その体を大切にし、命尽きる日まで、しっかりと生きていくことが課せられているのだと思います。
さあ、カーブスの出番ですよ~
2023年、手術から3年の壁をクリアすることができました。さあ、ぼちぼち夢に向かう準備をする時がやってきました。日頃よりウォーキングは行っていましたが、筋トレはできていませんでした。さあ、どうする?頭に浮かんだのは、買い物途中で目にする「カーブス」でした。恐るおそる教室を訪問すると、私の体の状態をきちんと聞いてくださり、運動について説明をしていただきました。まだ、身体をひねることや、腹部を圧迫することはできなかったのですが、軽減する方法を教えていただきました。すっかり安心して、入会手続きをすることができました。
最初は、マシンを動かすことをきつく感じることもありましたが、コーチが傍についてアドバイスをしてくださいました。たった30分かと思いましたが、それが心地よいのです。筋肉痛もなく、気分はスッキリ。体の状態に応じてのマシン使いができることも魅力で、週に3回を目標に頑張り、100日達成のTシャツは宝物になりました。
そして、2024年8月、術後4年目の検診で異常は見つからず、経過観察は半年毎から1年毎に延長されました。さあ、全快祝に、念願のヨーロッパ旅行をしようと準備を始めました。たくさんの不安を感じながらも、夢を叶えたいという気持ちが勝っていて、実行するに至りました。ツアー参加者22人中最高齢でしたが、みなさんと共に行動し、歩きにくい石畳に古城への坂道もクリアできました。夢に見続けた8日間の旅は感動の連続で、旅を達成できたことは、生きる自信につながりました。そして、次の夢を叶える希望になりました。
カーブスに入会してから2年が経ち、すっかり日常生活の一部となり、今では、すべてのマシンを使えるようになりました。月並みですが「継続は力なり」一歩一歩の積み重ねが大きな力になっていくことを実感しています。教室に入ると、コーチから「はるよさ~ん」と声をかけられますが、それが心地よいのです。普段は「お母さん」「おばあちゃん」「奥さん」ですが、名前で呼ばれることが嬉しいです。そして、多くのメンバーの名前を覚えるコーチに感服です。
カーブスは、認知症予防をはじめ多くの効果があると聞き及んでいますが「夢を持ち、その実現に向かうための橋」と考えると、より効果を実感できるのではないでしょうか。夢の実現と共に、元気で年を重ねられることを願って、今日も「カーブスの橋」を渡りに出かけます。