私の母は、『あなたには私と同じDNAがあるから、体には気をつけなさいよ』とつねづね私の体の事を気にかけてくれていました。母は両足の大腿骨骨折、左肩骨折で四肢のうち右肩以外は人工的な骨頭やボルト、プレートが入っていました。『まるでサイボーグのようだね』と冗談を言いながら、ちょっと寂しそうな情けなさそうな顔をしていたことが思い出されます。
こんな母が亡くなったのが2013年7月30日。92歳でした。悲しくて悲しくて、一人きりになってしまった喪失感と寂しさを紛らわすために、仕事から帰宅した後に何の目的もなくフラっと街中の雑踏を出歩いたりしていました。そんなある日、職員食堂で看護師さんたちが話しています。「カーブスに通っとうとよ。あそこは良かよ」と。
カーブスかぁ。そういえば駅前にあるなぁと思って見てはいたけど、母の看病でそれどころではなかったので気に留めていませんでした。でも、頭の中に母のひとことが浮かんできます。体に気をつけないといけないよね。そうだ、これからは自分の体を労わろう。「女性だけの30分健康フィットネス カーブス」というキャッチフレ-ズも心にピン!とくるものがありました。早速、電話で見学できるかどうか問い合わせをし、予約を入れて。
緊張しながら説明を聞き体験まで済ませ、入会もその場で決めることができたのは、その店舗グループの統轄店長のMコーチがとてもやさしくしっかりと対応してくださったおかげです。よし!ここで体を鍛える!
私は引きこもり気味の性格、人見知りだし自分の意見を人前で話すことも苦手でした。運動らしいことをしたこともなく、体を動かすことは苦手だと思っていたのです。
何年も前のこと、手根管症候群の手術前検査で、整形外科の先生から「何か運動してたの?スポーツ心臓みたいに心臓が大きくなってるよ。気をつけなさい」と言われたことがありましたが、すっかり忘れていました。職場の健康診断でも心肥大気味を指摘され、そういえば随分前に言われていたなぁと思い出したのですが、肥大した心臓をどうやったら治せるんだろう。気をつけなさいと言われてもなぁ?と思う程度で、具体的なアドバイスも受けないままでした。しかし、カーブスに通い始めてから1年ほどたった年の職場健診で、お医者さんから「あら?何かやってる?心臓が小さくなっているんだけど」とのうれしい言葉を頂いたのです。私、「あ!カーブスに行ってるんです」「それはぜひ続けてください!」とお医者さん。
こんな効果があるんだ。心臓が小さくなるって、と私は驚きました。運動が、筋トレがそういう効果があるなんて誰も教えてくれなかったけれど、カーブスで出会うメンバーさんにはこのことを熱く伝えています。
話は変わりますが、私は引っ込み思案な性格だったこともあって62歳まで独身でした。私のことを理解してくれる人に巡り合うことは難しいと思っていたからです。でも、あるきっかけで夫となってくれる人に出会うことができました。カーブスに通い始めてから、性格も明るくなり、生来の面倒見の良さが表に出てきたことも隠れた筋トレ効果だと私は思っています。
福岡から熊本に嫁ぐことになりましたが、何度か行き来しているときに、近所にカーブスがあることは見逃しませんでした。バスで10分くらいのところです。ここの統轄店長のAコーチをはじめとしたコーチの面々、みんな優しくて可愛くて...でもしっかりと指導してくださるし、疑問に思うこともきちんと説明してもらえるので安心です。
通い始めて通算11年になりますが、体重やサイズの変化は表れにくいようです。でも、目に見えないけれど、血液検査の結果や骨密度はいい結果が出ています。また、コーチたちが親身になって改善できるところを考えてくれたり、マイナス思考にならないように会話してくれたり、とても通いやすいです。おうちでカーブスもやり始めました。店舗でのお友達もできました。とても明るく素敵な場所。一人ひとりが輝ける場所。
こうして、私は母が亡くなった悲しみから抜け出し、熊本での新しい生活にも慣れ、幸せな老後に向かうことができています。
これが、私がカーブスの筋トレを続ける理由です。
母に伝えたい「あなたのDNAは骨折しやすいことや体が弱いところではなく、人に優しく頑張り屋さんなところです。しっかり受け継いでいますよ」
と、私のエッセイはこれで書き終わり、応募を待つだけとなっていたのですが、2024年12月に夫が肺炎を起こし救急車で搬送。入院となってしまいました。毎日夫の見舞いに通いながらもカーブスは店舗もおうちでも頑張りつつ、バス代倹約と健康の為20分ほどかけて歩き、そうしているうちに以前よりも食事の量は減り、睡眠時間が増えました。マイナス面をプラスに変えて!と夫の入院がきっかけで健康的に体重を減らし、体引き締めにつながりました。
ところがいよいよ退院かという時になって、主治医から思いもかけないことを言われたのです。『ご主人にすい臓がんの疑いがあります。肺炎は治ったのでいったん退院し、検査をしましょう』と。寝耳に水とはこのこと。まだ、確定診断ではない!何かの間違いであってほしいと思いましたが、検査の結果は無情にも間違いなくすい臓がん。しかも、本人は80歳と高齢で手術は嫌だ、抗がん剤治療もしないと明言してしまう。言い出したら聞く耳を持たないThe昭和の男です。私は頬を伝う涙をこらえながら承知するしかありませんでした。これから私はどうすればいいのか、大病を抱えている夫と向かいあって行くだけの気持ちの強さがあるのだろうか。しかし私が倒れては何も動かなくなる。しっかりしなくては!まずは体力維持。体重は減っていくけどやつれたように見えては意味がないと筋トレは欠かさず続けています。
できるかどうか、こんな時に自信がある人なんていないに等しい、強くなれ!自分!
お店でコーチ達にも事情を話したので皆が応援してくれています。何が何でもしっかり支えると決めたのだから、どんなに苦しくてもやるしかないのです。
そしてまた新たな展開が訪れます。先進医療で治療できるかもしれない。すい臓がんにも適用されるのではないか。主治医に聞いてみては?と教えてくれる方がいたのです。夫もそういう治療なら受けてみようかと言ってくれました。病に立ち向かうのと、何もせずに指をくわえているのとでは支える側の勢いも違ってくるというものです。それまでガチガチに凝り固まった私の肩はスーッと軽くなり、笑顔が戻りました。
よし、何が何でも夫を支える!気持ちに余裕を持とう!健康だった時と変わらず、それ以上に気持ちを込めて過ごそう!それにはやはり自分が健康でなければ!!
またここで、私が筋トレを頑張る理由が増えました。
どんな困難にも打ち勝つだけの心の強さはまだ自信がありませんが、やるしかないのです。