昨年の7月、カーブスを始めてちょうど4年が経った頃のことです。十数年ぶりにプールで泳ぐ機会があり、とても嬉しい発見に感動しました。それは友人も驚くほどにスゥーイスイと平泳ぎをいくらでも泳げるのです。多分50m以上は軽くいけたかと思います。
 私は幼い頃、海で溺れた経験がトラウマとなり、顔が濡れると不安と軽いパニック障害から動悸、息苦しさで、顔を洗うのにもドキドキします。泳ぐ時は顔が濡れないように平泳ぎをするのですが、すぐに首が疲れて以前はあまり長く泳げなかったのです。
その上、長い間の腕の痛みから平泳ぎのひとかきでブクブクと沈むようなこともあり、孫達とキャンプに行って川遊びをする時も、危なくて怖くてライフジャケットや浮き輪が必需品でした。そんな私がスイスイと平泳ぎが出来て、自分でも不思議なくらいだったのです。コーチに「カーブスの筋トレで首にも筋肉がつきますか?」と尋ねると「姿勢が良くなり、体全体に筋肉が付いて首も鍛えられたのだと思います。マシンをきちんと使いこなしている成果ですね」と説明していただきました。
そして筋トレでいつの間にか呼吸も深くなり、不安で胸が息苦しくなることも自然と無くなっているのに気付きました。
普段の生活では気付かないことも、何かの時に筋トレの成果を驚くほど感じることがあります。だからこそカーブスを続けていることの大切さを目の当たりにします。

 そのような充実した夏を過ごすことができましたが、10月の中旬に大変なことが起きました。ちょうどドジャースの大谷翔平選手が盗塁で亜脱臼をした1週間ほど前のことです。自分でも何が起きたのか理解が出来なくて、うずくまって腕の痛みを我慢するしか無い数日間でしたが、大谷選手の様子を見ていてほとんど症状が似ているので、同じようなことが起こったのを感じました。大谷選手は肩のサポーターをするまでは、ユニフォームをギュッと掴んでいましたが、私も常に洋服のどこかを掴んで固定していました。そうしないと手の揺れで常に痛いし、肩がガクガクしてぶらんとなった時にキーンとした痛みが突然走りしばらく動けなくなりました。今まで何度も腕の痛みでは悩み苦しむ経験があり、自力とカーブスでここまで回復しました。しかし今回の痛みは今までの痛みとは全く違う、突然何かの拍子に強烈な痛みを繰り返し、関節のグラグラ感がおかしいと思い、さすがに整形外科に行きました。「レントゲン写真で肩関節がすり減って良い状態では無いことがわかりますが、痛みの様子から腱が切れている可能性もあるのでMRIで精密検査しましょう」との結果「やっぱり無いわ」でした。私は聞いた途端愕然と気落ちして、ほとんど質問出来ない自分を感じていました。
 病名は「右肩腱板断裂」です。腕には、前2本後ろ2本の腱があり、その腱で肩の関節が外れないように支えているようで、その腱が前2本共に切れてしまい、腕を支えていられなくて関節がぐらぐらとし、炎症が起きてひどい痛みになっていたようです。
なぜそのようなことが起きたのか?思い当たる原因は、2歳の孫が2段ベッドの上にすっくと立ちニヤリと笑った途端に、止める間もなく私めがけて飛び降り、とっさに受け止めた時でしょうか。

 ではどうすれば良いのか?「一度切れてしまった腱はもう二度と生えては来ません。無くした腱の代わりは筋肉で補うしか無いので、痛くても動かして筋肉を付けること。普通の生活なら腱が無くても、大丈夫。そんな人は沢山います」でした。肩がガクガクして痛くて辛くて、動かすことも出来ない状態での残酷な話でした。ただひと筋の光は、痛くても筋トレが大事だということ、そして私にはカーブスがあるということでした。腕が痛い時のカーブスマシンの使い方も今まで経験済みなので、自分の痛みの状態に合わせたマシンの使い方を工夫しながら頑張って続けていこうと改めて決心しました。しばらくは、痛み止めの薬で炎症と痛みを抑えながら、整形外科でホットパックと筋肉マッサージ治療をし、その足でカーブスにも通い続けました。カーブスのマシンは痛みが出そうなのはスルーしていけば良いのですが、辛いのはステップボードで腹圧を入れるために上に手を伸ばす時と、ストレッチ体操の痛さには、涙と冷や汗が出るくらいでした。が、痛くても動かして筋肉を付けることが目標なので、呻き声をあげながら耐えました。コーチはいつも「痛くなる手前まで」と言っていただきますが、痛みに耐えながら動かすことも整形の先生からの指導なので頑張りました。 

 そんな日々の中、クリスマスイブに生まれて初めてギックリ腰になりました。にっちもさっちもとはこういうことを言うのかと思うくらいの体験でした。娘は「えらい大変なクリスマスプレゼントやなぁ」と皮肉を言いながらも家事を引き受けてくれて数日間安静に過ごしました。腰の痛さが治まるにつれて、忘れていた腕の痛みを感じるようになりました。人の痛みを感じるのは脳からの指令で一箇所に集中するみたいで、ギックリ腰のおかげで腕の痛みを感じなかった時に可動域が大きく広がっていたらしく、腕がずいぶん動かしやすくなっていました。「辛いことばかりでは無いなぁ」と心も軽くなり嬉しくなったのが好転のきっかけで、今ではマシンも普通に動かせるようになり、左手で支えながらですが手が上がるようにもなってきました。

 カーブスのマシンとシステムは、私の症状のリハビリに最高です。まず筋肉の緊張をほぐし痛みを和らげるためにホットパックをし、1周目は軽く体を慣らし2周目は痛みに合わせながらしっかりと筋トレをするということを心掛けました。時にはやり過ぎて痛めてしまうこともあり「失敗したなぁ」と反省しながらも、自分なりに痛みとの駆け引きや加減を繰り返して、少しずつレベルアップしていきました。マシンは自分のその日の痛みに合わせて加減出来るのも魅力です。何だか体調が優れず頭も重くてどんよりしている時、奮起してカーブスに行くと心身共に軽くなりスッキリするのは、きっと血流が良くなっているのでしょうね。
コロナ禍で体力が落ちたことがきっかけで、私はカーブスを続けていますが、以前のようにストッキングが支え無しで片足ずつ軽くはけるようなイメージをしながら、ボードでは姿勢を整え体幹を鍛えるつもりでゆっくりと足踏みをしています。腕も意識して大きく動かしています。目標は今年の夏もプールで平泳ぎが出来るくらい良くなることを願っています。あのスゥーイスイ平泳ぎの気持ち良かった体感が忘れられなくて頑張り続ける原動力になっています。