「久仁子さーん、こんにちはー」入り口を入ると元気な明るい声が響いてくる。コーチが温かく迎えてくれる瞬間。さあ、カーブスで過ごす気持ちの良い時間の始まりだ。
カーブスに出会ったのは、夫と死別して2年が過ぎた頃。
高めの血圧が薬で安定していたので、好きなものを制限なく食べて不規則になっても、「ウォーキングやヨガをしているしサプリも飲んでいるから大丈夫」と自分に言い聞かせて何もせずにいたら、内科の数値がとんでもないことに。このままじゃ数年で夫の後を追うことになるかもしれない。反省はしたもののどうすればいいのか全く見当がつかずにいた。
それから数ヶ月の間、カーブスからのダイレクトメールがスマホに何度も届いて、テレビコマーシャルもやたらと目に入るようになった。無料体験の文字が気になっていたけれど、それほど効果があるとは思えず放置していた。しかし、日が経つに連れてカーブスの文字が頭から離れなくなって、どうせ無料だし話を聞くだけでもいいんじゃないかと思い始めた。
更に数ヶ月、さんざん悩んだ末にカーブスに電話して無料体験の予約を入れた。
体験当日は、体力測定(片足スクワット、腹筋等)を実施。片足スクワットは殆どやる機会のないものだが、テレビで年配者が出来ずに苦労している姿を見たことがあった。その時は、こんなこと出来ないわけないと思ったものだが、実際にやってみたら右足は一度もお尻を持ち上げることが出来ず、左も3回くらいしか出来なかった。ショックだった。
若い頃は登山が趣味で筋肉が衰えるなど考えたことも無かった。現実は、想像以上に酷かった。ショックが覚めない状態で次のメニューに。測定の後は、筋肉が大事なこと、筋トレをしたら1日休んだ方が筋肉を増やすには良いということなど理論的な説明を受けたが、その時点では、もう入会を決めていた。
運動を始めて1週間に4回通ったが、筋肉痛になることは無く、いわゆる筋トレを頑張っている実感は無かった。不思議なことに只々楽しかった。
1ヶ月が過ぎると月に1度の測定日というものがやってきた。わずかだが全ての測定値が良い方に傾いていた。ここでコーチの褒めまくりを初体験することになる。還暦を過ぎて、会社勤めはしているものの子供も孫も居ない私を褒めてくれる人が存在することに、驚きと恥ずかしさと何とも言えない感情が沸き起こってきたのを今でも覚えている。
仕事は、建築関係の技術職で資格も取得してキャリアを積み上げ、天職だと思えるほどこの仕事が好きで自信もあった。ただ、これは還暦までの話で、会社は情け容赦なく(表現が悪いが私は今の会社が大好きだ。)嘱託社員に降格した。客先の担当者になることも無くなり、収入も減った。初めて、社会から取り残されて行くことを感じた。
順番だから、上層部と面接をした時にそう言われたが、それで慰められるほど、楽観的に受け止めることは出来なかったのが正直なところだ。今のところ、65歳で定年退職を迎えることになる。しかし、技術職の先輩社員(嘱託ではあるが...)に65歳を過ぎても働き続けている人がいる。これは、一筋の光とも言える事実である。
私の仕事は、現場で建物の調査をしたり図面を作成したりするので、健康で身軽ならその先輩たちに続くことが出来るかもしれないと、微かな希望を持っているのは会社の上層部には言えない秘密だ。
ここでカーブスの話に戻るが、今日まで約半年の間、週3から4回通い続けて体が軽くなったと感じている。体重は減っていないが、筋肉が付いた実感がある。会社の仕事場は2階にあり何かと階段の昇降を繰り返すのだが、駆け上ったり駆け下りたりしても足が何とも無い。むしろ自然に駆けている感じさえする。意識せずに出来ているのが不思議と言えば不思議だ。ついでに告白すると、階段を降りるときに少し膝が痛いと感じていたのが、いつの間にか痛くなくなっていた。腕に力こぶが出来るわけでもないけれど、確実に筋力が増しているのはうれしい限りだ。
ところで、カーブスに通ったことによる成果について触れておくと、話の初めに内科の数値が悪くなったことを記述したが、通い始めて3ヶ月後くらいには正常値に戻り、椎間板ヘルニアで歩行困難にまでなったことがある腰痛は、ここが痛かったのだと名残を感じる程度に治り、後ろ手に組むことが出来なかった肩の痛みは、筋トレの後のストレッチがちゃんと出来るくらいまで痛みが軽減して、会社で1番元気と言われている。
体に痛みが無いと自然に元気になるのだと思う。筋トレバンザイだ。
良いことはまだまだある。食べることが好きで、量も普通の女性が食べる1.5~2倍。たまにお弁当を2人前食べたりする。カーブスを始める前は、翌日の朝2kgくらい増えるのは当たり前で、「またやってしまった」と反省を繰り返していたが、最近は増えても数百グラムで翌日には戻ることが多い。この量を減らせば、体重も落とせるのだろうが、当面はこのままいきたいと思っている。一応、言い訳をしておくと弁当2人前は、月に1度あるかないかなので影響はないと思う。それに、最近はヘルシービューティが活躍してくれていると思う。ほぼ制限なく好きなものを食べているからストレスも無いかと。
カーブスに出会えたことで、筋トレの必要性を実感し、会社や近所の集まり等色々なところで自分の体験を話している。20代から60代まで誰もが興味津々で目を輝かせて聞き入ってくれる。1回体験だけでもいいからとこの半年で3人連れてきたが、2人入会してくれた。残りの1人も子供が小さいからすぐには通えないけれど、子供の手が離れたら通いたいと言ってくれたりして【種まき】が成功しているのかなと思っている。いずれ【芽】が出るといいなと思うばかりだ。
最後に、定年退職になったら誰とも会話しない日が何日も続くのか不安だった。兎に角話し好きで、会社の女子が集まると美容や健康の講演会のように1人で話してしまうのは日常茶飯事で、よくそんなに話題があるねと言われたものだった。だから、何かの教室に通うとかアルバイトをするとかしないとメンタルがヤバイと思っていたのだけれど、カーブスに来れば少なくともコーチが明るく話しかけてくれるので、思いも寄らず解決出来たなと思っているところだ。(実は、友達も3人出来たのだ。)
「健康寿命を延ばしてぼっちの未来にさよならしたい」カーブスに通い続ける限り、私の願いはきっと叶うだろう。