カーブスエッセイ大賞2018結果発表

作品詳細

佳作

「『ただいま』と言える場所」

小春様(35歳) カーブス静岡音羽町(カーブス歴:7年8ヵ月)

「戻ってきたよ!ただいま」
 最初の第一声はこれでした。ドラッグストアの前を通る頃から気持ちが逸り、カーブスの看板が見えた時にはもう私の頭の中には皆さんのことしかありませんでした。
 ついに、ついに戻ってきた。私のまたカーブスの日々が始まるんだ。
「おねえさまたちに会えるんだ!」
 一度は仕事の関係でどうしても時間が合わず泣く泣くカーブスを休会しました。しかしやはりどうしてもその仕事が体調に合わずだんだんと具合が悪くなり、思い切ってやめて新しい仕事についたのです。
 前の仕事とは違い、ちゃんと決められた日時で仕事ができるので計画も立てやすく、私はすぐに以前に入っていた音羽町にもう一度入会したいという連絡を入れました。
「おねえさまたちも待っていますよ。私たちも待っていました」
 スタッフさんの暖かい声が胸に響きます。
 私はいつも午後3時きっかりに行ってきました。そのせいか同じような時間帯の方たちと自然に親しくなり、皆さんに可愛がっていただき私はそんな皆さんを「3時のおねえさま」と呼んでいたのです。
 仕事で色々と大変だったとき、おねえさまたちが慰めてくれました。
「そんなの思い切ってガツンと言ってやんな」
「小春ちゃん、元気出していかなきゃだめだよ」
「それにしてもさ、なんでそんなこと言うんだろうね、バカにしてるよね」
 皆さんに励まされ、そして仕事がうまくいかなくなってしまった時も
「気にしない気にしない」「まったく・・何考えているんだかね」「あなたはあなたらしくいればいいのよ」
と、元気をもらいました。
 そんなおねえさまたちに会いたくてたまりませんでした。
 はやる心を抑えてドアを開けた瞬間、変わらないスタッフさんの笑顔が私を迎えます。
「あ~!お帰りなさい」「お待ちしていましたよ~」
 その言葉にうなずく私の後ろから
「あら、小春ちゃんじゃない?」「あれ~?戻ってきたんだ!」
とおねえさまたちの懐かしい声。
 振り返れば皆さんが笑顔でいました。思わず私はその胸に飛び込んでいました。
 やっと戻ってきたのです。私が私らしくいられる場所に。
「あは!久しぶり!」と嬉しそうにハイタッチしてくれるおねえさまもいます。
「ねえねえ、ずっといなかったじゃん。どうしてたの?」
「いえ、仕事で」「でも、今はいるってことは・・どうしたの?」
「やっぱり体に合わなかったのでやめました」
 そう言うと「体に合わない仕事なら無理することはないよ。やめて正解」とグッジョブサインをしてくるおねえさまもいました。
「仕事なんていっぱいあるんだから。今の仕事はどう?」
「はい、最高です!」「なら、よし!」
 おねえさまがよし、と言うならば確実でしょう。
「よく戻ってきた」と頭を撫でられる私をスタッフさんが暖かく笑って見ています。
 私がカーブスを続ける理由。それはこうやって皆さんに会えるからです。
 本来ならば「健康づくりのため」「健康的に痩せて元気になりたいから」というもっと大きく立派な理由があるのでしょう。
 でも、私はおねえさまたちにカーブスのこの場所で会いたいから続けているのです。
 今まで、職場と家の往復しか運動がなかった私がカーブスに通うことで、「精神的な苦痛によって痩せる」ではなく、「健康的に楽しみながら筋肉づくりで痩せる」という喜びを知りました。
 ぶくぶくとしていた体が水を引いたようにすらっと痩せ、服が着られて今まであまり感じなかった「オシャレを楽しむ」こともできるようになったのはカーブスのおかげです。
 だから一度は仕事の関係でお休みし、その間も仕事のストレスから痩せて服を着られることはあっても全然嬉しくありませんでした。ただただ苦痛でしかありませんでした。
 それが仕事をやめて新しい仕事につき、カーブスをもう一度始めてから毎日が楽しくてたまりません。オシャレも楽しめるし、何よりまたおねえさまたちと会って楽しく運動できるからです。
 日々が楽しくて嬉しくて、今日会えなかったおねえさまと次回は会えるかもしれない。
 何となく恋人に会うようなそんな心弾むウキウキした気持ちでカーブスに通う日々です。
 おねえさまたちは人生の先輩です。時にはそんなおねえさまたちから処世訓を聞き、時には恋愛のことを聞き、時にはドラマの話で楽しむ。
 ほとんど掛け合い漫才のような会話に他のおねえさまがこらえきれずにお腹を抱えて笑い、必死に笑いをこらえているから余計に腹圧に力が入ると言いながら結局は吹き出して笑い転げてしまう。
 傍から見れば「まじめにやってない」と思われてしまうこともあるかもしれない。
 でも、みんな仲良く楽しくできる。それが楽しみで通う人もいるかもしれない。
 もし、外国に長い間行っていて帰国した時、まず初めにどこに行きたい?と聞かれたら私は迷わず「カーブス行きたい」と答えるでしょう。
 それはカーブスに通うことで知った健康に大切なこと、筋肉づくりの必要性、たんぱく質がどれだけ体作りに必要なことか。
 そんなまじめな話から、スタッフさんと掛け合い漫才したり、時にはおねえさまに突っ込まれあわあわしているのが楽しくて、自分は一人ではないんだ、と思うことができるのが嬉しいという思いから。
 すべての思いが一つになって私はカーブスに通っています。
 少し行かなくなると皆さんが「〇〇さんどうしたのかしら?」と心配し、また来るよになると第一声は「お帰り」と声を掛け合う。
「どこ行ってたの?」「んー?ちょっとパリまで」「嘘ばっかり。さぼってたくせに」「ばれたか」
 どっと起こる笑いの中でぼんやりしていると「頭の中で世界旅行している人がいる」と言われ「ええ、今イギリスのビックベンの鐘の音を聞いていました」と答えると「これだもん」と軽く背中をいなされる。
 そんな日々が愛しくてたまりません。
 また今日もドアを開けると楽しい時間が始まります。
 私はまた帰ってきました。

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