医療関係者の皆様への
ご案内

カーブスは病気と介護に不安のない社会をつくることを
目的に活動を行っています

医療関係者の方からカーブスへ運動内容や
効果へのお問い合わせをいただくことが増えています。
カーブスの主な情報をこちらのページでご確認いただけます。

カーブスとは

店舗数

全国約2000店舗(47都道府県)

カーブスは、利用者もインストラクター(コーチ)も女性だけ、40~60代を中心に生活習慣病、足腰の関節痛、ロコモティブシンドロームなど様々な疾病予防や健康増進を目的としてご利用いただいている、予約なしで運動ができる30分の健康体操教室です。

30分の運動プログラムは、大学や研究機関との共同研究で様々なエビデンスを取得し、その効果が証明されています。安全性の高い油圧式マシンの使用や、コーチが常に利用者のサポートを行うなど安全面に配慮した施設です。また、全国で自治体の実施する介護予防事業を受託しています。

始めやすく続けやすい

カーブスは様々な理由から始めやすく続けやすいというお声をいただいています。

  • 利用者もインストラクター(コーチ)も店内は女性だけ
  • たった30分で終わる運動プログラム
  • 油圧式マシン採用のため、簡単で安全
  • 住宅地や駅前など、家の近くにお店があるので通いやすい
  • 店内でのイベントによる、利用者同士のコミュニティづくり

カーブスでは利用者一人ひとりが、安全で効果のある運動プログラムを長く続けてもらうことを大切にし、運動のサポートをしています。

カーブス独自の
30分運動プログラム

カーブスのサーキットトレーニングについて

短時間で効率よく実施できるプログラム

カーブスの運動プログラムは、有酸素運動、筋力トレーニング、ストレッチの3つの運動をバランスよく実施できます。また、筋力トレーニングは女性が無理なく安全に動かすことのできる油圧式マシンを採用しています。

3つの運動を30分で行います
週3回の運動実施を推奨しています

筋力
トレーニング
12台の油圧式マシンを使用して主要な筋肉を鍛えます
有酸素運動
クッションの付いた安全性の高いボードの上で運動します
ストレッチ
筋力トレーニングで鍛えた筋肉を12種類のストレッチで伸ばします

利用者全員が同一のプログラムを行います。ひざ痛、腰痛など、お身体の調子が良くない場合には、強度や内容を調整しながら運動を行うことも可能です。

安全性

血圧測定

血圧が気になる方は運動前に血圧を測定いただき、当日の運動の実施有無、強度を調整します

全てのカーブスのお店には血圧計が設置されています。普段血圧が高めなど、血圧が気になる方は運動前にご自身で血圧を測定いただき、その結果によって運動の実施有無や運動強度を調整いただきます。

体調管理

関節に痛みがある方は、痛みのある箇所を使用するマシンを控えるなど無理ない範囲で運動いただくことができます

痛みがある方は該当のマシンを控えるなど調整いただきながら運動を行います。例えばひざ痛がある方は下半身のマシンは控えるなど、一人ひとりの身体の状態に合わせて安全に運動していただくことができます。

※お身体の状態に合わせ調整が必要な患者さまには、控えた方がいいマシンをご確認いただき、患者さまにお知らせください

体調確認

運動開始前に利用者さま一人ひとりに体調を確認
その日の体調に合わせて運動を行っていただけるようにサポートします

お店に来店し運動をはじめるときには、サーキット内にいるコーチが利用者の当日の体調確認を行い、無理なく運動ができるように声かけや運動をサポートします。

整理運動

運動の安全性を高めるために運動プログラムの中でウォームアップとクールダウンを行います

安全に運動していただくために、サーキットトレーニングの始めと最後でウォームアップ、クールダウンを行います。マシンとボードを合わせた最初の4~6台をウォームアップ、最後の4~6台はクールダウンとし、強度を弱めてゆっくり運動をします。

安全

運動中はコーチがサーキット内にいて利用者のサポートをします

利用者が、安全に、効果的に運動を行えるよう営業時間中はコーチがマシンとボードが円状に並ぶサーキット内で運動のサポートを行っています。

運動強度

運動中は定期的に心拍数を確認し、一人ひとり運動強度を調整

無理なく効果的な強度で運動ができているかを8分に一度、合図に合わせて全員で心拍数の自己チェックを行います。最大心拍数の60~80%を運動強度の目安とし、高くなりすぎている場合にはペースを落として調整をします。

※お身体の状態に合わせ目安を下げて運動いただくことも可能です。その際は患者さまにお知らせください

油圧式マシン

筋力トレーニングは安全性の高い油圧式マシンを採用

カーブスでは運動プログラムの中で行う筋力トレーニングに、油圧式マシンを採用しています。

重りで運動負荷を調整する通常のフィットネスマシンと異なり、油圧式マシンは利用者が動かすスピードによって運動負荷が決まります。動きを止めると同時にマシンの動きも止まり、ゆっくりと元の位置に戻るので、筋力トレーニングの最中に器具によって怪我をされることはほぼありません。

油圧式マシンだと重りの調整も必要ないので、どんな方でも簡単に使うことができます。わずかな力で動かすことができるので様々な年代の女性が個々の体力に合わせて無理なく筋力トレーニングを行うことができます。

カーブスの研究結果

カーブスの保有するエビデンス

国立研究開発法人 国立健康・栄養研究所との研究結果①

結論

1.生活習慣病予防に効果的な方法であると示唆

運動群では、動脈スティッフネス(-44mm/s : baPWM)が有意に低下。腹囲(-1.2cm)、収縮期血圧(-4.1mmHg)、空腹時血糖値(-6mg/dl)が低下の傾向を示した。

2.除脂肪体重を維持しながら、体重、体脂肪量が有意な減少

運動群では、体重(-1.0kg)、体脂肪量(-1.4kg : DXA法)が有意な低下を示した。注目すべき点として、運動群では体重、体脂肪量の有意な減少を認めながらも、除脂肪体重を維持した点である。有酸素運動や食事制限による減量では体力低下を招き、健康的な減量とは言い難い。

3.脚伸展パワーが有意に増加(+33%)

運動群では、脚伸展パワー(+33%)が有意な増加を示し、座位体前屈(+2.2cm)が増加の傾向を示した。体重を支える下肢筋力、歩幅を支える柔軟性を維持することは転倒のリスクを軽減する上で重要な体力要素である。

2008年9月 日本体力学会にて発表「中年女性を対象としたサーキット式コンバインドトレーニングの身体機能に与える影響」

背景と目的

背景 メタボリックシンドロームの予防や防止に注目した特定検診・保健指導が開始となり、国民のメタボリックシンドロームへの関心度が非常に高くなりました。「平成18年国民健康・栄養調査」(2008年4月30日厚生労働省発表)では、40~74歳の男性の2人に1人、女性の5人に1人がメタボリックシンドロームかその予備軍であることが報告されています。カーブスの発祥の地である米国においては、減量効果、安静時エネルギー量の変化、血液脂質特性の変化など様々な研究がおこなわれ、その効果が立証されています。しかしながら、日本人を対象とした研究はこれまで実施していませんでした。また、動脈硬化度や安静時血流量などの生活習慣病のリスクに関連した詳細な研究は未だ米国においても実施されていません。
目的 そこで、カーブスの運動が生活習慣病・メタボリックシンドローム対策に効果があり、また、健康的なダイエットを実現することを検証する目的で、2007年12月10日~2008年4月5日の16週間、健康な40~60歳代の女性41人を対象に国立健康・栄養研究所と共同研究を実施しました。

研究概要

運動介入期間 2007年12月10日~2008年4月5日の16週間
対象 健康な40~60歳代の女性41名
<BMI25以上(肥満度1:一般的にBMIが「25」を超えたら生活習慣病にかかりやすくなる危険信号といわれている)>
抽出方法 インターネットによる募集、運動介入なし対象群に関しては無作為に抽出
測定方法 16週間のカーブス・サーキットトレーニング前後に以下の項目について測定。これまで運動をしてこなかった被験者41名を2つの群(AとB)に分け、A群(23名)には週3回のカーブスプログラムと食事調査を、B群(18名)には運動介入をせず食事調査のみとして、2007年12月の運動介入前と2008年4月の運動介入後に測定をし、データを比較した。
測定項目 体重、腹囲、体脂肪量、除脂肪体重、骨密度、血圧、動脈硬化度(PWV)、脚伸展パワー、エネルギー摂取量、身体活動量、血液分析

国立研究開発法人 国立健康・栄養研究所との研究結果②

結論

日本人中高齢女性において、サーキットトレーニングを行う頻度が高いほど2型糖尿病の予防効果が高い。サーキットトレーニングは有効な一次予防手段である可能性が高いといえる。

この研究の結果はアジア糖尿病学会発行の論文Journal of Diabetes Investigation (JDI) に採択され、2018年12月18日にJDIのホームページにて早期公開されました。
J Diabetes Investig. 2018 Dec 18. doi: 10.1111/jdi.12973. PMID: 30561143.
Combined aerobic and resistance training, and incidence of diabetes: A retrospective cohort study in Japanese older women. Sawada SS, Gando Y, Kawakami R, Blair SN, Lee IM, Tamura Y, Tsuda H, Saito H, Miyachi M.

背景と目的

背景 米国スポーツ医学会と米国糖尿病学会は、有酸素運動 (AT) やレジスタンス・トレーニング (RT) の単独トレーニングと比較すると、両方を複合させた複合運動トレーニングの方が血糖コントロールに優れていると報告している。
AT:肥満の解消と、糖の貯蔵庫である骨格筋の質的な変化をもたらす
RT:糖の貯蔵庫である骨格筋の量を増加させる
複合運動トレーニングと2型糖尿病罹患の関係については明らかになっていない。
目的 そこでサーキットトレーニングの実施頻度と発症率の関係を検証することを目的に調査を実施することとした。

研究概要

調査期間 2005年~2010年に参加者を登録し、2014年まで追跡調査(平均追跡期間:5年)
対象 20歳以上の女性10,680名(平均年齢57.8歳)
参加条件 1) 2005年7月4日から2010年7月31日までにカーブスのサーキットトレーニングを行ったこと
2) 調査登録時点で糖尿病または甲状腺疾患の既往歴がないこと
抽出方法 東京近郊102施設のカーブス会員から抽出
調査方法 登録後 5 か月間※のサーキットトレーニングの頻度により研究参加者を4つの群(Q1~Q4)に 分け、糖尿病の発症有無について追跡調査を実施。調査は自己記入式アンケートにより実施
※登録から 90 日目まで、151 日目から 180 日目まで、および 241 日目から 270 日目までの 5ヵ月間

国立健康・栄養研究所について

大正9年、当時の内務省の栄養研究所として誕生。以来、国民の健康保持・増進に関する調査研究を行い、科学的根拠に基づいたさまざまな指針を発表。「新しい食事摂取基準」「健康日本21」「健康づくりのための身体活動基準2013」「アクティブガイド(身体活動指針)」など。

東北大学加齢医学研究所との研究結果①

結論

4週間のサーキット運動トレーニングは、高齢者の広範囲な認知機能を改善
~認知症予防や認知機能リハビリへの応用が期待~
  1. (1)実行機能(なにかを我慢したり、状況が急に変わってもうまく対応する力)が向上
  2. (2)エピソード記憶(情報を覚えたり、思い出したりする力)が向上
  3. (3)処理速度(限られた時間でたくさんの作業を行う力)が向上

この研究の結果は米国エイジング協会発行の論文AGEに採択され、2014年4月に掲載誌が発行されました。
Age (Dordr). 2014 Apr;36(2):787-99. doi: 10.1007/s11357-013-9588-x.Epub 2013 Sep 25.

Four weeks of combination exercise training improved executive functions, episodic memory, and processing speed in healthy elderly people: evidence from a randomized controlled trial.Nouchi R1, Taki Y, Takeuchi H, Sekiguchi A, Hashizume H, Nozawa T,Nouchi H, Kawashima R.

背景と目的

背景 日本における65歳以上の認知症の人の数は2025年には約700万人(高齢者の約5人に1人)まで増加すると推計され、今後の高齢者社会に伴い、認知症に対する関心は高まっています。一般に記憶力や処理速度などの認知機能は、年齢と共に低下します。高齢期に認知機能が低下すると認知症などを患い、日常生活に多くの不具合を生じます。

これまでの先行研究では、42週間サーキットトレーニングを継続することで高齢者の記憶力改善に効果をもたらすとされていたものの、健康な高齢者において、“短期間のサーキットトレーニング”が認知機能を改善させるか、という不明点が残されていました。そこで、短期間のサーキットトレーニングが健康な高齢者において種々の認知機能を改善するかどうか検証することを目的に、共同研究を開始し4週間65歳以上の男女64人を対象にサーキットトレーニングを実施しました。

研究概要

運動介入期間 2012年5月~2012年6月の4週間
対象 65歳以上の男女64人
参加条件 1)右利きで日本語を母国語とする
2)自己の記憶機能に問題を感じておらず、認知機能を妨害する薬(ベンゾジアゼピン類、抗うつ剤、その他の中枢神経作用剤を含む)を服用しておらず、甲状腺異常、多発性硬化症、パーキンソン氏病、脳溢血、重度の高血圧(収縮期血圧180mmHg以上、拡張期血圧110mmHg以上)、糖尿病などの中枢神経にかかわる病気の疾患既往歴がないこと
3)他の運動に関する研究に参加していないこと
4)定期的な運動をしていないこと
5)ジムまたはヘルスクラブの会員でないこと
抽出方法 地域タウン誌の広告で募集。サーキットトレーニング介入・なし(無介入群)に関しては無作為に抽出
測定方法 被験者64名をサーキットトレーニング介入群・無介入群の2つの群(AとB)に分け、トレーニング開始前・終了後に介入群・無介入群に対し、認知機能検査を実施
測定項目 実行機能、エピソード記憶、作業記憶、読解力、注意力、処理速度

東北大学加齢医学研究所との研究結果②

結論

1回の運動でも、認知機能(抑制能力)の一部が向上

・サーキットトレーニング群の方が、対照群よりも「認知機能(抑制能力)」「活力」が向上しました

The Role of Cognitive Control in Age-Related Changes in Well-Being
Ayano Yagi1, Rui Nouchi2, Kou Murayama1,3, Michiko Sakaki1,3 and Ryuta Kawashima2
1Research Institute, Kochi University of Technology, Kami, Japan
2Institute of Development, Aging, and Cancer (IDAC), Tohoku University, Sendai, Japan
3School of Psychology and Clinical Language Sciences, University of Reading, Reading, United Kingdom
BRIEF RESEARCH REPORT article
Front. Aging Neurosci., 09 July 2020

背景と目的

背景 超高齢社会に突入した日本において認知症は非常に重要な健康問題です。2012年の段階で、約462万人、65歳以上の約7人に1人が認知症であると推計され、2025年には730万人にまで増加し65歳以上の約5人に1人が認知症を発症すると推定されています。今後も認知症を有する高齢者が増え続けることは想像に難くなく、身近な疾患となりつつある状況下において、認知症に対する関心は益々高まっています。
高齢になるとともに認知機能は低下し、基本的な日常活動を実行する上で困難を生じさせます。近年の高齢者は、健康ブームから、サーキットトレーニングに取り組む方が増えていますが、サーキットトレーニングは、30分という短時間でできることから高齢者でも取り組みやすく、筋力向上や生活習慣病の改善などの効果が得られることがわかっています。従来の研究では、運動は1回実施しただけでも即時効果があることや、高齢者がサーキットトレーニングを4週間実施した場合、認知機能が向上するという研究はありましたが、サーキットトレーニングの即時効果については、ほとんど研究が行われていませんでした。
目的 30分のサーキットトレーニングを1回実施するだけで認知機能と気分に及ぼす即時効果を検証すること

研究概要

対象 40歳以上80歳以下の女性64名
1)右利きで日本語を母国語とする
2)週に1回以上の定期的な運動習慣がある
3)自己の記憶機能に問題を感じておらず、認知機能を妨害する薬(ベンゾジアゼピン類、抗うつ剤、その他の中枢神経作用剤を含む)を服用しておらず、甲状腺疾患、多発性硬化症、パーキンソン病、脳卒中、糖尿病、重度の高血圧(収縮期血圧180以上、拡張期血圧110以上)を含む中枢神経にかかわる病気の疾患既往歴がないこと
4)他の認知関連の介入研究に参加していないこと
抽出方法 広告を用いて、有酸素運動・筋力トレーニング・ストレッチを実施するサーキットトレーニングに精通した健常中高年者を募集。
測定方法 被験者64名をサーキットトレーニングを実施する「サーキット運動群(中年者16名、高齢者16名)」・なにもしないで待機する「対照群(中年者16名・高齢者16名)」に分け、無作為比較対照実験を実施。
両群ともに、1回30分の介入の前後に、認知機能検査や感情状態を聞く心理アンケートを実施。
測定項目 認知機能検査や感情状態を聞く心理アンケート

東北大学加齢医学研究所について

様々な国立大学法人の中で唯一、加齢医学研究を標榜している附置研究所。全国共同利用・共同研究の「加齢医学研究拠点」として、日本の加齢医学研究の中核的役割を果たしている。
加齢の基本的メカニズムを解明するとともに、認知症などの加齢脳疾患や難治性のがんを克服することを目的として、その目的を達成するために、加齢制御・腫瘍制御・脳科学を3つの柱として研究に取り組んでいる。加齢を個人と社会のさらなる成熟・発展ととらえる「スマート・エイジング」の実現を最終的目標として、研究所・大学の知の集結と、産学連携・一般市民参加の有機的体制で、その実現を目指している。

東京都健康長寿医療センター研究所との研究結果

結論

1.身体活動量が有意に向上

運動群では、平均歩数(+859歩)が有意な増加を示した。対照群の平均歩数(-247歩)は減少した。

2.心肺機能(有酸素能力)が有意に向上

運動群では、6分間歩行(+57.8m)が有意な増加を示した。

この研究の結果は日本体力医学会発行の学会誌、体力科学に採択されました(2015年6月発行)
大渕修一, 河合恒, 光武誠吾, 安斎紗保理, 猪股寛裕, 齋藤光, 津田瞳美, 中島友晴:
高齢者に対するサーキット式コンバインドトレーニングの日常活動量への効果,
体力科学, 64 (3):305-314(2015)

背景と目的

背景 高齢人口の増加に伴い医療費、介護費の増加が問題となり、高齢者の健康維持のための万策の重要性はますます高まっている。地域在住高齢者を対象とした運動介入は、歩行速度などの身体機能や健康関連QOLを改善させ、健康増進に影響することが数多く報告されている。一方で健康日本21(第二次)では、高齢者の日常生活における歩数の向上が目標値として設定されるなど、高齢者の身体活動量の重要性が示されており、高齢者の運動介入で身体活動量も着目すべき指標と言える。しかし、これまでの高齢者に対する運動介入の効果の検証は、心身機能指標の改善に主眼が置かれ、身体活動量に与える効果についての知見は不足している。

その理由として、身体活動量を高める介入に関する研究の多くは、介入後に個人が自立して活動的な生活を継続できるようにするために、運動介入に行動変容技法の身体活動量向上への効果を検証していることが考えられる。例えば、心疾患患者や高齢者に対して運動介入後の行動変容技法が身体活動量の向上に効果があることが示されている。しかし、運動介入自体の内容が身体活動量を向上させるかを直接的に検討した研究は少ない。

運動介入後の身体活動量の向上を効果的に促すには、従来は先述のような行動変容技法が必要であったが、サーキット式コンバインドトレーニングは複数名で実施することから「参加者同士の励まし合い」といった運動習慣に関わる重要な要因であるソーシャルサポートを得やすいと考えられ、運動介入自体の内容が行動変容を促し、身体活動量を向上させる可能性がある。
目的 地域在住高齢者に対するサーキット式コンバインドトレーニングが日常の身体活動量に及ぼす効果を明らかにすることを目的とした。

研究概要

運動介入期間 2012年3月4日~2012年6月1日の3ヵ月間
対象 65歳以上の女性60名
除外基準 1)この3ヵ月間で1週間以上にわたる入院をした
2)かかりつけの医師などから運動を含む日常生活を制限されている
3)6ヵ月以内に心臓発作、または脳卒中を起こした
4)収縮期血圧が180mmHg以上、拡張期血圧が110mmHg以上
5)この1年間に心電図に異常があると診断された
6)家事や買い物あるいは散歩などでひどく息切れを感じる
7)この1ヵ月以内に急な腰痛、膝痛などの痛みが発生し続けている
8)運動習慣が週3日以上である
抽出方法 試験実施会場の半径2kmの住宅に研究参加者募集のチラシを配布。
行政の福祉関連施設の掲示板および、実施会場の最寄り駅の掲示板にチラシを掲示。
測定方法 被験者60名をサーキット式コンバインドトレーニング介入群・対照群の2つの群に分け、トレーニング開始前・終了後に介入群・対照群に対し、各種検査を実施
測定項目 平均歩数、世界標準化身体活動質問票、握力、開眼片足立ち、5m歩行速度、Timed up & Go test、6分間歩行、健康関連QOL

東京都健康長寿医療センターについて

江戸時代の小石川養生所を前身とした歴史があり、高齢者医療及び老年学・老年医学研究の拠点として、高齢者の健康増進、健康長寿の実現を目指している。1972年に東京都老人総合研究所として開設以来、高齢社会がもたらす諸問題の解決に向けた研究に先進的に取り組んでいる。

筑波大学大学院 久野研究室との研究結果

結論

6か月間の有酸素運動と比べてカーブス運動プログラムは、筋肉量が有意に増加。

カーブス群では、歩行群(1.4%)に比べて大腰筋横断面積(7.1%)が有意に増加。大腿筋横断面積は介入前後で有意に増加しました。

有酸素運動に比べ、筋力が有意に増加。

また、等速性膝関節屈曲筋力(角速度60°/秒)・股関節屈曲筋力(角速度60°/秒)歩行群に比べてカーブス群で有意な差がありました(それぞれ7.5%、23.6%の増加)。

有酸素運動と比べ、大腿部皮下脂肪面積が有意に低下。

大腿部皮下脂肪面積の減少し歩行群(-1.8%)に比べてカーブス群(-6.5%)で有意な低下を示しました。

よって、カーブス運動プログラムを長期間継続することで、約3~9年間分の加齢による筋量の減少を予防し、要介護の原因になるサルコペニアの予防につながると考えられます。

この研究の結果は第69回日本体力医学会大会で発表されました。
短時間のサーキット運動が中高齢女性の筋量、筋力、歩行能力に及ぼす影響
方恩知1) 田辺解1) 王シンチン1) 津田瞳美2) 齋藤光2) 齋藤直美3) 久野譜也1)
1)筑波大学大学院 人間総合科学研究科 2)カーブスジャパン 3)つくばウエルネスリサーチ

背景と目的

背景 サルコペニアは、加齢による筋量の減少と定義され、筋力や有酸素性能力の加齢低下に関連することが知られており、サルコペニアのみ、または肥満のみの状態と比べて「サルコペニア肥満」は、生活習慣病及び運動器疾患リスクが高いことが明らかとなっている。また、サルコペニアと肥満を併せ持つサルコペニア肥満では、サルコペニアや肥満を単体で持つ人よりも疾病リスクが格段に高まることが知られている。

しかしながら有酸素運動と筋力トレーニングの両方をコンバインドで行うカーブス運動プログラムが要介護の原因となるサルコペニアに対して予防や改善に効果的であるかどうかは明らかにされていない。
目的 本研究は、サルコペニア肥満またはサルコペニアの兆候がみられる高齢女性を対象としてカーブス運動プログラムが筋量、筋力、及び歩行能力に及ぼす影響を検討することを目的とした。

研究概要

運動介入期間 2013年8月26日~2014年2月8日の6カ月間
対象 60歳~85歳の女性49名
除外基準 1)重度の疾患がある者
2)医師から運動制限されている者
3)筋力トレーニング等の運動習慣がある者
4)ホルモン治療を受けている者
5)要介護1~5の認定を受けている者
抽出方法 試験会場近辺の住宅に研究協力者募集のチラシを配布。
A) 有酸素運動群(日常生活の中で歩行を実施 )
B) カーブス群( カーブスにて規定の運動プログラムを実施)に関しては無作為に分類
測定方法 被験者49名を、年齢、BMI、及びサルコペニア肥満判定等をマッチングし、以下の2群に分類。
A) 有酸素運動群(24人):日常生活の中で歩行を実施
B) カーブス群(25人) : カーブスにて規定の運動プログラムを実施
トレーニング開始前・終了後に有酸素運動群・カーブス群に対し、各種検査を実施。
測定項目 筋量(筋横断面積)、筋力(等速性筋力・等尺性筋力)、歩行能力(10m歩行時間・10m障害物歩行時間・6分間歩行距離・Timed Up and Go・タンデムウォーク)、その他体力(椅子座り立ち回数・上体起こし回数・ファンクショナルリーチ・開眼片足立ち時間)、生活習慣病関連指標(形態・サルコペニア肥満判定・腹囲・血圧・血液成分・MetS判定)、体脂肪量(内臓脂肪・皮下脂肪面積)、身体活動量(1日当たり歩数・1週間当たり活動量・1日当たりしっかり歩数)、基本属性、食習慣など

筑波大学大学院 久野研究室について

運動によるメタボリックシンドロームやサルコペニア肥満の予防策の構築、中高年の筋力トレーニング、運動と活性酸素、運動効果の個人差と遺伝子など、スポーツ医学分野において多岐に研究を進めている。筋肉や運動の重要性を説くための社会への発信も積極的に行っている。

大阪大学大学院医学系研究科、日本イーライリリーとの研究結果

結論

1.3ヵ月のカーブスワークアウトにより、運動頻度によらず膝や腰、肩などの痛みが改善
2.膝、腰の機能は、週2回以上の運動で改善効果がみられた
3.痛みの軽減による日常生活機能の改善がみられた

Chronic musculoskeletal pain, catastrophizing, and physical function in adult women were improved after 3-month aerobic-resistance circuit training,
Seira Sato, Sho Ukimoto et al.,
Sci Rep. 2021 Jul 22;11(1):14939.

背景と目的

背景 「第2次健康日本21」でも示されているように、超高齢化社会を迎えている日本において、健康寿命の延伸は、重要な課題のひとつと位置付けられています。中でも女性の「日常生活に制限のある期間の平均」(平均寿命と健康寿命の差)は男性と比較しても長く、依然として取り組むべき課題のひとつです。
肩、腰、手足の関節などの慢性的な痛みの軽減に運動が有効であることは、ガイドラインでも示されています。3ヵ月以上継続、または、反復する運動器慢性疼痛(CMP)は成人の20%に見られ、女性に多く、身体・心理・社会的要因が相互に関与します。治療は運動療法が第一選択とされますが、未だ確立された方法はなく、短時間に有酸素運動と筋力トレーニングを繰り返すサーキットトレーニングのCMPへの効果はまだ明らかではありません。
目的 CMPを有する成人女性の3ヵ月間のサーキットトレーニングの効果を評価すること

研究概要

運動介入期間 3ヵ月間
対象 新たにカーブスに入会した2600名のうち、NRSスコアが4以上で3ヶ月間運動を継続し、かつ2回目のアンケートに回答した139名を分析
測定項目 痛みの強さをNumeric Rating Scale (NRS)、疼痛による破局的思考をPain Catastrophizing Scale (PCS)、腰・肩・膝の自覚的機能をそれぞれ、RDQ, Shoulder36,KOOSを用いて評価を行い、入会時と3ヵ月後で比較しました。

国立大学法人大阪大学について

新たな学術領域の創生、専門分野を超えた知の統合学修を通じて地球規模の社会問題を解決し、人間性豊かな社会の創造に
大きく貢献する人材を輩出することが課題です。
それらを着実に遂行することによって、「世界屈指の研究型総合大学」へ発展することを目指しています。
なかでも大学院医学系研究科では、基礎医学、臨床医学の各領域における研究の実績を活かし、先端的で特色ある研究を推進し、新たな医療技術の開発や医療水準の向上を目指しています。

利用者さまからのお声

※カーブスでの運動とともに日常生活に注意した結果です。※ご年齢は取材当時のものです。

  • 血糖値が下がって
    ビックリ

    血糖値が下がってビックリ

    恵子さん(53歳) / 症状:血糖値が高い

    「血糖値が高いので運動してください」と医師から言われ、カーブスへ。半年で6kg減り、これまでに10kg以上減量できました。体重減にともない、糖尿病の指数であるヘモグロビンA1cの値が7.1から6.1まで下がり、 安心しました。以前ウォーキングを頑張っても変わらなかったのに…、筋トレでこれほど成果がでるとは驚きました。

  • 血圧が正常になって
    うれしい

    血圧が正常になってうれしい

    真弓さん(53歳) / 症状:血圧が高い

    血圧が測るたびに高くなっていき、まずいなと思って塩分を控えるようにしましたが、変化はありませんでした。そんなとき、体力をつけたいとカーブスに入会。週3回通っているうちに徐々に血圧が下がり、気づけば上が120mmHg、下が60mmHgと正常範囲内に。運動で血圧が安定するとは思っていなかったので本当にうれしいです。

  • 筋肉がついて
    腰の痛みがラクに

    筋肉がついて腰の痛みがラクに

    三紀子さん(65歳) / 症状:腰の痛み

    40代後半から、何度もぎっくり腰をくり返すようになり、ブロック注射を打ちながら生活していました。整形外科で「腰痛を改善するには筋肉が必要」と言われ、カーブスで筋トレをスタート。1年半で、痛みを感じることがなくなりました。夜行バスで往復10時間の旅に挑戦したときも、まったく痛くならずに満喫できました。

  • ひざが痛くても
    運動できた

    ひざが痛くても運動できた

    由美さん(53歳) / 症状:ひざの痛み

    40代から、立ち座りが困難なほどのひざの痛みに悩まされていました。あまり動かない生活をしているうちに体重も増えてしまい…。ひざの痛みが心配でしたが、カーブスでは痛みを感じる運動はできる範囲でやればいいので痛みがあっても大丈夫でした。筋肉がついたいまは、ひざを曲げる運動もできるようになり、もう少しで正座もできそうです。

  • 筋トレで骨密度の
    数値が上がり、
    薬いらずに

    筋トレで骨密度の数値が上がり、薬いらずに

    純子さん(65歳) / 症状:骨密度の低下

    50歳ごろから骨密度が急激に下がり始め、検査の結果、同年代の平均値を下回っていることがわかり、薬を飲み始めました。時間があれば、かかと落としや片足立ちなど骨に負荷を与える運動をするようにしましたが、長くは続かず…。7年前からカーブスで筋トレをするようになってからは数値が上向くようになり、今では薬を飲まなくても平均値以上を維持できています。運動はほかにとくになにもしていないので、筋トレの効果だと思っています。

指針・ガイドライン

各種学会における運動に関する
見解

各学会における最新の運動に関する見解、ガイドラインについて載せています。

厚生労働省 健康づくりのための身体活動指針アクティブガイド

厚生労働省は、ライフステージに応じた健康づくりのための身体活動(生活活動・運動)を推進することで健康日本21(第二次)の推進に資するよう、「健康づくりのための運動基準2006」を改定し、「健康づくりのための身体活動基準 2013」を策定。
「+10(プラステン)」をキーワードに、今より10分多くからだを動かすことを推奨しています。
なお、筋力トレーニングやスポーツなどが含まれるとより効果的としています。

日本糖尿病学会刊行物 科学的根拠に基づく
糖尿病診療ガイドライン2019

2型糖尿病における運動療法

  • 2型糖尿病患者に対する有酸素運動やレジスタンス運動、あるいはその組み合わせによる運動療法は血糖値コントロールや、心血管疾患のリスクファクターを改善させる
  • 2型糖尿病患者に対する有酸素運動とレジスタンス運動は、ともに単独で血糖コントロールに有効であり併用によりさらに効果が高まる
  • 有酸素運動は、中強度で週に150分かそれ以上、週に3回以上、運動をしない日が2日間以上続かないように行い、レジスタンス運動は、連続しない日程で週に2~3回行うことがそれぞれ勧められ、禁忌でなければ両方の運動を行う

心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン(2021年改定版)

  1. 第3章 運動処方の一般原則・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 27
  2. 第4章 疾患別の心臓リハビリテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・ 39
  3. 第5章 特別な患者群に対する心臓リハビリテーション・・・・・ 68
  4. 第6章 運動療法の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82
  1. 第3章 運動処方の一般原則・・・・・・・・・・・・・ 27
  2. 第4章 疾患別の心臓リハビリテーション・・・ 39
  3. 第5章 特別な患者群に対する心臓リハビリテーション・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 68
  4. 第6章 運動療法の実際・・・・・・・・・・・・・・・・・ 82

高血圧治療ガイドライン2014

42ページ
第4章 生活習慣の修正
 4.運動

介護予防事業

全国自治体より介護予防事業を受託し、カーブスにて運動指導を行っています

カーブスでは、「要介護」「要支援」状態となることを予防する為に、介護予防事業を受託しています。地域の高齢者の介護予防につなげ、いつまでも高齢者に元気で過ごしていただけるようサポートをしています。他にも、健康づくり事業なども受託しています。

  • 受託都道府県数
    累計27都道府県
  • 受託市区町村数
    累計70市区町村
  • 実施カーブス店舗数
    累計150店舗
  • 介護予防教室等利用者数
    累計 約3,000(2013年12月現在)

その他

カーブスは岐阜県で事業展開されている「岐阜心臓リハビリテーションネットワーク(CR-GNet)」に参加しており、心臓リハビリテーションを終えた女性患者さんの運動場所として、カーブスをご利用いただいています。

CR-GNetは、大きな病院からご自宅、フィットネスクラブなどそれぞれの施設が連携し、
患者さんやその家族も含めて必要な情報を共有できるようにするために創られた組織です。
カーブスではその連携の一貫で、患者さんの運動をサポートしています。

この件に対するお問い合わせ先

株式会社カーブスジャパン戦略企画部

目次へ