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大阪大学大学院医学系研究科、
日本イーライリリーとの研究結果

結論

1.3ヶ月のカーブスワークアウトにより、運動頻度によらず膝や腰、肩などの痛みが改善

2.膝、腰の機能は、週2回以上の運動で改善効果がみられた

3.痛みの軽減による日常生活機能の改善がみられた

Chronic musculoskeletal pain, catastrophizing, and physical function in adult women were improved after 3-month aerobic-resistance circuit training,
Seira Sato, Sho Ukimoto et al.,
Sci Rep. 2021 Jul 22;11(1):14939.

研究の背景と目的・概要

背景と目的

背景 「第2次健康日本21」でも示されているように、超高齢化社会を迎えている日本において、健康寿命の延伸は、重要な課題のひとつと位置付けられています。中でも女性の「日常生活に制限のある期間の平均」(平均寿命と健康寿命の差)は男性と比較しても長く、依然として取り組むべき課題のひとつです。
肩、腰、手足の関節などの慢性的な痛みの軽減に運動が有効であることは、ガイドラインでも示されています。3ヶ月以上継続、または、反復する運動器慢性疼痛(CMP)は成人の20%に見られ、女性に多く、身体・心理・社会的要因が相互に関与します。治療は運動療法が第一選択とされますが、未だ確立された方法はなく、短時間に有酸素運動と筋力トレーニングを繰り返すサーキットトレーニングのCMPへの効果はまだ明らかになっていません。
目的 CMPを有する成人女性の3ヶ月間のサーキットトレーニングの効果を評価すること

研究概要

運動介入期間 3ヶ月間
対象 新たにカーブスに入会した2600名のうち、NRSスコアが4以上で3ヶ月間運動を継続し、かつ2回目のアンケートに回答した139名を分析
測定項目 痛みの強さをNumeric Rating Scale (NRS)、疼痛による破局的思考をPain Catastrophizing Scale (PCS)、腰・肩・膝の自覚的機能をそれぞれ、RDQ, Shoulder36, KOOSを用いて評価を行い、入会時と3ヶ月後で比較しました。

痛みを軽減する効果あり

運動頻度により参加者と3群に分けたところ、NRSは運動頻度に関係なく全群で有意に改善した

結果 運動頻度に関係なく、NRSスコアは有意に改善した
結論 NRSスコア、痛みの部位の数、および腰と肩の痛みの有病率はベースラインと比較をして、介入後に有意に変化しました。
結果 PCS、腰、膝は週2回以上の運動で有意な改善が認められた
結論 PCS、RDQ、およびKOOSスコアは、週2回以上の運動を行ったグループでベースラインと比較して介入後に大幅に改善されましたが、週2回未満のグループでは有意差が確認できませんでした。
結果 ADLスコアは3ヶ月間で有意な改善が認められた
結論 ベースラインと比較した介入後の日常生活動作(ADL)スコアは、有意に改善しました。

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Features Baseline Follow-up p-value
Physical assessment
RDQ RDQ score (0-24),mean(SD) 3.9(4.6) 3.2(4.1) 0.0004
MCID for RDQ
(reduction ≥2),
(%)
30.9
Shoulder
36,mean(SD)
Pain (score 0-4) 3.8(0.3)) 3.8(0.4) 0.7964
Range of motion (score 0-4) 3.8(0.4) 3.9(0.4) 0.1297
Muscle strength (score 0-4) 3.7(0.5) 3.7(0.5) 0.9007
General health (score 0-4) 3.7(0.4) 3.7(0.4) 0.7836
ADL (score 0-4) 3.8(0.4) 3.8(0.4) 0.3358
Sports (score 0-4) 3.5(0.7) 3.4(1.0) 0.3198
KOOS,
mean(SD)
Symptoms (score 0-100) 83.0(20.0) 84.3(17.7) 0.3324
Pain (score 0-100) 82.7(20.1) 84.2(18.1) 0.2115
ADL (score 0-100) 87.6(15.4) 89.5(12.3) 0.0295
Sports (score 0-100) 71.5(31.1) 74.2(29.3) 0.0570
QOL (score 0-100) 70.6(27.6) 73.4(26.3) 0.1136
MCID for KOOS
ADL (rincrease ≥8),(%)
18.0

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Features Baseline Follow-up p-value
Pain assessment
NRS NRS score (0-24),
mean(SD)
5.3(1.5) 4.1(1.9) <0.0001
MCID for NRS
(reduction ≥1),
(%)
60.4
Number of pain site score
(0-35),mean(SD)
4.2(2.8) 3.9(3.7) 0.0024
Low back pain,(%) 61.2 51.8 0.0196
Shoulder pain,(%) 51.1 41.7 0.0280
Knee pain,(%) 47.5 44.6 0.3711
Phychological assessment
PCS,
mean(SD)
Rumination
(score 0-16)
10.2(5.0) 8.8(5.5) 0.0017
Magnification
(score 0-12)
2.8(2.6) 2.3(2.5) 0.0047
Helplessness
(score 0-24)
4.2(3.7) 3.5(4.0) 0.0387
Total
(score 0-52)
17.2(10.0) 14.6(11.0) 0.0013
MCID for PCS
Total
(reduction≥38%),(%)
35.3

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国立大学法人大阪大学について

新たな学術領域の創生、専門分野を超えた知の統合学修を通じて地球規模の社会問題を解決し、人間性豊かな社会の創造に大きく貢献する人材を輩出することが課題です。
それらを着実に遂行することによって、「世界屈指の研究型総合大学」へ発展することを目指しています。
なかでも大学院医学系研究科では、基礎医学、臨床医学の各領域における研究の実績を活かし、先端的で特色ある研究を推進し、新たな医療技術の開発や医療水準の向上を目指しています。

この件に対するお問い合わせ先

株式会社カーブスジャパン戦略企画部

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