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10歳若返るための!健康新常識
10歳若返るための!健康新常識
- ダイエット
- 体のバランス
- 食事制限
2020.07.30
「キレイにやせる」の勘違い
①歳をとると太りやすくなるのはなぜ?
若いころに比べて「食べる量は増えていないのに、だんだん太ってきた」
「食事制限をしても、なかなかやせられない」
などと感じる原因は、歳をとって筋肉がへってきたことにあります。
筋肉は、30歳から年に1%ずつ減っていきます。
筋肉は脂肪を燃やす工場にたとえられます。
脂肪は、運動した時にだけ燃えるわけではありません。
じっと寝ているときでも、呼吸をしたり、体温を一定に保ったり、心臓を動かしたりするために、筋肉工場では脂肪を燃やしてエネルギーを使っています。
このエネルギーは「基礎代謝」と呼ばれ、毎日使っているエネルギー全体の6割以上にもなります。
これは運動で使われるエネルギーよりずっと大きいのです。
基礎代謝の大きさは、筋肉の量によって決まります。筋肉が多い人は基礎代謝が大きく、筋肉が少ない人は基礎代謝が小さいのです。
つまり、若いうちは大きな筋肉工場で脂肪をどんどん燃やしてエネルギーを使うので太りにくく、歳をとって筋肉工場が小さくなると、脂肪を燃やせなくなるので太りやすくなってしまうのです。

怖いダイエット
食べる量を減らせば、体重は減ります。
しかし極端な食事制限は、わざわざ脂肪を燃やせない体を作っているようなもの。
なぜなら体重が落ちるときには、筋肉も一緒に落ちて、基礎代謝も減ってしまうからです。
食事量をもとにもどすと、基礎代謝が減った体ではエネルギーを燃やしきれず、再び体重が増えてしまいます。
それが、いわゆるリバウンド。
しかも、リバウンドしてもどる体重のうち、ほとんどが脂肪。結果的に体脂肪率がアップしてしまうのです。
②歳をとると体型がくずれるのはなぜ?
筋肉が減ると、太りやすくなるだけでなく、体型もくずれてしまいます。
決して太ってはいないのに、ポッコリと出た下腹やたるんだウエスト、ぷるぷるの二の腕などが気になるということはありませんか?
そういう人は、残念ながら脂肪がついてしまっているのです。
たとえばここに、30歳のときの体重が50kgで、50歳になった今でも50kgを保っている女性がいるとします。
若いころと今を見比べてみると、体重は同じなのに、明らかに今の方が体が大きく、たるんでみえるのはなぜでしょう?
それを解く鍵は、あまり聞きなれない「体組成」という言葉にあります。

体組成とは、筋肉、骨格、体脂肪、水分など、体を構成しているもののこと。
加齢とともに筋肉が減り、脂肪がつきやすくなることで、この体組成のバランスがくずれてしまうのです。
本来、筋肉は脂肪よりも重たいので、老化によって筋肉が減り、30歳のときの筋肉量よりも少なくなったのなら、体重は減っているはずです。
つまり、筋肉量は減ったのに体重は変わっていないということは、30歳のときよりも脂肪の割合がかなり増えたということなのです。
体がたるみ、体型が崩れたのは、これが原因です。
したがって、体重だけにとらわれるのではなく、正しい体組成を作る努力をすることが大切です。

大学病院を中心に臨床と研究に従事。
12年間の医療現場を経て、医師の立場からカーブス体操教室での指導者育成、地方自治体介護予防事業などに関わる。


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