「お母さん、カーブスへ行くなら送って行くよ。」
還暦を過ぎて、営んでいた運送業を、息子に引き渡し、時間が空いたのを機にいつも私をカーブスに送り迎えをしてくれた主人のこの言葉はもう聞く事は出来ません。
 私が初めてカーブスと出会ったのは今から9年前の8月の末の事でした。
いつか治るだろうと軽く考えていた膝の痛みは治るどころか増す一方で、夜中などはズキズキと痛んで寝返りも打てなくなってしまいました。
 病院へ行って痛み止めを打ってもらっても調子が良いのはひと晩だけ、ぶり返す痛みに歩くのも怖くなっていました。
 そんな時、カーブスに通っていた妹から、「カーブスへ行ってみる?」と声をかけられたのです。
 この痛みが無くなるのならと連れて行ってもらったその日に入会を決めました。
 1ヶ月、2ヶ月と通ううちに、痛みで使えなかったマシーンも使える様になり、1年もするとほとんど痛みを感じなくなっていました。
 「お父さん、カーブスからの帰りは歩いて来るから迎えは大丈夫。」
 入会して3年も過ぎた頃、今まで送り迎えをしてくれた主人にこう伝えた矢先の出来事でした。今まで病気とは縁の無かった主人が「お腹が重い。」と言って診療を受けた病院で下された診断結果がすでに手遅れの胆肝ガンで、発見されてから3ヶ月 63才の短すぎる生涯でした。
 主人が亡くなって2ヶ月後、再びカーブスへ通い始めた私は、コーチのいつもと変らない明るい笑顔、そして一緒にワークを行っていた仲間のなつかしい姿に胸が一杯になりました。
「志津子さんの御主人に私の友達が引っ越しをやってもらった時、とても誠実にやってもらってありがたかったと言っていたよ。」と、メンバーのKさんが声をかけてくれました。Kさんはカーブスのムードメーカーでその場の空気をなごやかにしてくれる楽しい人でした。
「主人が亡くなってさみしい思いをしてきたけど、今日こういう話が聞けてとても幸福でうれしい気持ちになった。」
と言うと、Kさんは
「私も去年一人娘を亡くしているから江口さんのつらい気持は良くわかるよ。」
と言うのです。
 私は常に明るいKさんがこんなに辛い思いを経験されていた事に驚き、お互いに顔を見て涙を流しました。
 そして私もいつまでも同じ所で足踏みをしていないで、早く立ち直って、応援してくれていた主人の為にも、支えてくれる皆の為にもKさんの様に頑張ろうという気持が湧いてきました。
 カーブスに通い始めて今年で9年目、膝の痛みから解放された事の他に思わぬ副産物がありました。
 身長154センチ、体重40キロと細身の私ですが、入会当時は胸囲78センチ、ウェスト60センチ、腹囲78センチのぽっこりお腹のひょうたん型の体型でした。
が、現在は身長、体重、胸囲は変りませんがウェスト57センチ、腹囲67センチの体型になりました。
 又筋力が付いたのか、体力年令も40代から20代になり、孫と一諸に市民マラソンで走るという夢もかなえる事が出来ました。

「継続は力なり」を実感した出来事でした。
 元気に歩ける幸福と主人への感謝の心を胸に、今日も私はカーブスへ通います。